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好き。嫌い。
結衣side
しおりを挟むあれから熱も下がり、傷口も早めに抜糸してもらい、何とか回復してきた私。
そして…
あれよあれよと日が進むとあっという間に二学期の期末テストが近づいていた。
結「うぅ…今回はあまり学校に行けてなかったから難しい。」
私は勉強に浸っていた。
朝から晩まで勉強をして、合間に家事をする。
勉強に関して今までにないほど苦戦していた。
ん~この問題は難しい…。
そもそもなんで同じ数学なのに数1と数Aの二科目あるのか謎すぎる。
そして今日も部屋で勉強をしていた。
結「はぁ……」
分からない。
分からなすぎる……。
大「どうした。ため息なんてついて。」
結「大雅兄…!?またノックもせずに~!」
大「ノックしたよ!でも返事がなかったから倒れてるのかな~って。」
なんで
返事がない=倒れてる
なのよ。
返事がない=寝てる
って発想はない訳!?
大「この問題分からないのか?」
結「え?う、うん…」
大「使ってる公式ちげーよ。ここ。」
結「え?」
するとノートの端に突然ずらりと公式を使って解き始めた大雅兄。
大「こうだろ?」
結「あ、合ってる……」
まさか自分がこんなに勉強に苦戦する日が来るとは……。
結「大雅兄って意外に頭良いんだね!」
私がそう言うと頭をペチンと叩く大雅兄。
大「"意外に"は余計だろ。教えてやるから分からないとこあったら聞けよ。」
結「だって…大雅兄だってテスト勉強とかあるでしょ?」
大「テスト勉強…か。俺テスト前勉強とかした事ねーし。」
………。
え!?
嫌味ですか!!
私はこんなに必死に勉強してやっと成績取れてるようなモノ。
なんで勉強せずにそんなに理解が出来るのよ…。
大「授業は割とちゃんと出てるし…」
結「でもそれだけじゃ…」
大「ま、細かいことは気にすんな!」
結「気にすると言うより羨ましくてしょうがないんだが…なんで兄妹でこんなに違うんだろ。よーし!大雅兄に負けないように頑張るね!」
大「おお!その意気だ。」
結「じゃあ勉強するから部屋出てって!」
大「え?」
私は大雅兄を部屋から追い出して勉強に励んだ。
それからしばらくずっと勉強をしていた。
結「あーーーもうまた分からない……」
悔しいが大雅兄に教えてもらおう。
私は大雅兄の部屋まで向かった。
でも大雅兄に教えてもらえる優越感すら感じてしまう自分がいる。
すると部屋から大雅兄の声が聞こえる。
結「大雅に……」
あれ?電話中??
大「そだな。近々会うか!なるみはいつ空いてる?」
なるみ……
私は少し固まった。
大雅兄…なるみって人と今度お出かけするんだ。
そりゃそうか。
大雅兄カッコいいし…彼女くらいいてもおかしくないか。
なんで自分は特別だと思い込んでしまったんだろう。
私は所詮妹なのに。
急に不安が私を襲ってくる。
あ…そうだ。
勉強大雅兄じゃなくて秀兄に教えてもらおうかな。
先生だもんね!
私は気持ちをグッと堪え大雅兄の部屋には行かず、秀兄の部屋に向かった。
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