当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

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学園4年目

決戦前夜

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馬車に揺られてもう10日以上が過ぎた。
宮殿のある王都でノースさんと合流してから1週間。
街道沿いにある野営地でキャンプを繰り返しながら進む。
食料や水はシャラパールの部隊が置いて行ってくれたので困ることは無かった。

「例の集落、みえてきたよ」
「ああ、あそこか…」
「オアシスもあるし、水魔法を使うにはいい環境かもね」

集落について荷物を降ろし、シャラパール側の責任者と挨拶を交わす。
現場を見て回り、質問をいくつか。

「この穴に人が…何人くらい、犠牲に…?」
「遺体は見つかっておりませんが、族長達によれば23人とのことです」
「…そんなに」

シャラパール地域は特殊な統治形態をしている。
ローザンヌのようにそれぞれが国として独立しているわけではなく、部族同士が緩やかに横の繋がりを持ちながら地域の中で時に定住したり時に遊牧したりして生活しているのだ。
オアシスはみんなのもので、独占してはならないという決まりがある。
その他にも「みんなのもの」である場所がいくつかあり、そこを王家が一括で管理している。

「だからこの場所の問題は、王家が対処すると」
「みんなの場所だからね…建物とかも」
「…壊れちゃうかもしれないけど、いいかな」
「新しい建てればいいよ、大丈夫」
「補償金で悩まなくて済むのは助かるなあ」

結構その辺は楽でいいな。

「さて、そろそろ最終打ち合わせを致しましょう」
「そうですね、明日に備えましょう」

シャラパール側の作戦はノースさんから聞いた。
多少のすり合わせで後は何とかなる…はずだ。

***

決戦前夜。
俺たちはそれぞれ、割り当てられた建物へ泊った。

「遂に明日か」
「そうですね」

俺は殿下と2人部屋だ。
、部屋にはキングサイズのベッドが1つ。
当然同じベッドで寝る事になるわけだが…
そうなると、自然と、こう…体をひっつけてみたり…お互いの手をチュッチュしてみたり、してしまうわけで。
そうなると、自然と、こう…デコチュー、鼻チュー、からの、チューになるわけで。

「…ルース」ちゅっ。
「ん、アル…今日は、駄目」

んもう、隙あらばエロいことしようとするぅ…。

「明日、決戦なんだから…しっかり寝て、備えないと」
「むう」
「今日もゴーレムの実験をしたでしょ?
 何の魔物も出なかったから良かったけど…いや、良くないのかもしれないけど。
 魔力使って、疲れてるから…だから、ね?」
「…むう」

ぶっちゃけエロいことをしたところで魔力が回復しないってことは無いんだけど、念には念を入れて。

「アル…なでなで、して」
「分かった」
「明日…頑張る、から…。
 みんなで生きて、帰ろ、ね…」
「ああ、必ず」

巨大ミミズを倒す。
もしかしたら同時に起きるかもしれない魔物の大発生も…鎮めて、それで…

「紛争が、少しでも、減って…」
「ああ」
「平和が、いちばん…ね」

とろとろ…と眠気がやってくる。
明日がシャラパールの転機になりますように…。

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