灰かぶり君

渡里あずま

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リアルは俺には手強すぎる2

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(っと、時間)
 壁にかけられた時計を見ると、もうすぐ昼休みが終わる時間だった。
 そんな俺の行動に対して、不意に安来さんの腕が外れる。良かった、授業をサボらせる気はないらしい。

「失礼します」
「また明日な」
「え、駄目です」

 立ち上がって即答すると、途端にFクラスの面々が俺を見た。
 流石に言葉が足りなかったかと思い、俺は話の先を続けた。

「俺、ちょっと野暮用があるんで」
「親衛隊待ちだったら多分、ココに呼ばれた時点で様子見になったと思うよ?」

 そんな俺に、青頭――じゃなく、内藤さんが言った。あだ名もだけど会話の運び方からして、この人がFクラスのナンバー2なのかな?
(って言うか、わざわざ安来さんからの呼び出しって言った辺り、確信犯か)

「あと、谷君に残念なお知らせ! 真白が谷君いないからって、お昼中断してこっち来たから……生徒会メンバーから明日、真白と一緒に食堂に来るようにってさ!」

 そして追い打ちをかけるように、一茶がとんでもないことを言い出した。ってお前、言葉と顔が全く合ってないぞ? ニッコニコしやがって。
(ますます、親衛隊のターゲットになりそうだけど……動くのは、ドサクサに紛れやすい鬼ごっこかな?)
 明日は金曜。土日の休みの後、月曜の新歓が親衛隊との決戦(予定)日か――そこまで考えて、安来さんを見る。

「そんな訳で、やっぱり明日は駄目です」
「解った」

(あれ? 意外と素直に、話が通ったな?)
 そう思った俺の前で、安来さんがニヤリと笑って言葉を続けた。

「じゃあ明後日は、おれと出かけるぞ」
「…………はい?」

 確かに土曜日は、今のところ予定がない。だけど何で、俺の予定が勝手に埋まってくんだ?

「ちょっ、待てよ! そんなのズルいっ」
「どこがだ? 明日はお前と一緒だから、明後日って話だろ?」
「うっ……」

 そして真白は、あっさり安来さんに言いくるめられていた。いや、真白、話すり変えられてるぞ。皆も一緒なのと、二人っきりとは違う。
(あ、もしかして他にも誰か一緒とか?)

「二人で、だからな。時間なんかは後で知らせるから、連絡先教えろ」
「……解りました」

 わざわざ付け加えられてしまった。王道転校生みたいに鈍感じゃないんで、流石に目をつけられたのは解るけど、俺は自分をよーっく知っている。
(きっと、怖がらないのが新鮮なんだよな……一日、付き合えば飽きてくれるだろ)

「「「おめでとうございます、キング!」」」

 そんな風に思っていると、Fクラス一同が安来さんに声を揃えてそう言った。
 ……さっきは訓練されたFクラスを、生徒会ファンが見習えばいいって思ったけど。
(あんたら、チワワ達を見習え。そんなあっさりと、物分かり良く賛成するな)
 前言撤回した俺は、うん、悪くないと思う。
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