当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

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学園2年目

ダンジョン3日目 その2

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「いやあ、急に沢山使うもんじゃないですね」
「こっちは気が気じゃなかった」

もう大丈夫って言ったんだけど、殿下がすごい圧で
「おぶされ」というので有り難く背負われている。

「重たくてすみません」
「そういうことではない、まったく…」

帰ったら覚えていろ…と殿下が言う。
俺も何となく分かりましたと言う。

「それにしても凄かったです!あんなに色んな属性の魔法を連発して…1人であのスカルキングを倒してしまうなんて!いや、できかけだったからというのを考慮したって、すごいことです!」

袋にスカルキングの残骸を詰め込んだクリビアさんが大興奮で話しかけてくる。

「6属性と聞いたとき、どうせ下位魔法ばかりしか使えないんだろうなんて勝手に考えていたんです、それが、まさか!今まで見たことのない使い方もさることながら、あの精度の高い狙い撃ち…!それがあれば高位魔法と同じ効果が中位魔法でも得られるとは聞いていましたがここまでとは!しかも魔法の威力が変えられるなんて!中位・高位の区別は何だったのか!?
 余りにも常識外!さすが「ルース」さん!」
「威力?…ああ、あれはただの魔力量の調整です。
 いけー!って思えば大きくなるし、そこまでじゃなくていいよって思えば小さくなります」
「こらっルース!秘密を他人に喋っちゃいかん」
「秘密にするほどのことでも…」

剣士班の面々が頭を下げてきた。

「すまん、しっかりとどめを刺しておけば…」
「いやあ、俺も死んだと思ってましたし…そのおかげで、錬成のヒントを得られたんだから結果オーライですよ、瀕死の骸骨兵が集まるとスカルキングになるって分かったのもかなりの成果ですし」
「ルー、俺らもごめん…」
「守るって言ったのに」
「いやいや、来ないでって言ったの俺だし」
「でも…」
「いいのいいの、全員無事だったし、どうせあれは魔法でないと倒せないんだしさ」
「でも」
「いいったら!もう!そんな事より、早く帰ろ!
 魔石もたくさん取って貰ったし!
 ガーベラ先輩もアレクさんも待ってるよ!」
「…そうだな」

殿下が駆け足になった。
皆もそれに合わせて駆け足になった。

「重くないです?もう走れますよ」
「お前…普段から足が遅い自覚はないのか」
「…すいません…」

みんなが少し笑顔になった。
やれやれ、運動音痴もたまには役に立つな…

「待って!」

前を走っていたイドラ君が叫んだ。

「ゴブリンが…います」

何!?

「さっきは居なかったぞ!?」
「どこから出てきた!?」
「知るか、倒す!」

俺と殿下を残して、剣士班は走り出す。
さっきの事があるからか、全員すごいやる気だ。

「ここで終わるのを待つか…ルース、下ろすぞ」
「はい、殿下」

俺の回りには魔法使い班。

コーラス様が言う。
「ゴブリン戦は魔法使いには厳しいですしね」
「何でですか?」
イドラ君が代わりに答えてくれる。
「動きが早いんだ、あと、個体によって弱点の属性が違うから…やりづらいんだよ」
「なるほど…詳しいね」
「父から散々言われたんだ…魔法が使えるようになっても、ゴブリンが出そうなところに行くなって」
「そうか…結構無理なこと頼んじゃったかな、俺」
「まあね…だからうちの担当が無理せず逃げろって言ってたでしょ?
 剣士に任せて、下がっとくのが一番だよ」

そのとき、遠くから叫び声が聞こえた。

「うわー!」

えっ、誰に何が起きた!?
俺たちの注意が前方に引きつけられた直後。
「ギギッ!」
俺の後ろから声がして振り向いた瞬間、
何かに飛び掛かられ背中を地面で強打する。
「がっ…ぐふっ!?」
腹の上に何か重たいものが飛び乗ってきた。
「ギギ…ッ」
俺の上で醜悪な顔で笑う何か…
「ひっ…!」
そいつが俺のシャツに手をかけたその時、
「ルース!」
殿下が剣でそれを薙ぎ払う。
ドサリ、と倒れるそれは…。

特定外来生物ゴブリン!?」


まさか、
こっちからも来た!?

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