当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

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学園6年目

今年も今年とて

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新年会のハシゴをした次の日も新年会。

昨日はダンスパーティーで側室(の名を借りた何か)2名の追加が発表された後、午前の謁見終わりで無理やり資料やらパンフやらを渡してきた人たちに囲まれて「領地を盛り上げる為にやりたい事」の相談会になってしまった。
どうやらダンスの時にちらちらとこっちを伺っていたのは彼ららしい…

おかげで寝る時間が1時間程短くなった。

よって眠い。
それでもやらなければならない事がある…

それは俺主催新年会の手土産を作る事だ!

今年は小ぶりなマフィンに決めた。
これなら生地を寝かしておく必要がないので当日の朝からでも何とかなる…!

俺は早朝から王宮の厨房の一角でバターと格闘する。
今回の目標は200×3種類の600個。

「ルース様、それ…なんですか?」
「魔石ハンドミキサーです!」
「は、ハンドミキサー?」

そう、なんとなんと、ついに俺の夢だったハンドミキサーが完成したのだ!

魔石錬成の技術が確立したおかげで、小さくても強力な魔力を持つ魔石を作り出すことができるようになったから、小型のモーターを作り出すことができるようになったってわけ。

ありがとう「生活魔道具研究会」!
ただ問題はネリネスイッチ式でなくてガーベラタッチ式なこと。
そこそこの魔力が無いと使用できないのが難点だ。

ネリネ教授曰く、回転運動というのは意外と魔力を喰うので、外から魔力を供給するタイプでないと消耗が激しすぎるのだそう。

というわけで、魔力の有り余る俺がバターに砂糖を入れてふんわりするまで混ぜる係だ!

「白くなるまで混ぜる!うおお!」
バババババババババババババババババババ
「すげー!すげー!」
「混ざってる!すっごい混ざってる!」

みんなが手を止めて俺の作業を見守っている。
というかこれが終わらないと始まらないのだ…
この工程がいわゆる【手順・1】だからな。

ちなみに準備段階の計量やバターの常温戻しは昨日から調理師さんたちがしておいてくれた。
ありがたい。

「よし!次!」
「はい!」

卵を入れて混ぜる人へバトンタッチし、また次を混ぜる。
こうして俺は延々とバター200gと砂糖200gを30セット混ぜ合わせ、全て終了したら人手が足りないところへヘルプに入り、フル回転でマフィンを焼く。

「第一陣プレーン100、焼上がりました!」
「第二陣プレーン100、焼成入ります!」
「第三陣紅茶100、型に生地充填完了!」

ようやく最初の100個が焼けた頃、アレクさんがやって来て俺を呼ぶ。

「ルース様、最初のお客様、来たっす!」
「わかりました、今行きます!
 みなさん、後お願い致します!」
「「はい!!」」

俺は薬学コンビ謹製の体力回復薬を飲んで厨房を出る。
これ意外と効くんだよね…
効き目って調合する人の腕にも寄るのかな?
そうなると薬を大量生産するって相当難しいな。

「まあ、それはまたおいおいだな…」

さあ、急いでパーティー会場へ向かわないと!!
俺は歩きながら割烹着を脱ぎ、上着を着る。
この寒いのに汗をかいているので少し冷える…

でもそんな事言ってられない!

「すみません皆さん、遅くなりました!」
「ルース様!本日はお招き頂き有難う御座います!」
「いえいえこちらこそ有難うございます、遠くからわざわざ…」
「ルース様、来年からも引き続きこのパーティーは開催されるのですか?」
「もちろんそのつもりでおりますが、日程のほうは分かりません…
 今年は急な変更でご迷惑をお掛けしました」

昨日の色街の新年会からずっと頭はフル回転してる。
このパーティーが終わったら…

「4つ子ちゃんに会いに行こうかな」

そんなことしたらあのポンコツフォーに怒られるかな。
ただでさえあの4人を差し置いて出産に立ち会ってるからな…

昼過ぎまで寝て、アルとのんびりするのが一番かもね。


パーティー会場には順調に人が入って来る。
知った顔半分、知らない顔半分…。

研究してる人もしてない人も、貴族も王族も平民も貧民も、一緒くたの無礼講パーティー。
話の内容も当然バラバラ、だけどその間をつなぐのが俺の仕事。

だけど折角のパーティーだから、そういうのと関係なく友人は友人としてもてなしたい。

「ルースさん、今年もお招き頂き有難うございます」
「…来賓として来るのは初めてだな」
「クリビアさん!ヘヴィさん!」
「お招き頂き有難う御座います、ルース様」
「おまねき有難うございます、ルースさま」
「あらっ、おチビちゃんたちも大きくなったねえ」
「もうチビじゃないです!」
「おとなだもん!ほら、コーヒー!!」
「ふふ、そうかあ…大人かぁ」

可愛いったらないね。
子どもは癒しだよ…。


さて、最終決戦。

頑張って行こう!!
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