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学園6年目
4人の親と親 ~ベルガモット教授視点~
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乳を全員に飲ませ終え、今のうちに栄養補給をしようとテーブルの上にあるパンに手を伸ばす。
刻んだドライフルーツが入った、栄養価の高いパンだ。
2日おきにルースが沢山焼いて届けてくれるこのパンは、間食として手軽なので気に入っている。
これをユーフォルビア特製のハーブティーと一緒に摂る。
ルースはこういう形で、裏から俺たちをサポートしてくれるのだ。
ありがたい存在だとしみじみ思う。
もぐもぐとパンを噛んでいるところへ、エバがやってきた。
「……全員眠ったよ、セド」
「うん…それは、良かった。
エバも少しでも休んで…細切れにでも寝なくちゃ、もたないだろ?」
4人が4人とも赤子に振り回されているのだ。
寝ている時に一緒に寝ないと、いつ寝られるか分からない…
なのに、エバは俺に手を伸ばし、頬をさすりながら言う。
「セド、魔力…足りてる?」
「ああ…うん、何とか…なる、多分…」
「必要なら、恥ずかしがらないで言うんだよ?」
「うん…でも、魔力だけあっても駄目だから、とにかく食べろって…ルースが」
あくまでもここはルースの実家なのだ。
妊娠中のアレは治療行為だから気にするなと言われたが…その、やっぱり、申し訳なくてだな…。
顔が熱いのを誤魔化すべく俺はパンを食べる。
すると、エバは俺の頬にキスをしてから言った。
「……そのルースが言ってたよ。
乳を出やすくする古代魔法を使っているんなら、一日一回は魔力補給したほうがいいって」
「…むぐっ!?」
な、何を急に言い出すんだ。
駄目だ駄目だ、ちゃんと食って寝ていれば魔力は元通りに…
しかしなおもエバは言いつのる。
「お乳が出やすくなる古代魔法、使ってるでしょ?
だからその分足した方が良いってさ」
「ん…でも、エバだって、回復しないと…」
「僕は寝れば良いから良いよ。
他の3人も子どもたちと一緒に寝た」
「…ウェドナーは?」
「キューに頼んだ」
…ウェドナーはエバと同じ瞳の色の子だ。
キューと同じ髪色の子はフェロー、
テディと同じ瞳の色の子はライル、
ロリィと同じ瞳の色の子はサンズ。
4人とも一生懸命考えて付けた名前だ。
最初はエバ達が考えると言い張っていたが、思いが詰まりすぎた長~い名前を付けようとしていて…。
正直「ガントレット」とか「カートランド」も長いと思っている俺には勘弁してもらいたかった。
他人に覚えてもらい辛いのはいかん。
ふとその時の騒動を思い出してため息をつく。
すると、エバが急に俺に謝る。
「ねえセド…4人も同時に…その、ごめんね?」
「何だ、急に」
「ルースに聞かれたんだ。
4人とも同じ日の同じような時間帯で、その…セドの、胎に…種を蒔いたか…って。
それが4つ子の原因かもしれないから今後は控えるように、って」
「…そうなのか?」
「うん…だから、ごめん」
なるほど、4人…うん、良く覚えていないが、そういう事も…あったというか、確実に春の…帝国再興派との、戦の時のやつだと…思う。
魔力枯渇寸前で落ちた時の、魔力譲渡…。
気が付いたら、うん…まあ、うん。
仕方ない、彼らもあのルースの魔力枯渇を見ている分、恐怖もあって気が動転していたんだろう。
それに、産んでみて思ったんだ。
これで良かったんだ、って。
「…1人1人産んでたら、効率悪いだろ」
「……セド?」
「俺も、いい歳だし…。
産めるとしても最後かもしれん、だから…これで良かったんだよ」
「セド~~!!」
エバが俺に抱き着いてキスをしてきた。
俺はそれを受け止めて…
「ん…ふ」
「ん、セド…かわいい、すき」
「ば、か…ぁ」
いつの間にかエバに押し倒されて、深いキスになる。
飲み込んだパンの味が、エバに変わっていく。
ここしばらくご無沙汰だったエバの目が怪しく光る。
そして俺は…その光にいつも、飲み込まれてしまうんだ。
「…セド、僕の魔力…もらって?」
「……うん」
こんな爛れた関係だと父たちが知ったら、卒倒するのだろうな…。
当の本人が一番信じられないんだ。
特別な才の無い俺が、才能の塊のような彼らに愛されているだなんて…
4人とも同時に愛する事を許されるなんて。
神の采配とは…
時に、不思議なものだ。
刻んだドライフルーツが入った、栄養価の高いパンだ。
2日おきにルースが沢山焼いて届けてくれるこのパンは、間食として手軽なので気に入っている。
これをユーフォルビア特製のハーブティーと一緒に摂る。
ルースはこういう形で、裏から俺たちをサポートしてくれるのだ。
ありがたい存在だとしみじみ思う。
もぐもぐとパンを噛んでいるところへ、エバがやってきた。
「……全員眠ったよ、セド」
「うん…それは、良かった。
エバも少しでも休んで…細切れにでも寝なくちゃ、もたないだろ?」
4人が4人とも赤子に振り回されているのだ。
寝ている時に一緒に寝ないと、いつ寝られるか分からない…
なのに、エバは俺に手を伸ばし、頬をさすりながら言う。
「セド、魔力…足りてる?」
「ああ…うん、何とか…なる、多分…」
「必要なら、恥ずかしがらないで言うんだよ?」
「うん…でも、魔力だけあっても駄目だから、とにかく食べろって…ルースが」
あくまでもここはルースの実家なのだ。
妊娠中のアレは治療行為だから気にするなと言われたが…その、やっぱり、申し訳なくてだな…。
顔が熱いのを誤魔化すべく俺はパンを食べる。
すると、エバは俺の頬にキスをしてから言った。
「……そのルースが言ってたよ。
乳を出やすくする古代魔法を使っているんなら、一日一回は魔力補給したほうがいいって」
「…むぐっ!?」
な、何を急に言い出すんだ。
駄目だ駄目だ、ちゃんと食って寝ていれば魔力は元通りに…
しかしなおもエバは言いつのる。
「お乳が出やすくなる古代魔法、使ってるでしょ?
だからその分足した方が良いってさ」
「ん…でも、エバだって、回復しないと…」
「僕は寝れば良いから良いよ。
他の3人も子どもたちと一緒に寝た」
「…ウェドナーは?」
「キューに頼んだ」
…ウェドナーはエバと同じ瞳の色の子だ。
キューと同じ髪色の子はフェロー、
テディと同じ瞳の色の子はライル、
ロリィと同じ瞳の色の子はサンズ。
4人とも一生懸命考えて付けた名前だ。
最初はエバ達が考えると言い張っていたが、思いが詰まりすぎた長~い名前を付けようとしていて…。
正直「ガントレット」とか「カートランド」も長いと思っている俺には勘弁してもらいたかった。
他人に覚えてもらい辛いのはいかん。
ふとその時の騒動を思い出してため息をつく。
すると、エバが急に俺に謝る。
「ねえセド…4人も同時に…その、ごめんね?」
「何だ、急に」
「ルースに聞かれたんだ。
4人とも同じ日の同じような時間帯で、その…セドの、胎に…種を蒔いたか…って。
それが4つ子の原因かもしれないから今後は控えるように、って」
「…そうなのか?」
「うん…だから、ごめん」
なるほど、4人…うん、良く覚えていないが、そういう事も…あったというか、確実に春の…帝国再興派との、戦の時のやつだと…思う。
魔力枯渇寸前で落ちた時の、魔力譲渡…。
気が付いたら、うん…まあ、うん。
仕方ない、彼らもあのルースの魔力枯渇を見ている分、恐怖もあって気が動転していたんだろう。
それに、産んでみて思ったんだ。
これで良かったんだ、って。
「…1人1人産んでたら、効率悪いだろ」
「……セド?」
「俺も、いい歳だし…。
産めるとしても最後かもしれん、だから…これで良かったんだよ」
「セド~~!!」
エバが俺に抱き着いてキスをしてきた。
俺はそれを受け止めて…
「ん…ふ」
「ん、セド…かわいい、すき」
「ば、か…ぁ」
いつの間にかエバに押し倒されて、深いキスになる。
飲み込んだパンの味が、エバに変わっていく。
ここしばらくご無沙汰だったエバの目が怪しく光る。
そして俺は…その光にいつも、飲み込まれてしまうんだ。
「…セド、僕の魔力…もらって?」
「……うん」
こんな爛れた関係だと父たちが知ったら、卒倒するのだろうな…。
当の本人が一番信じられないんだ。
特別な才の無い俺が、才能の塊のような彼らに愛されているだなんて…
4人とも同時に愛する事を許されるなんて。
神の采配とは…
時に、不思議なものだ。
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