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第七話
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「ん……っひ、う、……っぁ」
馬の背に揺られながら懐かしい街道を、王国へと進む道を歩む。その道行きに、喜びは無い。
馬の鞍には特製の張り形。馬が歩を進める度にウェールの胎内を貫いて、責め立てる。
今朝方着せられた白色の婚礼用衣装。三つ編みにした髪は解かれて、ふわりと背に広がる。ひらひらと襞の多いドレスと薄いヴェールは、滑稽なほどにウェールに似合わない。
張り形の責め苦と衣装の屈辱に、泣き出しそうになるのを、ウェールは必至に堪えた。
王国に向かうと聞かされたのは、三日前。
オルディナリオの元に召し上げられて、半年ほど経った頃の事だった。
「明日から遠出しよう。可愛い騎士よ」
いつものように散々に抱き潰されて、微睡みに沈みつつあったウェールに、オルディナリオは告げた。頬を撫でようとする掌をふいと避けて、ウェールは呟いた。
「……俺は騎士ではない。洗濯夫、です」
「ふん。強情を張るな、ウェール。どこに行くのか、聞けばお前もきっと喜ぶ」
告げられた行き先は、自分の故郷、亡国となった王国であった。
──いまさら、王国に行ったところで何になる。どんな顔をして、民に、家族に会えば良いというのか。
ウェールは頑なに、「行きたくない」と主張した。そんな我が儘が、奴隷に許されるはずもない。
翌朝には馬車に押し込まれて、逃げ出すことも出来ずに王国へと連れて行かれた。
そして、今朝。
辱め、としか言えない衣装を着せられて、馬に乗せられた。ふわりと広がる白いドレスの前方は酷く短く作られていた。馬上にあっても下着を着ける事も許されなかった半身が、ちらりちらりと顔をのぞかせる。
仕上げに、鞍に固定された張り形に身を沈めろと命じられた時は、オルディナリオの正気を疑った。命じられれば、どんなことも拒めない。それが奴隷、洗濯夫の立場だった。
元王城近くの広場まで、馬に揺られて引き回される。見知った顔も見知らぬ顔も、人々は驚愕の眼差しで馬上の花嫁を見つめる。
ヴェールで顔が良く解らないことだけが、さいわいだ。広場の真ん中、一段高く設えられた台の前で、馬から下ろされた。ようやくまともに息がつける。そう思ったのも束の間だった。台に上がるように背中を押される。
──まるで、処刑台だ。軋む階段を上って台に上ったウェールは、人々の好奇の目を恐れるように顔を伏せた。
「……我が花嫁を、皆に紹介しよう」
共に台上に上がっていたオルディナリオが、ウェールの肩を抱いた。純白の衣装に身を包んだ、明らかにオルディナリオと体格の変わらぬ花嫁。痛いほどに、人々の奇異の眼差しがウェールの身を縮ませる。
オルディナリオの皮手袋をしたままの指が、ほとんど剥き出しの性器に伸びる。そこは張り形によって熱く熟されて、涎のように蜜をこぼしていた。
「……?!」
ウェールは声を殺して、悲鳴を上げた。止めて欲しくて、触れて欲しくて胸の奥が張り裂けそうだ。
くちゅ……水音を立ててぽってりとした唇の奥、欲望の中心に指先が入り込むと、ウェールは肩を震わせて、漏れ出ようとする声を殺した。
「……は、ぁ……や、め……て……くださ……っ」
荒い息の下から、オルディナリオの耳元に囁く。声を聞かれたら、誰かが自分だと、騎士で有った自分だと気付いてしまうかも知れない。それが怖かった。
「……は、……やめ、て……っ」
いよいよ愛撫は執拗に、甘く立ち上る快楽に腰から崩れ落ちそうだ。
ウェールはオルディナリオにしがみついて、懇願する。
「……も……いや、だ……っこんな、所で……辱め、ないで……っ」
「こんな所だから、良いのだろう?」
固唾を飲んで台上の出来事を凝視する人々に、オルディナリオはウェールの女になってしまった部分を、拡げ、まさぐり、見せつける。
正体のわからぬ大柄な花嫁は、酷く淫らなようだ。こんなに大勢の人々の前だというのに、もどかしそうに足を震わせて、夫の愛撫に応えて秘所を濡らしている。
人々は次第に興奮と軽蔑と、好奇心がない交ぜになった歓声を上げ始める。
「……はっ、あ……っあ、あぁ……っ」
次第、甘く、淫猥な歌をさえずる花嫁。頃合いを見計らっていたかのように、オルディナリオはウェールの顔を隠していたヴェールを持ち上げた。
人々は、口々にあっと声を発して押し黙る。
台上で淫らに踊る花嫁の正体は、かつては王国第一の勇者と謳われた騎士団長であったからだ。
崩れ落ちるように、ウェールは台上にうずくまった。
人々の顔は困惑を通り過ぎ、密かに囁き交わす眸は侮蔑と非難で濁っていた。
誰かが、民衆の中から声を上げる。
「こんな奴が騎士団長だったから、オレたちは負けたんだ!」
「そうだ! こんな色狂いせいで!」
心の支えが、みしみしと音を立ててひび割れていく。
「そいつの所為でオレの息子は死んだ!」
「あたしの息子は奴隷にされて、帰ってこない!!」
憎悪、敵意、侮蔑。かつては守護の対象であった人々から浴びせられる罵声を聞きながら、ウェールはただ、呆然とへたり込んだ。
──俺は、この国を守りたかった。家族を、人々を守りたかった。それだけ、それだけだったのに。
「……諸君。我が花嫁に言いたいことがあるなら、この台に上がって直接言ってやったらどうだ? そうだ。花嫁を『喜ばせた者』には望みの褒美をやろう。奴隷になった息子も娘も皆帰してやる」
人々が顔を見合わせて、色めき立つ。ひそひそと声を潜め、台上のウェールを注視する。
ウェールはオルディナリオを見上げる。彼の言うことが理解できない。耳に入る言葉が信じられない。
「……嫌……いや、だ……」
幼い子供のようにいやいやと首を振って、ウェールは台上を這う。
男が一人、台上に上がってくる。好奇と欲望を隠しきれない表情を、顔に張り付かせて。
「や、止めて……くれ……っやめて……止めて下さい……!」
一人が台上に上がると、堰を切ったように男達が階段を上る。
「……本当に褒美を下さるんでしょうね? コイツを『喜ばせ』たら」
卑下た赤ら顔。農夫らしい服装の男はウェールを振り返り、にたりと笑った。
「ああ、確かに褒美をやるとも。お前が役目を果たしたならばな」
ウェールはオルディナリオを仰いで、小さく首を振った。
「は、ぁ……は、……やめ……てく……んんっ!」
農夫は逃れようとするウェールを後から押さえつけて、前戯も無く濡れそぼった秘所に剛直を沈める。農夫をはね除けようとした手脚は、逃れられぬように別の男達によって捕らえられた。
「は、ぐっ……いやだ……あ、あ、っ……ぁ!」
手練手管もなく、農夫らしい率直さでウェールは揺さぶられ、貫かれる。
痛みと同時に胎内の奥深くに、甘く、痺れるような戦慄が兆してくる。
「イヤだってそんな事を言って、お前、もうこんなに濡れて悦んでるじゃないか。ウソをつけ! 淫売!」
「……ちが、う……おねがい、だから……止めて、く……っあ、あぁっ!!」
手荒く奥を突かれる度、ウェールは堪えきれないように首を振った。農夫と繋がった部分からは、くちゅくちゅと泡だって淫らな蜜が溢れ出す。
「なあ、おれもう我慢できねえ。口、使っても良いかな?」
「ああ、オレも。コイツも穴はもう一つあるだろう?」
媚態を示す花嫁に、男達は煽られたように欲望を口にする。
「……んっう、……ん……は、ひぅ……っ?!」
鼻を摘ままれた。苦しさに思わず開いた唇に、半勃ちの陽物が捻じ込まれる。
鼻を突く不潔な刺激臭。垢だらけのそれを喉奥まで突き入れられて、ウェールは思わず涙目になる。
助けを求めて、オルディナリオを見上げれば、彼は薄らと笑っていた。
諦観が、ウェールの眸からひかりを奪っていく。
護るべき人々、同じ国で生きていた仲間、故郷の民衆。今は獣のように眸をぎらつかせて、自分を貪る男達。
ウェールの胸の裡で、何かが軋んで、壊れていく。
──俺は、洗濯夫……洗濯夫は、娼夫の別名。俺は……おれ、は……?
「ん、う……くだ、さい……たくさん、たくさん……イかせて……あっ……太いの、たくさん……っ」
とろりと潤んだ眼差し。ウェールは自らスカートをたくし上げて、蕩けきった秘所を晒す。
代わる代わる、何度も犯された。純白の花嫁衣装に、男達の精が幾度も降り注ぐ。
秘所にある二つの穴は、常に肉によって塞がれて、揺さぶられ、ウェールは堪えきれずに絶頂する。
「ふ、ぁ、あ、あ、あ、イク……っすご、い、イ、い、あ、あぁ……!」
もう、何度達したか解らない。潮を噴き、身を震わせて、花嫁は甘く、淫らに咲いた。
懇願も、制止も、嬌声も、何もかもがウェールを通りすぎて。
「……ぁ……っ」
最後の男が、台上から降りる。
一人残された花嫁は、台上から虚ろな眸を人々に向けた。
オルディナリオはそんなウェールを見下ろして、静かに宣告する。
「……さて。お前達の願いは聞き届けよう。だが、我が花嫁を思う様汚した罪は重い。願いを叶えた後、死を持って償え」
阿鼻叫喚。ウェールを犯した男達は、オルディナリオの連れていた衛兵達によって次々と捕らえられる。
その様子を、ウェールはぼんやりと微笑んで眺めていた。
馬の背に揺られながら懐かしい街道を、王国へと進む道を歩む。その道行きに、喜びは無い。
馬の鞍には特製の張り形。馬が歩を進める度にウェールの胎内を貫いて、責め立てる。
今朝方着せられた白色の婚礼用衣装。三つ編みにした髪は解かれて、ふわりと背に広がる。ひらひらと襞の多いドレスと薄いヴェールは、滑稽なほどにウェールに似合わない。
張り形の責め苦と衣装の屈辱に、泣き出しそうになるのを、ウェールは必至に堪えた。
王国に向かうと聞かされたのは、三日前。
オルディナリオの元に召し上げられて、半年ほど経った頃の事だった。
「明日から遠出しよう。可愛い騎士よ」
いつものように散々に抱き潰されて、微睡みに沈みつつあったウェールに、オルディナリオは告げた。頬を撫でようとする掌をふいと避けて、ウェールは呟いた。
「……俺は騎士ではない。洗濯夫、です」
「ふん。強情を張るな、ウェール。どこに行くのか、聞けばお前もきっと喜ぶ」
告げられた行き先は、自分の故郷、亡国となった王国であった。
──いまさら、王国に行ったところで何になる。どんな顔をして、民に、家族に会えば良いというのか。
ウェールは頑なに、「行きたくない」と主張した。そんな我が儘が、奴隷に許されるはずもない。
翌朝には馬車に押し込まれて、逃げ出すことも出来ずに王国へと連れて行かれた。
そして、今朝。
辱め、としか言えない衣装を着せられて、馬に乗せられた。ふわりと広がる白いドレスの前方は酷く短く作られていた。馬上にあっても下着を着ける事も許されなかった半身が、ちらりちらりと顔をのぞかせる。
仕上げに、鞍に固定された張り形に身を沈めろと命じられた時は、オルディナリオの正気を疑った。命じられれば、どんなことも拒めない。それが奴隷、洗濯夫の立場だった。
元王城近くの広場まで、馬に揺られて引き回される。見知った顔も見知らぬ顔も、人々は驚愕の眼差しで馬上の花嫁を見つめる。
ヴェールで顔が良く解らないことだけが、さいわいだ。広場の真ん中、一段高く設えられた台の前で、馬から下ろされた。ようやくまともに息がつける。そう思ったのも束の間だった。台に上がるように背中を押される。
──まるで、処刑台だ。軋む階段を上って台に上ったウェールは、人々の好奇の目を恐れるように顔を伏せた。
「……我が花嫁を、皆に紹介しよう」
共に台上に上がっていたオルディナリオが、ウェールの肩を抱いた。純白の衣装に身を包んだ、明らかにオルディナリオと体格の変わらぬ花嫁。痛いほどに、人々の奇異の眼差しがウェールの身を縮ませる。
オルディナリオの皮手袋をしたままの指が、ほとんど剥き出しの性器に伸びる。そこは張り形によって熱く熟されて、涎のように蜜をこぼしていた。
「……?!」
ウェールは声を殺して、悲鳴を上げた。止めて欲しくて、触れて欲しくて胸の奥が張り裂けそうだ。
くちゅ……水音を立ててぽってりとした唇の奥、欲望の中心に指先が入り込むと、ウェールは肩を震わせて、漏れ出ようとする声を殺した。
「……は、ぁ……や、め……て……くださ……っ」
荒い息の下から、オルディナリオの耳元に囁く。声を聞かれたら、誰かが自分だと、騎士で有った自分だと気付いてしまうかも知れない。それが怖かった。
「……は、……やめ、て……っ」
いよいよ愛撫は執拗に、甘く立ち上る快楽に腰から崩れ落ちそうだ。
ウェールはオルディナリオにしがみついて、懇願する。
「……も……いや、だ……っこんな、所で……辱め、ないで……っ」
「こんな所だから、良いのだろう?」
固唾を飲んで台上の出来事を凝視する人々に、オルディナリオはウェールの女になってしまった部分を、拡げ、まさぐり、見せつける。
正体のわからぬ大柄な花嫁は、酷く淫らなようだ。こんなに大勢の人々の前だというのに、もどかしそうに足を震わせて、夫の愛撫に応えて秘所を濡らしている。
人々は次第に興奮と軽蔑と、好奇心がない交ぜになった歓声を上げ始める。
「……はっ、あ……っあ、あぁ……っ」
次第、甘く、淫猥な歌をさえずる花嫁。頃合いを見計らっていたかのように、オルディナリオはウェールの顔を隠していたヴェールを持ち上げた。
人々は、口々にあっと声を発して押し黙る。
台上で淫らに踊る花嫁の正体は、かつては王国第一の勇者と謳われた騎士団長であったからだ。
崩れ落ちるように、ウェールは台上にうずくまった。
人々の顔は困惑を通り過ぎ、密かに囁き交わす眸は侮蔑と非難で濁っていた。
誰かが、民衆の中から声を上げる。
「こんな奴が騎士団長だったから、オレたちは負けたんだ!」
「そうだ! こんな色狂いせいで!」
心の支えが、みしみしと音を立ててひび割れていく。
「そいつの所為でオレの息子は死んだ!」
「あたしの息子は奴隷にされて、帰ってこない!!」
憎悪、敵意、侮蔑。かつては守護の対象であった人々から浴びせられる罵声を聞きながら、ウェールはただ、呆然とへたり込んだ。
──俺は、この国を守りたかった。家族を、人々を守りたかった。それだけ、それだけだったのに。
「……諸君。我が花嫁に言いたいことがあるなら、この台に上がって直接言ってやったらどうだ? そうだ。花嫁を『喜ばせた者』には望みの褒美をやろう。奴隷になった息子も娘も皆帰してやる」
人々が顔を見合わせて、色めき立つ。ひそひそと声を潜め、台上のウェールを注視する。
ウェールはオルディナリオを見上げる。彼の言うことが理解できない。耳に入る言葉が信じられない。
「……嫌……いや、だ……」
幼い子供のようにいやいやと首を振って、ウェールは台上を這う。
男が一人、台上に上がってくる。好奇と欲望を隠しきれない表情を、顔に張り付かせて。
「や、止めて……くれ……っやめて……止めて下さい……!」
一人が台上に上がると、堰を切ったように男達が階段を上る。
「……本当に褒美を下さるんでしょうね? コイツを『喜ばせ』たら」
卑下た赤ら顔。農夫らしい服装の男はウェールを振り返り、にたりと笑った。
「ああ、確かに褒美をやるとも。お前が役目を果たしたならばな」
ウェールはオルディナリオを仰いで、小さく首を振った。
「は、ぁ……は、……やめ……てく……んんっ!」
農夫は逃れようとするウェールを後から押さえつけて、前戯も無く濡れそぼった秘所に剛直を沈める。農夫をはね除けようとした手脚は、逃れられぬように別の男達によって捕らえられた。
「は、ぐっ……いやだ……あ、あ、っ……ぁ!」
手練手管もなく、農夫らしい率直さでウェールは揺さぶられ、貫かれる。
痛みと同時に胎内の奥深くに、甘く、痺れるような戦慄が兆してくる。
「イヤだってそんな事を言って、お前、もうこんなに濡れて悦んでるじゃないか。ウソをつけ! 淫売!」
「……ちが、う……おねがい、だから……止めて、く……っあ、あぁっ!!」
手荒く奥を突かれる度、ウェールは堪えきれないように首を振った。農夫と繋がった部分からは、くちゅくちゅと泡だって淫らな蜜が溢れ出す。
「なあ、おれもう我慢できねえ。口、使っても良いかな?」
「ああ、オレも。コイツも穴はもう一つあるだろう?」
媚態を示す花嫁に、男達は煽られたように欲望を口にする。
「……んっう、……ん……は、ひぅ……っ?!」
鼻を摘ままれた。苦しさに思わず開いた唇に、半勃ちの陽物が捻じ込まれる。
鼻を突く不潔な刺激臭。垢だらけのそれを喉奥まで突き入れられて、ウェールは思わず涙目になる。
助けを求めて、オルディナリオを見上げれば、彼は薄らと笑っていた。
諦観が、ウェールの眸からひかりを奪っていく。
護るべき人々、同じ国で生きていた仲間、故郷の民衆。今は獣のように眸をぎらつかせて、自分を貪る男達。
ウェールの胸の裡で、何かが軋んで、壊れていく。
──俺は、洗濯夫……洗濯夫は、娼夫の別名。俺は……おれ、は……?
「ん、う……くだ、さい……たくさん、たくさん……イかせて……あっ……太いの、たくさん……っ」
とろりと潤んだ眼差し。ウェールは自らスカートをたくし上げて、蕩けきった秘所を晒す。
代わる代わる、何度も犯された。純白の花嫁衣装に、男達の精が幾度も降り注ぐ。
秘所にある二つの穴は、常に肉によって塞がれて、揺さぶられ、ウェールは堪えきれずに絶頂する。
「ふ、ぁ、あ、あ、あ、イク……っすご、い、イ、い、あ、あぁ……!」
もう、何度達したか解らない。潮を噴き、身を震わせて、花嫁は甘く、淫らに咲いた。
懇願も、制止も、嬌声も、何もかもがウェールを通りすぎて。
「……ぁ……っ」
最後の男が、台上から降りる。
一人残された花嫁は、台上から虚ろな眸を人々に向けた。
オルディナリオはそんなウェールを見下ろして、静かに宣告する。
「……さて。お前達の願いは聞き届けよう。だが、我が花嫁を思う様汚した罪は重い。願いを叶えた後、死を持って償え」
阿鼻叫喚。ウェールを犯した男達は、オルディナリオの連れていた衛兵達によって次々と捕らえられる。
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