当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

文字の大きさ
292 / 586
学園5年目

やり残したこと、やりたいこと

しおりを挟む
「えっと…王大の学長からの手紙はここ、と…」

今日は本格的に書類の整理をしようと朝から研究室で格闘中だ。
手紙を差出人ごとに分けてファイリングするのをアレクさんに頼んで、俺は自分で書いたメモやノートを纏める。
したいことを思いついたらとにかく紙に書いていくスタイルだもんで、結構モサモサとメモ書きが出てくる。
一件一件分けていくと結構色んなことをやったもんだなあと感慨深い。

 これは生活魔法、か…懐かしいな。
 魔石の錬成!すっかり忘れてたな…。
 あっ、これ、転移魔法か!
 こっちは遠距離通信の魔法…。
 スラムの環境改善案…これどこまで進んでるっけ?

「う~ん…」
やりたかったけど出来てない事、結構あるなあ。
ノートやメモを見ながら唸っていると、アレクさんが言った。

「どうしたんすか?」
「結構やり残してる事あるな~と思って」

学園に居られるのも後2年。
昇華されてない思いつきたちに一応の目途を付けてやりたいところだ。

「出来てない事はこっちに分けよう…」

とりあえず今は整理整頓が先!
お昼までに片付けてしまわないと、午後は来客がある予定だから…

トントン、ガチャ。

「えっ!誰!?」

こっちが扉を開ける前に入ってきたのは、古代魔法研究室のメンバーだった。

「お手伝いに来ましたよ~!」
「資料の整理は俺たちに任せろ!」
古代魔法研究室うちの実力を見せてやるぜ!」

一昨年まで資料の整理ばっかしてたからな!
と悲しい自慢をして、3人はサムズアップした。

…いや、イイネ!じゃないんすよ。

***

「このハンドサイン、広めたのルースさんじゃないですか」
「えっ、そうだっけ?」
「大丈夫か?って聞いたときに大丈夫じゃないけど気にしないで、みたいな感じで」
「あと任せとけ!的な時とかな」
「上手く行ったときとかにもしてるな」
「OH…」

どうやらみんなの「イイネ!」の乱用は俺のせいだと分かったところで資料の整理が終わった。
魔法使ったぐらい早い…恐ろしい。

棚をざっと見てワルド先輩が言う。

「しかし、「進行中」のものが多いな」
「ほんとな…あ~、これ!懐かしいな」

古代魔法研究室が絡むきっかけになった「身体強化」のノートを見てルディ君とワルド先輩が言う。

「最初、うちにコレのヒント探しに来たんだよな」
「そんなこともありましたね…。
 マグノリア教授に初めて声をかけられたときはびっくりしましたよ」
「結局あれは「音楽」ってことで良いのか?」
「まあ、結果的にそういう方向かと。
 そこから派生して「吟遊詩人」と「踊り子」の話が出てきてるんで」

ただ、ギルドから資料借りて色々書き写したりメモしたりしただけで、まとめ切れてないんだよな…。

「メモだけのものもありましたね、これとか…」
「何だそれ…「魔石錬成」?これも懐かしいな」
「それも全然進んでないんですよね…。
 ガーベラ先輩が卒業するまでには目途をつけときたいところです」

魔石錬成については、この前ヒントを得たので実験を再開してみるつもりだ。

「ダンジョンに空いている穴の調査?」
「ああ、深き森の遺跡に人が入れないサイズのめちゃくちゃ長い穴があって、どうやって調べようかな~って」

これにはゴーレムの技術を応用できないかな…と考え中。

「あとこれは何だ…?転移?」
「ああ、行ったことのある場所に瞬間移動できないもんかな…と思って」
「マジックバッグって?」
「えっと、ほぼ無制限に物が詰められてしかも重くないカバン…みたいな」

でもこの世界の魔法って、結構現実的というか…。
空間魔法とか次元魔法みたいなもんが無さげなんだけど、まあロマンってやつよね。

「写真って何ですか?」
「あー…すっごい精密な絵を一瞬で描く、みたいな?」
「…遠距離通信って?」
「えー…遠くにいる人と会話する方法、かな」

…ヤバい。
それ、異世界にあったものをこっちの技術で再現したいシリーズだわ。
考えてたのも忘れてた…どうしよ。

「なあ、トラウマの克服って何?」
「ああ、闇魔法を有効活用できないかなって…。
 つらい目に遭って心に傷を負って、そのせいで上手く生きられない人の助けになったらなって」

闇魔法の存在理由を考えた時に思いついたやつだ。
光魔法で洗脳を解くことができるようになったことだし、ちょっと進めてみようかな…。

「へえ…色んな事考えてるんだな、ルース」
「子どもの頃、こんなこと出来たらいいなっていうやつの詰め合わせみたいなもんですけどね」

それにしてもいっぱい残ってるなあ。
あと2年か…どないしよ?

しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

転生したらBLゲームのホスト教師だったのでオネエ様になろうと思う

ラットピア
BL
毎日BLゲームだけが生き甲斐の社畜系腐男子凛時(りんじ)は会社(まっくろ♡)からの帰り、信号を渡る子供に突っ込んでいくトラックから子供を守るため飛び出し、トラックに衝突され、最近ハマっているBLゲームを全クリできていないことを悔やみながら目を閉じる。 次に目を覚ますとハマっていたBLゲームの攻略最低難易度のホスト教員籠目 暁(かごめ あかつき)になっていた。BLは見る派で自分がなる気はない凛時は何をとち狂ったのかオネエになることを決めた オチ決定しました〜☺️ ※印はR18です(際どいやつもつけてます) 毎日20時更新 三十話超えたら長編に移行します メインストーリー開始時 暁→28歳 教員6年目 凛時転生時 暁→19歳 大学1年生(入学当日) 訂正箇所見つけ次第訂正してます。間違い探しみたいに探してみてね⭐︎ 11/24 大変際どかったためR18に移行しました 12/3 書記くんのお名前変更しました。今は戌亥 修馬(いぬい しゅうま)くんです

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

処理中です...