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4話 予想外
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「貴幸、お疲れー」
自分の教室に戻ると、そこには予想外の展開が待っていた。
必ず「遅いぞ!」と非難の言葉を浴びせられると思っていたが、
雅春は優しい言葉で労ってくれたのだ。
「雅春、どうしたんだ?
俺はてっきり遅いぞ!って怒られると思ってたんだが」
「まあ……今のお前の顔を見たら怒るなんてできないよ。
たぶん俺には言いづらい事なんだと思うけど、
俺としては何かの役に立ちたい。
直接的な事は何も言わなくてもいいから、話してみろよ。
それだけで少しは気が楽になると思うぜ?」
確かにこの半月ばかり、自分だけで背負ってきた事もあり、
そろそろ限界に達しようとしているのは自分でも分かっている。
だが、あの事を話してしまったら、
雅春を巻き込んでしまうのは確実だ。
かといって、このままの状態では……。
「これは俺の独り言だと思っておいてくれればいいんだが、
最近貴幸のうわ言に出てくる『悪魔』と言う言葉と
ここ『1ヶ月』をキーワードにして少し調べてみたんだ」
雅春はそう言うと、一呼吸置いてから目を瞑る。
「そしたら、ある事実が姿を現した。
まず1ヶ月前に隣の県で連続した不審死だ」
「不審死……?」
脈絡もなく突然言い出したので、つい声に出してしまうが、
雅春の意図を察して、すぐに口を噤む。
「警察が調べても外傷などが見られないため、事件性はないと判断され、
あまり報道でも取り上げられる事はなかったらしい。
んで、俺の親戚がゴシップ紙の記者をやってるんだが、
それについて奇妙な共通点を見つけたんだと」
奇妙な共通点……。
「1つは不審な死を遂げる人物は1人ではなく、必ず2人である事。
もう1つは、不審死を迎える前に話を聞いた人によると、
悪魔のような男と会ったと言っていたんだと」
隣の県で続いていた不審死に、見つかった共通点。
死者は1人ではなく、必ず2人。
死者は悪魔のような男と会っていた。
それを聞いた俺は頭の中で点が線となって1本に繋がった。
死者が2人なのは俺と同じように、
あの悪魔のような男と契約を結んだから。
あの契約を結びに来たのも偶然じゃなかったんだ。
確かに茜は昔から体が弱く、病院に入院する事もあったが、
何の原因もなく突如昏睡状態に陥ると言うのは、
今考えると不審な点が多すぎる。
あの悪魔のような男が、何らかの方法で茜を落としいれ、
茜の命を救うためと俺に嘘をついて、
俺と茜を「命の鎖」で結ばせたんだ。
そこまで思考が辿りつくと、強い眩暈が襲ってきた。
咄嗟に目を瞑ると、足元から闇が迫ってくるような
不気味さを感じたため、すぐに目を開ける。
となると、あの少女の声は「命の鎖」を断ち切れと言うことだろうか?
でも、断ち切れと言っても具体的にどうすれば……。
「俺が出来る事はここまで、かな?
とりあえず何か役に立ったみたいで良かったよ」
「……ああ、雅春のおかげで事情は分かった。
でも、真実を知ったとして俺は何を……」
突如周りが静まり返り、廊下からコツンコツンと
誰かの足音が聞こえてきたため、椅子を倒して立ち上がる。
すぐにクラスメイトの様子を伺うが、
なぜか皆の動作が静止した状態となっており、
微動だにしなかった。
それは悪ふざけをしている訳ではなく、
ほんとに時間が停止してしまったかのようだ。
「おい、雅春! どうしたんだ!」
しかし、雅春に呼びかけても体を揺すっても全く動く気配がない。
周りの様子を確認している間も、
廊下に響く足音はだんだんと近づいてくる。
これは間違いなく、あの悪魔のような男の足音だ。
このままここで待っているのはまずいと判断し、
中庭側の窓を開けて、すぐさま中庭に出る。
自分の教室に戻ると、そこには予想外の展開が待っていた。
必ず「遅いぞ!」と非難の言葉を浴びせられると思っていたが、
雅春は優しい言葉で労ってくれたのだ。
「雅春、どうしたんだ?
俺はてっきり遅いぞ!って怒られると思ってたんだが」
「まあ……今のお前の顔を見たら怒るなんてできないよ。
たぶん俺には言いづらい事なんだと思うけど、
俺としては何かの役に立ちたい。
直接的な事は何も言わなくてもいいから、話してみろよ。
それだけで少しは気が楽になると思うぜ?」
確かにこの半月ばかり、自分だけで背負ってきた事もあり、
そろそろ限界に達しようとしているのは自分でも分かっている。
だが、あの事を話してしまったら、
雅春を巻き込んでしまうのは確実だ。
かといって、このままの状態では……。
「これは俺の独り言だと思っておいてくれればいいんだが、
最近貴幸のうわ言に出てくる『悪魔』と言う言葉と
ここ『1ヶ月』をキーワードにして少し調べてみたんだ」
雅春はそう言うと、一呼吸置いてから目を瞑る。
「そしたら、ある事実が姿を現した。
まず1ヶ月前に隣の県で連続した不審死だ」
「不審死……?」
脈絡もなく突然言い出したので、つい声に出してしまうが、
雅春の意図を察して、すぐに口を噤む。
「警察が調べても外傷などが見られないため、事件性はないと判断され、
あまり報道でも取り上げられる事はなかったらしい。
んで、俺の親戚がゴシップ紙の記者をやってるんだが、
それについて奇妙な共通点を見つけたんだと」
奇妙な共通点……。
「1つは不審な死を遂げる人物は1人ではなく、必ず2人である事。
もう1つは、不審死を迎える前に話を聞いた人によると、
悪魔のような男と会ったと言っていたんだと」
隣の県で続いていた不審死に、見つかった共通点。
死者は1人ではなく、必ず2人。
死者は悪魔のような男と会っていた。
それを聞いた俺は頭の中で点が線となって1本に繋がった。
死者が2人なのは俺と同じように、
あの悪魔のような男と契約を結んだから。
あの契約を結びに来たのも偶然じゃなかったんだ。
確かに茜は昔から体が弱く、病院に入院する事もあったが、
何の原因もなく突如昏睡状態に陥ると言うのは、
今考えると不審な点が多すぎる。
あの悪魔のような男が、何らかの方法で茜を落としいれ、
茜の命を救うためと俺に嘘をついて、
俺と茜を「命の鎖」で結ばせたんだ。
そこまで思考が辿りつくと、強い眩暈が襲ってきた。
咄嗟に目を瞑ると、足元から闇が迫ってくるような
不気味さを感じたため、すぐに目を開ける。
となると、あの少女の声は「命の鎖」を断ち切れと言うことだろうか?
でも、断ち切れと言っても具体的にどうすれば……。
「俺が出来る事はここまで、かな?
とりあえず何か役に立ったみたいで良かったよ」
「……ああ、雅春のおかげで事情は分かった。
でも、真実を知ったとして俺は何を……」
突如周りが静まり返り、廊下からコツンコツンと
誰かの足音が聞こえてきたため、椅子を倒して立ち上がる。
すぐにクラスメイトの様子を伺うが、
なぜか皆の動作が静止した状態となっており、
微動だにしなかった。
それは悪ふざけをしている訳ではなく、
ほんとに時間が停止してしまったかのようだ。
「おい、雅春! どうしたんだ!」
しかし、雅春に呼びかけても体を揺すっても全く動く気配がない。
周りの様子を確認している間も、
廊下に響く足音はだんだんと近づいてくる。
これは間違いなく、あの悪魔のような男の足音だ。
このままここで待っているのはまずいと判断し、
中庭側の窓を開けて、すぐさま中庭に出る。
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