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王子様と皇太子殿下 5
作戦会議【緊急】1
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クロエとソラが再開した次の日。
学園の会議室には7人の男たちが集まり、先生から説明を受けている。
先生はあっちこっち脱線しながら何とか説明を終えて、一言。
「というわけで集まってもらったんだけど」
残りの6人はよく分かったような分からないような気分ではあ、と返事をする。
あまりの締まらなさにエースが言う。
「儂のためにすまん」
「いや、カラス君の為なので」
「殿下の執事として、出来ることがあれば何でも」
「オレ何か関係ある?」
「クロエの親友の恋人なんだから、関係あるだろ…そんなこと言ったら、俺なんか全然関係ないだろ」
先生、エース、ソラ、北の猟犬の代表2名、ロウ、ユーゴ。この7人が頭を突き合わせるなど、なかなか無い光景である。
「エース、1番大事なこと聞くけど」
「うむ」
「「君のものになる」って、具体的にどういう事なのか、ちゃんと自分で考えてきたよね」
「うむ、それじゃ。」
エースが真面目な顔をして続ける。
「儂のものになる、というのは…儂の愛を受け入れ、儂を愛し…かつ肉体関係を結ぶということじゃな」
ユーゴが聞く。
「肉体関係って、…挿れて、…出すとこまで?」
エースが真面目な顔をさらに真面目にして言う。
「……そうじゃ」
約2名が殺気を放つ。
「殺す」
「殺す」
ユーゴがツッコむ。
「こら犬ども、話が進まねぇだろ」
先生が言う。
「同意ありのアナルセックスか…。
まあ想像の範囲内だけど、だったらそこまでたどり着かなきゃならないんだね…
困ったなあ」
「何か問題があるの?」
「大いにね!
というのも、どうやらあの子「伴侶とは何ぞや」のときに教えた「性行為とエッチなことの違い」が主観によるものなんじゃないかって、考え始めたみたいでさ。
どうも「気持ちのいい性的な交わり」が本気で分からないみたい。
それで僕は気づいたんだ、彼は本当に道具として…
だって、普通なら少しは前戯くらいするだろ、たとえレイプだったとしても!!
それも無いなんて、どうしたら…良いんだって」
全員が沈黙する。
全員が知っているのだ、今まで彼がどんな目に遭ってきたか。
沈黙…。
長い沈黙。
それをようやく破って、ソラが話し出す。
「伴侶がどうって話ですけど、カラス君は幸せな伴侶もたくさん見てきてますよ?
だって、北では100回以上、結婚式に参加してきましたもん。
それに、おれらの中にも嫁や旦那のこと惚気けるやつなんてたくさんいたし、時々気遣ってくれてすらいました。
確かに、離縁の裁判とかも領主としてやってたので、伴侶になったからって幸せになれるわけじゃないのも知ってるとは思います。
だから、伴侶っていう言葉が悪いわけじゃないと思うんですけど…
もしかしたら「王族の伴侶」ってとこが引っかかるのかもしれないな」
北の猟犬が言う。
「あんた、殿下に、子を成さないほうがいいとか言ったんだろ?あれはまずいぜ。
孕まないから都合がいいって、ああいうのに…好きなようにされてたんだ。
いい玩具だって…言われてた」
それを聞いて、ロウが猟犬に聞いた。
「まさか…あんたらも知ってるの?」
猟犬たちは頷いて、言った。
「北の猟犬って言われてる奴らは、みんな…一度は見させられてるから」
「第1皇太子や取り巻きどもの趣味、というか…
そうやって殿下を、徹底的に貶めようとしてた。
俺たちの離反も、狙ってたと思う」
ユーゴも、沈痛な面持ちで呟く。
「……よく、側にいるのを許してるな、あいつ」
「あいつらの思い通りにはならないって、それだけの思いで…な」
「でも、殿下には…苦痛だったのかもしれない。
北に帰れって言われたし…でも」
「守らなくちゃいけないから。
みんなで『そんなことありましたっけ?』って。
昨日の記憶無くて、とか酒飲んだら忘れた、とか、必死で無かったことにして。
無理矢理にでもついて行くって…決めた。
どんなことがあっても殿下の味方でいようって」
場が静まり返る。
そんな思いを何度も何度もした子が、心を開いて体を許してくれるようになるのだろうか…?
それは、奇跡にも近い出来事…なのでは?
先生が言う。
「ミッション・インポッシブル…か…」
「は?」
「遂行不可能な任務、って事」
「はあ」
それでも先生は言う。
「でも、何とか状況をこじ開けなきゃ!」
「そうですね」
「だからね、ソラ君。好きな人とエッチなことする気持ちよさを、クロエ君に伝えてよ」
「はあ!?」
「確かにソラの言う事なら効果あるかも」
「いや、いやいやいや無理無理無理無理」
渋るソラに、ロウが一言。
「なんなら、見せつけてやっても…」
「「「それは駄目」」」
全員が食い気味にツッコんだ。
学園の会議室には7人の男たちが集まり、先生から説明を受けている。
先生はあっちこっち脱線しながら何とか説明を終えて、一言。
「というわけで集まってもらったんだけど」
残りの6人はよく分かったような分からないような気分ではあ、と返事をする。
あまりの締まらなさにエースが言う。
「儂のためにすまん」
「いや、カラス君の為なので」
「殿下の執事として、出来ることがあれば何でも」
「オレ何か関係ある?」
「クロエの親友の恋人なんだから、関係あるだろ…そんなこと言ったら、俺なんか全然関係ないだろ」
先生、エース、ソラ、北の猟犬の代表2名、ロウ、ユーゴ。この7人が頭を突き合わせるなど、なかなか無い光景である。
「エース、1番大事なこと聞くけど」
「うむ」
「「君のものになる」って、具体的にどういう事なのか、ちゃんと自分で考えてきたよね」
「うむ、それじゃ。」
エースが真面目な顔をして続ける。
「儂のものになる、というのは…儂の愛を受け入れ、儂を愛し…かつ肉体関係を結ぶということじゃな」
ユーゴが聞く。
「肉体関係って、…挿れて、…出すとこまで?」
エースが真面目な顔をさらに真面目にして言う。
「……そうじゃ」
約2名が殺気を放つ。
「殺す」
「殺す」
ユーゴがツッコむ。
「こら犬ども、話が進まねぇだろ」
先生が言う。
「同意ありのアナルセックスか…。
まあ想像の範囲内だけど、だったらそこまでたどり着かなきゃならないんだね…
困ったなあ」
「何か問題があるの?」
「大いにね!
というのも、どうやらあの子「伴侶とは何ぞや」のときに教えた「性行為とエッチなことの違い」が主観によるものなんじゃないかって、考え始めたみたいでさ。
どうも「気持ちのいい性的な交わり」が本気で分からないみたい。
それで僕は気づいたんだ、彼は本当に道具として…
だって、普通なら少しは前戯くらいするだろ、たとえレイプだったとしても!!
それも無いなんて、どうしたら…良いんだって」
全員が沈黙する。
全員が知っているのだ、今まで彼がどんな目に遭ってきたか。
沈黙…。
長い沈黙。
それをようやく破って、ソラが話し出す。
「伴侶がどうって話ですけど、カラス君は幸せな伴侶もたくさん見てきてますよ?
だって、北では100回以上、結婚式に参加してきましたもん。
それに、おれらの中にも嫁や旦那のこと惚気けるやつなんてたくさんいたし、時々気遣ってくれてすらいました。
確かに、離縁の裁判とかも領主としてやってたので、伴侶になったからって幸せになれるわけじゃないのも知ってるとは思います。
だから、伴侶っていう言葉が悪いわけじゃないと思うんですけど…
もしかしたら「王族の伴侶」ってとこが引っかかるのかもしれないな」
北の猟犬が言う。
「あんた、殿下に、子を成さないほうがいいとか言ったんだろ?あれはまずいぜ。
孕まないから都合がいいって、ああいうのに…好きなようにされてたんだ。
いい玩具だって…言われてた」
それを聞いて、ロウが猟犬に聞いた。
「まさか…あんたらも知ってるの?」
猟犬たちは頷いて、言った。
「北の猟犬って言われてる奴らは、みんな…一度は見させられてるから」
「第1皇太子や取り巻きどもの趣味、というか…
そうやって殿下を、徹底的に貶めようとしてた。
俺たちの離反も、狙ってたと思う」
ユーゴも、沈痛な面持ちで呟く。
「……よく、側にいるのを許してるな、あいつ」
「あいつらの思い通りにはならないって、それだけの思いで…な」
「でも、殿下には…苦痛だったのかもしれない。
北に帰れって言われたし…でも」
「守らなくちゃいけないから。
みんなで『そんなことありましたっけ?』って。
昨日の記憶無くて、とか酒飲んだら忘れた、とか、必死で無かったことにして。
無理矢理にでもついて行くって…決めた。
どんなことがあっても殿下の味方でいようって」
場が静まり返る。
そんな思いを何度も何度もした子が、心を開いて体を許してくれるようになるのだろうか…?
それは、奇跡にも近い出来事…なのでは?
先生が言う。
「ミッション・インポッシブル…か…」
「は?」
「遂行不可能な任務、って事」
「はあ」
それでも先生は言う。
「でも、何とか状況をこじ開けなきゃ!」
「そうですね」
「だからね、ソラ君。好きな人とエッチなことする気持ちよさを、クロエ君に伝えてよ」
「はあ!?」
「確かにソラの言う事なら効果あるかも」
「いや、いやいやいや無理無理無理無理」
渋るソラに、ロウが一言。
「なんなら、見せつけてやっても…」
「「「それは駄目」」」
全員が食い気味にツッコんだ。
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