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学園4年目
てんてこ舞いで2学期到来
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公演は3日間とも恙無く…とは言い難いけど、とにかく大きなトラブルも無く終わった。
ただちょっとした問題は色々あって、
…ダンサーさんへ暴言を吐いた数名をつまみ出したり、
…グッズが思いのほか売れて在庫が切れてみたり、
…帰りの馬車の配車が予想以上に混乱したり、
…勝手に屋台を出す人が現れたり。
特にグッズ販売っていうのは初めての試みだったもんで、行列を捌くノウハウが無くて大混乱だった。
しかもみんな公演後に買いに来るんだもんな…。
それが帰りの馬車を待つ人とゴチャったんだ。
開演前に物販を済ませておく文化が定着してくれればいいんだけど。
公演そのものは大成功で幕を閉じた。
この公演の為にリズム重視で編曲した唄、新しいジャンルのダンス、それから腕に次々と魔法が取りついていく様は、会場全体を興奮状態に落とし入れて大きなうねりとなった。
「神でも降ろせそうな勢いですね」
「体に何か、力が満ちていく感じです!」
「…この効果を何かに使えんもんかのう」
「この公演を見た人々の追跡調査をしてみたら面白いかもしれませんよ」
魔法馬鹿4人組はまた何かおかしなことを考えついたらしい。
まあ好きにさせておくのが吉だろう。
最終公演ではアンコールでカイト君が演武を披露して、めちゃくちゃ盛り上がった。
デューイ君の笛から出てくる特殊効果が全部カイト君に集まって混じり合って昇華されていくんだ。
あれは圧巻だった。
「最後のあのパフォーマンス、あれは素晴らしい噂になりますよ!」
「伝説の3日間…に、なりそうですかね?」
「もちろんです!そして公演のたびに伝説は増えるでしょう!!」
ダンピエラ男爵の頭の中ではもうすでに次の公演が決定しているらしい。
困った。
もちろん、魔フルートについての質問も各所から浴びせられて、俺はチケットのもぎりどころでは無かった。
「あの魔笛が扱える方は、デューイ様だけなのですか?」
「いえ、古代のものとはいえ魔道具には変わりありませんから、魔力があってあれが吹ける方なら使えるかと…まだ試してはいませんが」
「しかし、古代魔法の時代にもフルートが存在していたんですなあ?」
「それはですね、あの魔道具、フルートの原型とも言えるものでして…。
ですが発見当時音が出なかった為に、現在のフルートで使用する部品を使って再生したのです。
もちろん、歴史的価値を損なわないように細心の注意を払って、ですよ?そこはちゃんと、しっかり、間違いの無いようにやってますから、ええ、絶対に問題ありません!
あ、いや失礼…関係のないことでしたね。
それで見た目は現代のものに似ているのです」
「複製はできないのでしょうか」
「…実は修理を担当した魔道具の権威であるガーベラ家の方も、これは無理だ…と」
「ほう、なぜです?」
「現代の魔道具と違って、古代の魔道具は魔石を使用しないのです。
つまり複製に当たっては古代魔道具の製作技術を復活させなければならないのですが、どうやらそれが完全に失われてしまっているようで…」
口から出まかせもいいとこだけど、デューイ君の使う楽器が魔道具になっちゃう事実は隠せたはず。
そして、地味にうちのハーブティーレシピの編纂も進み、後は効果を裏付けるための治験を残すのみとなった。
「ユーフォルビア邸の庭以外の場所で育てたハーブでも同じ効果が出せなければなりません」
ということで、後は学園に帰ってから実際のハーブを取り寄せて育ててからだそうだ。
一筋縄ではいかないな。
場所は第一砦の花壇を使用することになった。
元々俺がハーブを植えていた場所だから、違和感もないだろうしね。
「これが広まれば、将来産科医の庭でこれらのハーブを育てる事になるでしょう」
と教授が言うので、これらのハーブの育苗をうちの領地が請け負う事に…。
もし売れなかったらどうしよう、不安だ。
それから、超巨大サンドワームの件だけど…
「…ルース、あれ、いるかもしれない」
「何か分かったんですか!?」
「誰も行かない砂漠の真ん中ね、大きな穴あった…調査団だしてる、今」
おびき出すなら雨が降る前の食料が最も少なくて腹が減っている時期がいいだろう、とのことで、どうやら今年の春はローズ王国から正式に支援部隊を派遣することになりそうだ。
もちろん学園からはいつものメンバーに加えて魔法棟5侯爵も参加が決まっている。
そして、最悪の場合に備えた最終兵器も当然ながら同行する…。
砂漠が火の海にならなければ良いんだけど。
「水、気球で運ぶ、どう?」
「ああ、それなら穴の付近に直接撒くことも可能だな」
「でしたら気球の離陸地点まで水を運べればいい、と。最も確実な手段ですね」
水問題も解決しそうで何より。
「これで、落ち着いて「水そのものを操る」方法についての考察や実験ができますね」
フフフ…と笑うエルさまの顔を見て、そういえばスライムもほぼ水みたいなもんだよな…と思ったりして。
さて、2学期も色々忙しそうだ。
公爵派が大人しくしていてくれればいいんだけど…さてどうなるかな。
ただちょっとした問題は色々あって、
…ダンサーさんへ暴言を吐いた数名をつまみ出したり、
…グッズが思いのほか売れて在庫が切れてみたり、
…帰りの馬車の配車が予想以上に混乱したり、
…勝手に屋台を出す人が現れたり。
特にグッズ販売っていうのは初めての試みだったもんで、行列を捌くノウハウが無くて大混乱だった。
しかもみんな公演後に買いに来るんだもんな…。
それが帰りの馬車を待つ人とゴチャったんだ。
開演前に物販を済ませておく文化が定着してくれればいいんだけど。
公演そのものは大成功で幕を閉じた。
この公演の為にリズム重視で編曲した唄、新しいジャンルのダンス、それから腕に次々と魔法が取りついていく様は、会場全体を興奮状態に落とし入れて大きなうねりとなった。
「神でも降ろせそうな勢いですね」
「体に何か、力が満ちていく感じです!」
「…この効果を何かに使えんもんかのう」
「この公演を見た人々の追跡調査をしてみたら面白いかもしれませんよ」
魔法馬鹿4人組はまた何かおかしなことを考えついたらしい。
まあ好きにさせておくのが吉だろう。
最終公演ではアンコールでカイト君が演武を披露して、めちゃくちゃ盛り上がった。
デューイ君の笛から出てくる特殊効果が全部カイト君に集まって混じり合って昇華されていくんだ。
あれは圧巻だった。
「最後のあのパフォーマンス、あれは素晴らしい噂になりますよ!」
「伝説の3日間…に、なりそうですかね?」
「もちろんです!そして公演のたびに伝説は増えるでしょう!!」
ダンピエラ男爵の頭の中ではもうすでに次の公演が決定しているらしい。
困った。
もちろん、魔フルートについての質問も各所から浴びせられて、俺はチケットのもぎりどころでは無かった。
「あの魔笛が扱える方は、デューイ様だけなのですか?」
「いえ、古代のものとはいえ魔道具には変わりありませんから、魔力があってあれが吹ける方なら使えるかと…まだ試してはいませんが」
「しかし、古代魔法の時代にもフルートが存在していたんですなあ?」
「それはですね、あの魔道具、フルートの原型とも言えるものでして…。
ですが発見当時音が出なかった為に、現在のフルートで使用する部品を使って再生したのです。
もちろん、歴史的価値を損なわないように細心の注意を払って、ですよ?そこはちゃんと、しっかり、間違いの無いようにやってますから、ええ、絶対に問題ありません!
あ、いや失礼…関係のないことでしたね。
それで見た目は現代のものに似ているのです」
「複製はできないのでしょうか」
「…実は修理を担当した魔道具の権威であるガーベラ家の方も、これは無理だ…と」
「ほう、なぜです?」
「現代の魔道具と違って、古代の魔道具は魔石を使用しないのです。
つまり複製に当たっては古代魔道具の製作技術を復活させなければならないのですが、どうやらそれが完全に失われてしまっているようで…」
口から出まかせもいいとこだけど、デューイ君の使う楽器が魔道具になっちゃう事実は隠せたはず。
そして、地味にうちのハーブティーレシピの編纂も進み、後は効果を裏付けるための治験を残すのみとなった。
「ユーフォルビア邸の庭以外の場所で育てたハーブでも同じ効果が出せなければなりません」
ということで、後は学園に帰ってから実際のハーブを取り寄せて育ててからだそうだ。
一筋縄ではいかないな。
場所は第一砦の花壇を使用することになった。
元々俺がハーブを植えていた場所だから、違和感もないだろうしね。
「これが広まれば、将来産科医の庭でこれらのハーブを育てる事になるでしょう」
と教授が言うので、これらのハーブの育苗をうちの領地が請け負う事に…。
もし売れなかったらどうしよう、不安だ。
それから、超巨大サンドワームの件だけど…
「…ルース、あれ、いるかもしれない」
「何か分かったんですか!?」
「誰も行かない砂漠の真ん中ね、大きな穴あった…調査団だしてる、今」
おびき出すなら雨が降る前の食料が最も少なくて腹が減っている時期がいいだろう、とのことで、どうやら今年の春はローズ王国から正式に支援部隊を派遣することになりそうだ。
もちろん学園からはいつものメンバーに加えて魔法棟5侯爵も参加が決まっている。
そして、最悪の場合に備えた最終兵器も当然ながら同行する…。
砂漠が火の海にならなければ良いんだけど。
「水、気球で運ぶ、どう?」
「ああ、それなら穴の付近に直接撒くことも可能だな」
「でしたら気球の離陸地点まで水を運べればいい、と。最も確実な手段ですね」
水問題も解決しそうで何より。
「これで、落ち着いて「水そのものを操る」方法についての考察や実験ができますね」
フフフ…と笑うエルさまの顔を見て、そういえばスライムもほぼ水みたいなもんだよな…と思ったりして。
さて、2学期も色々忙しそうだ。
公爵派が大人しくしていてくれればいいんだけど…さてどうなるかな。
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