リバース!

渡里あずま

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リバース!1

解決、そして新たな疑惑2

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 でも、それならやっぱり、俺を捕まえたいよな。わざわざ危険な異世界に行かなくても、魔力が手に入るんなら――だとすると。

「俺、この騒ぎのケリがつくまで、学校来ない方が良いかもな」

 そう呟いた俺に、三人の視線が一斉に集まった。いや、確かに我ながらネガティブ発言だけどよ?

「おふくろ達に心配かけたくないし、留年もしたくないからさっさと片つける。黒城さんみたいに、誰かを巻き込む訳にもいかねぇだろ?」
「それは」
「遅かれ早かれって、お前は言うけどよ……同じ持ち上がり組でも、これまで接点なかったんだから。俺と関わらなければ黒城さん、今まで通りのんびり学校生活送れただろ?」

 そう言った俺に、椿がつ、と眉を寄せる。
 何か、変なこと言ったか?
 そう首を傾げた俺の前で、不意に椿が立ち上がった。そして踵を返し、無言で部室から出ていった。

「って、おい! 椿っ!?」

 膝に乗っていたポモナを降ろして、俺も立ち上がった。そして後を追おうとした足を止め、ポモナへと振り返る。

「悪い。俺、行く……今日は、教えてくれてありがとな」
「……アンリさんっ」

 そんな俺の腕を取り、ポモナが見上げてくる。

「あの……アンリさんも、戻りたいですか?」
「えっ……」

 最初、意味が解らなかったが、少し考えて気づいた。そっか、さっきの話に出てた『道』を使えば、俺もテルスに戻れるのか。
 そう思った俺の、逆の腕が引っ張られる。
 驚いて目をやると、晴香さんが俺の腕を引っ張っていて――そんな場合じゃないんだが、つい和んでしまった。

(椿が弟みたいなら、ポモナとか晴香さんは妹みたいだよな)

 内二人から告白されたのをすっかり忘れて、ひどく微笑ましい気持ちになる。
 そして、我知らず頬を緩ませながら俺は口を開いた。

「戻りたくないって言うと、嘘になるけど……ここも、俺の世界だからな」

 だから、戻らない。そう言った俺の手を、ポモナと晴香さんが離してくれる。
 そんな二人に笑いかけると、俺は椿に追いつく為に走り出した!

「……あなたの第二の人生に、幸いあれ」

 転生した時と同じ言葉と笑みで、俺を見送り。
 ポモナが、姿を消した――元の世界に戻ったのを、階段を駆け降りていた俺は知らない。
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