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学園1年目
波乱の昼食会 ※微
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「アレク・コスモス様、イドラ・アイリス様、初めまして。コーラス・エルム様はお久しぶりです。
本日の昼食会は、あちらのお部屋でございます」
耳にピアスをいくつも開けて、制服を着崩したままのコスモス先輩が腕組みをして俺を睨みつけ、
「フン、1年坊主が偉そうに」
体型に合わせて仕立て直された制服にエルム家のエンブレム…エルム君はいつも通り丁寧にお辞儀して、
「本日も宜しくお願いしますね」
アイリス君は俺を見下して、
「おや、君のような人が来られる場所じゃないはずですが…ああ、給仕係か何かで?」
と言った。
ちなみに従者さんは無言だ。
今日の昼食会は波乱の予感。
「殿下が中でお待ちです、どうぞ」
3人と従者2人を案内して部屋に入る。
「よく来たな。まあ座れ」
…いつも思うんだけど、この言い方どうにかならないのかなあ。ならないか。
昼食会のテーブルは円卓。
身分差をとっぱらって話をしようってことでこうなってるんだけど…
殿下の隣を奪うように、アイリス君が動く。
「アルファード殿下、ご機嫌麗しく。
我が商会がいつもお世話になっております。
イドラ・アイリスと申します」
「ああ、自己紹介はいい。名前ぐらい覚えている」
「それは大変光栄にございます」
その後にエルム君が優雅にお辞儀する。
「お久しぶりにございます、アルファード殿下。
またもこのような席にお招き頂き、ありがとうございます」
「ああ、エルム殿か。久しぶりだな。
学園に入る前にはエルム公とよく顔を合わせたものだが…元気にしているか?」
「はい、もちろんでございます」
「『日々健康であればこそ良い働きができる』、か。良く聞かされたものだ」
その後ろから…コスモス先輩。
「え…と、本日はお招き頂き、誠にありがとうございます、」
「ああ、コスモス伯爵家の。
ご両親にはいつも世話になるな」
「い、いえ、そんな」
「謙遜はいい。お二人に、我が国庫の門番の一員として、今後とも宜しく頼むとお伝えしてくれ」
コスモス先輩の親御さんは会計部なんだそうだ。
お堅い家っぽいよな…ヤンチャなのはその反動?
「席は特に決まっていないが…ルース、座れ」
「はい」
殿下を挟んでエルム君とアイリス君が立っているから、今日はコスモス先輩とアイリス君の間かな。
新しい顔2人の間に座る方が、効率いいし。
いつもはエルグラン王子が気を遣って隣を譲ってくれるから、後から入っても隣に座れるんだけど…
仕方ないよね。
「……おい、ルース。お前は俺の隣だろう」
「いえ、本日はこちらに致します。初めての方お二人の間にいるほうが宜しいかと」
「ならん。おい、アイリス。1つ向こうへズレろ」
アイリス君が殿下に抗議する。
「なんと!彼も昼食会を共にするのですか?
殿下の、従者も対等に扱うというご姿勢は素晴らしいと思いますが、ここは社交の場ですから、従者は従者らしくさせたほうが宜しいのでは」
殿下が言う。
「ほう?では従者でなければ良いのだな?」
「そ…それは、もう」
「ルースは俺の従者ではない…おい、ルース」
殿下が手招きする。
俺は殿下の側に行く…と、
右手を取られて、引っ張られて、バランスを崩して前屈みになって、殿下と顔が近づいて、
チュッ。
き、き、キス!!!?!!??
しかも、マウストゥーマウス!?!?!?
チュウッ。
俺の混乱に乗じて、2回のキスも奪った殿下が、
ニヤっと笑ったと思ったら…俺の腰に手を回し、
逃げられな、ん、んーっ!?
ちゅ…ちゅぷ…くちゅ…ぺろ
やめろ、舌を入れるな、
こういうのは大人になってから、じゃ…、
やばい、12歳にして、このキス…は…腰に…来る…
「……!」
全員が絶句するのを見て、殿下は言った。
「こういう仲だ、とでも説明するか?」
「は、はわわわ」
アイリス君が慌てる。
コスモス先輩は目を真ん丸に見開いて固まってる。
エルム君は…
「殿下は情熱的でいらっしゃいますね」
ふふふ、と、微笑んでおられる。
さすが公爵家、胆力が違う……
「まだ公にはしないが、そういうことだ」
「それはそれは、おめでとうございます、殿下。
わがエルム家としても、ユーフォルビア伯爵家と王家の間にこのようなご縁がありましたことを心より歓迎致します」
「うむ、あくまで内密のことだがな。
他の4人も、この件に関しては、」
アイリス君とコスモス先輩が声を揃えて、
「「はい、決して漏らしません」」
と言った。
その後の昼食会は、エルム君以外の人は上の空で…
アイリス君はカトラリーをやたら落とすし、コスモス先輩がグラスを倒して割るし…でも…
これ、俺が思ってた「波乱」と、ちゃうねん。
本日の昼食会は、あちらのお部屋でございます」
耳にピアスをいくつも開けて、制服を着崩したままのコスモス先輩が腕組みをして俺を睨みつけ、
「フン、1年坊主が偉そうに」
体型に合わせて仕立て直された制服にエルム家のエンブレム…エルム君はいつも通り丁寧にお辞儀して、
「本日も宜しくお願いしますね」
アイリス君は俺を見下して、
「おや、君のような人が来られる場所じゃないはずですが…ああ、給仕係か何かで?」
と言った。
ちなみに従者さんは無言だ。
今日の昼食会は波乱の予感。
「殿下が中でお待ちです、どうぞ」
3人と従者2人を案内して部屋に入る。
「よく来たな。まあ座れ」
…いつも思うんだけど、この言い方どうにかならないのかなあ。ならないか。
昼食会のテーブルは円卓。
身分差をとっぱらって話をしようってことでこうなってるんだけど…
殿下の隣を奪うように、アイリス君が動く。
「アルファード殿下、ご機嫌麗しく。
我が商会がいつもお世話になっております。
イドラ・アイリスと申します」
「ああ、自己紹介はいい。名前ぐらい覚えている」
「それは大変光栄にございます」
その後にエルム君が優雅にお辞儀する。
「お久しぶりにございます、アルファード殿下。
またもこのような席にお招き頂き、ありがとうございます」
「ああ、エルム殿か。久しぶりだな。
学園に入る前にはエルム公とよく顔を合わせたものだが…元気にしているか?」
「はい、もちろんでございます」
「『日々健康であればこそ良い働きができる』、か。良く聞かされたものだ」
その後ろから…コスモス先輩。
「え…と、本日はお招き頂き、誠にありがとうございます、」
「ああ、コスモス伯爵家の。
ご両親にはいつも世話になるな」
「い、いえ、そんな」
「謙遜はいい。お二人に、我が国庫の門番の一員として、今後とも宜しく頼むとお伝えしてくれ」
コスモス先輩の親御さんは会計部なんだそうだ。
お堅い家っぽいよな…ヤンチャなのはその反動?
「席は特に決まっていないが…ルース、座れ」
「はい」
殿下を挟んでエルム君とアイリス君が立っているから、今日はコスモス先輩とアイリス君の間かな。
新しい顔2人の間に座る方が、効率いいし。
いつもはエルグラン王子が気を遣って隣を譲ってくれるから、後から入っても隣に座れるんだけど…
仕方ないよね。
「……おい、ルース。お前は俺の隣だろう」
「いえ、本日はこちらに致します。初めての方お二人の間にいるほうが宜しいかと」
「ならん。おい、アイリス。1つ向こうへズレろ」
アイリス君が殿下に抗議する。
「なんと!彼も昼食会を共にするのですか?
殿下の、従者も対等に扱うというご姿勢は素晴らしいと思いますが、ここは社交の場ですから、従者は従者らしくさせたほうが宜しいのでは」
殿下が言う。
「ほう?では従者でなければ良いのだな?」
「そ…それは、もう」
「ルースは俺の従者ではない…おい、ルース」
殿下が手招きする。
俺は殿下の側に行く…と、
右手を取られて、引っ張られて、バランスを崩して前屈みになって、殿下と顔が近づいて、
チュッ。
き、き、キス!!!?!!??
しかも、マウストゥーマウス!?!?!?
チュウッ。
俺の混乱に乗じて、2回のキスも奪った殿下が、
ニヤっと笑ったと思ったら…俺の腰に手を回し、
逃げられな、ん、んーっ!?
ちゅ…ちゅぷ…くちゅ…ぺろ
やめろ、舌を入れるな、
こういうのは大人になってから、じゃ…、
やばい、12歳にして、このキス…は…腰に…来る…
「……!」
全員が絶句するのを見て、殿下は言った。
「こういう仲だ、とでも説明するか?」
「は、はわわわ」
アイリス君が慌てる。
コスモス先輩は目を真ん丸に見開いて固まってる。
エルム君は…
「殿下は情熱的でいらっしゃいますね」
ふふふ、と、微笑んでおられる。
さすが公爵家、胆力が違う……
「まだ公にはしないが、そういうことだ」
「それはそれは、おめでとうございます、殿下。
わがエルム家としても、ユーフォルビア伯爵家と王家の間にこのようなご縁がありましたことを心より歓迎致します」
「うむ、あくまで内密のことだがな。
他の4人も、この件に関しては、」
アイリス君とコスモス先輩が声を揃えて、
「「はい、決して漏らしません」」
と言った。
その後の昼食会は、エルム君以外の人は上の空で…
アイリス君はカトラリーをやたら落とすし、コスモス先輩がグラスを倒して割るし…でも…
これ、俺が思ってた「波乱」と、ちゃうねん。
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