当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

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学園1年目

イベントらしいやつ、キター!

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二学期が始まってから1ヶ月、教室の掲示板にポスターが貼り出された。

「学園祭のお知らせ」

ここにきて学園祭!
これ絶対ゲームでもイベントでしょ!

「殿下、学園祭ですって」
「ああ、そんな時期か」

ポスターを見るに1年生は学園祭を楽しむだけでいいらしいけど、そろそろ新しい攻略対象者も出てくるだろうし気は抜けない。

「大きな行事は初めてです」
「そうだな…楽しみか?」
「ええっと…そうですね」

ただ、俺気づいちゃったんだよね。
フラれないためには俺が攻略対象者を好きにならなければいいだけのことなんじゃないのかな…って。
夏休みで俺も少しは成長したんだぜ。

やっぱ俺、男を抱ける気がしない。
だから一生童貞なのはもう受け入れるしかない。

ただ、一生処女でいられるかってなると…

悲しいかな、この世界の貞操観念はユルい。
俺、お近づきのしるしにセックスしようぜとか言われたとして、うまく断れる自信がない…。
「みんなしてるから大丈夫」とか「気持ちよくしてあげるから」とか言われて、押し倒されたら…。
俺、流されやすいタイプだから。
抱かれたら…好きになっちゃうかもしれない。

だから、もし、もしも、押し倒されるんなら…
仲良くなったうちの誰かがいいな。
知らない人は嫌だ。

俺は、隣にいる殿下を見て…考える。

「はぁ…」

SMプレイも…嫌だな。

「俺の顔をみて溜息をつくな」
「あ、すいません!その、初めての学園祭なので、どんな感じなのかと……警護に不安を感じまして」
「?まあ、俺が視察した事があるのは武芸大会と魔法学会ぐらいだが、大勢の人間が来るのは確かだ」
「じゃあ、それ以外のところはお互い初めてということですね」
「そうだな、王宮からも警備の人間が来るが…お前は俺の側を離れんようにしろよ」
「はい、殿下はどこをご覧になるご予定で?」
「今まで視察したことがない所へ行くのがいいだろうな、という程度にしか決めていないな」
「それはいいですね」

ぜひ、そうしましょう。

魔法学会とか…面倒くさそうだし。



----------

午前の授業が終わって、昼休み。
今日も昼食会の予定なんだけど…いつも一緒に来るエルグラン王子とジョンさんの姿がない。
あちゃー、今回はハズレ回だな。
まあ、皆さんには諦めて頂くしかないか。

「おい、今日の昼食会は誰が来るんだ」
「はい。
 3年生の方で、アレク・コスモス様。
 コスモス侯爵家のご次男で、今回、親御さんからの強いご希望もありまして初のご参加です。

 2組の方で、コーラス・エルム様。
 エルム公爵家のご長男ですね。
 今までも2回ほどご参加されています。

 同じく2組のイドラ・アイリス様。
 王室御用達でもあるアイリス商会のご長男。
 アレク・コスモス様と同じく、今回が初めてのご参加で、従者の方2名とご出席です。

 ……以上、本日は5名様です」

「コスモス家の次男か、初めて見るな」
「一度お会いしましたが、ちょっと…ヤンチャそうな方でしたね」
「素行が悪いとは聞いているな」

まあ、ヤンチャ坊主程度なもんだけどね。

「アイリス商会の長男は…一度会ったことがあるが、あまり好かんな」
「俺も…ちょっと、嫌…かな…」
「ほほう?」
「人の懐具合を見て態度を変えるのは…あまり。
 ああそうだ、こちらお納めください」
「ん」

俺は今朝焼いたクッキーを殿下に渡す。
生地を夜に作っておけば朝は焼くだけだから、それほど早起きしなくて済むので最近良く焼いている。

「たまにはショートケーキが食いたい」
「じゃあ、次の7の日のおやつにしましょう。
 生クリームを買いに行かないと…あと、材料も在庫がかなり少ないですし」
「うむ」

クッキー数枚で豪華なランチを奢ってもらえるんだから、ケーキぐらいお安い御用ですよ!


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