続・異世界温泉であったかどんぶりごはん

渡里あずま

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この世界についてと、恵理達の役割

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「魔王と勇者については、聞いている? 実は彼らはどちらも元々、君らと同じ異世界から召喚された人間なんだ」
「「「えっ?」」」
「ティエーラは魔力が溢れ、誰もが魔力を持つ世界だけど……欲望や負の感情に引きずられてその魔力は淀み、凝り、やがて暴走する。今まではその度に破壊と再生をくり返していたけれど、試しにその魔力を異世界の魔力を持たない人間に渡してみたら、魔王となった人間が死ねば浄化させられるって解ったんだ。君達の世界にある、厄払いの流し雛みたいなものだね」

 創世神からあっさりととんでもないことを言われたのに、恵理達はギョッとした。世界の為と言われれば、いや、しかし人一人の命を利用するなんて――声には出さなかったが、創世神には三人の考えが伝わったらしい。

「言い訳に思われるだろうけど、魔王に『なって貰った』のは地球で絶望した者だ。己などいらない。でも、地球では死にたくない……だから魔王となり、転生者である勇者に討たれることを選んだ。納得出来ないかもだけど、少なくともこうして世界は滅びず、続くことになった……んだけど」

 そこで一旦、言葉を切った創世神が見たのはグルナとハオだった。

「次は、食文化を発達させようとして。だから、料理知識のある子達を招いたんだけど……事情はそれぞれだけど、どちらも自分の国から動こうとしなかったんだ」
「……だって俺は家族とか、周りの人に美味いもの食って貰えば十分だったし」
「国作りの方が優先だったのと……俺の知識じゃ、料理チートは」
「ね? この通りさ」

 創世神の言葉に、グルナとハオがもごもごと言う。そんな二人に肩を竦めて、今度は創世神は恵理を見た。

「だから、君を呼んだんだ。それこそどんぶりみたいに、引きこもり気質の二人をまとめて欲しかった……魔王と闘う訳じゃないから、体力の加護くらいしかあげられなかったけど」
「加護……だから私、全属性じゃないし体力お化けなんですね」
「そう!」
「……役割、あったんですね」
「ああ。とは言え、君の願いと一致してるよね? 強制じゃないと思うんだけど」
「確かに」

 異世界の美味しい料理の数々を、この世界の人間にも食べて欲しい。その為なら恵理は可能な限りどこにでも行くし、何でもするつもりだ。

「確かに、強制じゃないです。でも……あなたに協力しますから、すぐじゃなくても魔王が勇者に討たれる以外の解決法を探してくれませんか? 私が広めた異世界の料理を、どうせなら魔王や勇者に気兼ねなく食べてほしいです」

 そんな恵理の言葉に、創世神は金色の瞳を軽く見開いた。
 けれど、すぐにその瞳を笑みに細めると――笑いながら頷いて、口を開いた。

「ああ、解ったよ。約束する」
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