2 / 11
第1章/笑うピエロ Missing children
1-①/grain rain
しおりを挟む
──ねえ、覚えてる?
君が話しかけてくれたあの日、私の人生はそこで変わった。
君のせいだよ。
君のせいで──。
◆◆◆
「·········着いた」
いやまさか、本当に見つかるとは思ってなかった。
──私は今、とある町のとある木造平屋の前に来ている。
パッと見はカフェのような建物だが、駐車スペースに停まっている車は桐弥さんの物だ。昔、蒼空の家に行った際に見たことがある。つまり、ここが『明智探偵事務所』ということだ。
なるほど、秘密裏に活動しているだけのことはある。看板や表札のような物も無く、一見するとこれが探偵事務所だとは分からない。この町も最寄り駅も、蒼空が持っていた地図が無ければまず訪れることのないような場所だ。僻地とまではいかずとも、『穴場』といったところか。
地図で幾つか印が付いていた内の近い所から総当たりするつもりだったが、一発目で引き当てるとは幸先が良い。
ここから先、進むからには後戻りはできない。覚悟を決めなくてはならない。
呼吸を整え、私は指先を震わせながら、ゆっくりと入口のチャイムを鳴らす。
少しして、扉がゆっくりと開く。
「·········どちら様?」
そこに立っていたのは、仏頂面をした、同い歳ぐらいの見た目の男の子。何故か不機嫌そうな表情をしている。
雰囲気といい、どことなく蒼空に似てる気がする。
「えーっと·········、明智探偵に少し用が·········」
恐る恐る用件を伝えると、男の子は訝しげに私を再度一瞥し、事務所内へ振り返る。
「所長、客人です」
「客人? 今日のクライアントの予定はキャンセルだった筈だが」
「いや、若い子ですね」
すると事務所の奥から、コーヒカップ片手に声の主が姿を現す。
「朱里ちゃん? なんでこんなところに」
「ご無沙汰しております、桐弥さん。急に来てしまってごめんなさい」
桐弥さんは心底驚いた様子だった。まさか私が来るとは夢にも思ってなかっただろう。
「いやぁ、よくここが分かったね」
「実は蒼空くんが地図でこの住所に印付けてたのをちょっと盗み見ちゃって」
「盗み見って·········、なるほど、ちゃっかりしてるなぁ。じゃあ、アイツが来るのも時間の問題ってことか」
桐弥さんはふうっと短く息を吐き、中央のテーブルに飲み干したカップを置くと、目の前のソファーに腰掛ける。
「まぁ、座って」
促されるがまま、私は桐弥さんの向かいのソファーへ腰を下ろす。
「それで、要件は? 何か用があって来たんだろう?」
「えーっとですね、楓さんの事件について、私も気になって」
ピクっと、桐弥さんが眉をひそめる。
「事件? 楓は病死だと伝えていたと思うが」
「本当に、病死なんでしょうか?」
私はそう言って、持参した当時の新聞記事の切り抜きの何枚かをテーブルへ広げる。楓さんが亡くなったことに関するニュース記事だ。
「これも、これも、この記事も、いくら一般人とはいえ、内容に具体性が無さ過ぎると思うんです。病死なのに病名も病院名も公表されてない。亡くなったとされる日時も記事毎にバラバラで、何が正しいのか全く分かりません。まるで──」
「──まるで、知られたらマズい情報でも隠してるみたい、かい?」
私の言葉に被せるようにして、桐弥さんは真剣な表情で台詞を投げかけてくる。
──空気が変わったのを感じた。事務所内に緊張が走る。桐弥さんからの問い掛けに、私はゆっくりと頷いた。
「そっか、朱里ちゃんは意図的な情報操作がされてると思ってるんだね」
「桐弥さんも、おかしいと思って調べてるんですよね? 私も同じです。何かお手伝い出来ることがあれば──」
「──無い」
またしても、言葉を遮られた。今度はハッキリとした『拒絶』。明らかに変わった声色と語気の強さからも、強い意志を感じる。
「分かるだろう? こういった情報操作がされるってことは、何かしら大きな力が働いてる。それこそ、恐ろしい犯罪組織が絡んでる可能性だってある」
桐弥さんは一層真剣な眼差しで、こちらを見つめる。
「君も、蒼空も、まだまだ子供だ。謎を解明したい気持ちはあるだろうが、それ以上に、君達を危険な目に合わせる訳にはいかないんだよ」
「どうしても·········ですか?」
「どうしても、だ」
桐弥さんの言葉には揺るぎない決意が込められていた。彼の声には、過去の経験から来る重みがあった。
一瞬怯んだが、私の決意は変わらない。ここで引いてたまるか。
「でも、私はただ真実を知りたいだけなんです。楓さんに何があったのか、どうして亡くなったのか」
「気持ちは痛いほど分かる。ただ、真実を追い求めることが必ずしも正しいとは限らない。君が知りたいと思っていることには、想像以上の危険が伴うかもしれない」
桐弥さんは一度新聞の切り抜きに目を落としたかと思うと、そのまま俯いた。その姿は、何かを思い出したように、強く歯を食いしばっているように見えた。
「朱里ちゃん、君の情熱は素晴らしい。この事務所も、見つけようと思ってすぐ見つけられるような場所じゃないからね。探し当てただけでも称賛に値するよ。でも、感情だけで突っ走るのは危険だ。もし何かあったら、君自身が後悔することになる」
私のことを想っての言葉なのは分かっている。でも──
「逆です。後悔しない為に、真実を明らかにしたいんです。私は、楓さんの為に、蒼空くんの為に、そして私自身の為にも、諦めたくないです」
その言葉に、桐弥さんはしばらく黙って考え込んでいた。緊迫した沈黙が流れ、私は彼の反応を待ちわびた。
程なくして、これ以上説得しても私が折れないと思ったのか、桐弥さんは諦めたように深く溜め息を吐いた。
「·········分かった。そしたら、あまり本意ではないが、少しテストさせてもらうよ」
「テスト、ですか?」
「ああ。君がこの件について、どこまで本気なのか」
そう言って、桐弥さんは何枚かの写真をテーブルに広げる。古いマンションの写真が1枚と、後の何枚かは子どもの写真。皆が笑顔でピースサインをしている、実にほのぼのとした写真だ。
「 比恵呂町の失踪事件は知っているかい?」
「あ、はい。児童が行方不明になって、数日経って何事も無かったかのように戻って来るっていう」
「ああ。まあ、基本的に子供たちは無傷だし、今のところ戻って来なかった子というのは居ないんだが、誘拐事件だから当然警察も動いている」
そっか。ということはこの写真の子達は、実際に行方不明になった子供──。
「聞くところによると、身代金要求があった訳でもなければ、子供たちが特別何かをされたという訳でもないそうだ。証拠らしい証拠も残っていない。故に犯人の足取りも全く掴めず、捜査としては完全に行き詰っている」
スラスラと概要を説明されるが、そんな詳しい内容はニュースでもやってなかった。流石元警察官。こういった事件に対しても桐弥さんなりの情報網があるんだろう。
「それで、こういう奇抜な事件は大体こっちにお鉢が回ってくるんだが、今回も例外ではなくてね」
桐弥さんはデスクの上にあった紙を1枚持ってくると、私の前に置く。──『調査委任契約書』。いわゆる探偵への『依頼書』だ。
「被害者の子供の内の一人、『乃村 ミコ』。その子の親からの依頼だ。──『誘拐犯の正体を暴いてほしい』との事だ」
「つまり、この依頼を、私に?」
「解決に導くとまでは行かなくとも、何かしらの有益な成果を得ることが出来れば、君は探偵としての素質がある。その時は、改めて君を歓迎しよう」
なんか、急展開だな·········、などと思っていると、桐弥さんは私の背後に目をやる。
「勿論、一人でとは言わない。アイツを付ける」
そう言って向けられた目線の先には、入口で通してくれた男の子。彼は終始我関せずといった感じで読書をしていたが、桐弥さんからの指名を受けると、パタッと本を閉じた。
「当然、賃金割り増ししてくれるんですよね? 所長」
「当然、成果報酬だ」
チェッと、軽く舌打ちをする男の子。心なしか、こっちを睨んでる気がする·········。
まぁ、向こうからしたら荷物を押し付けられた気分だろう。なるべく刺激しないようにしよう。
「あ、よろしくお願いします。えーっと·········」
「神津だ」
「あ、神津さん·········、浅見です」
果たしてこんなにぎこちない自己紹介が今まであっただろうか。
いや、だってなんか怒ってる感じのオーラ出てるんだもん。私悪くないよね?
そうこうしている内に、桐弥さんはジャケットを羽織ってデスク上のキーホルダーを手にしている。車の鍵だろうか。
「現場までは送っていく。私は別の依頼の対応があるから、くれぐれも、よろしく頼む。危険だと判断したらすぐに撤退して、連絡すること」
「分かりました。どこまで出来るか分からないですが、やってみます」
──三人で桐弥さんの車に乗り込む。向かう先は件の町、比恵呂町だ。
道中、桐弥さんから気になる話を聞いた。
「失踪事件の話の続きだが、犯人の足取りが掴めないとは言ったが、手掛かりが全く無い訳じゃないんだ」
「と、言いますと?」
「失踪した児童を最後に目撃した人達が皆、口を揃えて言うんだよ──」
桐弥さんは意味深な間を置く。私は固唾を飲んで、その言葉に耳を傾ける。
「──『ピエロを見た。』とね」
1-①/grain rain~穀雨~(2025/04/20/09:25)
君が話しかけてくれたあの日、私の人生はそこで変わった。
君のせいだよ。
君のせいで──。
◆◆◆
「·········着いた」
いやまさか、本当に見つかるとは思ってなかった。
──私は今、とある町のとある木造平屋の前に来ている。
パッと見はカフェのような建物だが、駐車スペースに停まっている車は桐弥さんの物だ。昔、蒼空の家に行った際に見たことがある。つまり、ここが『明智探偵事務所』ということだ。
なるほど、秘密裏に活動しているだけのことはある。看板や表札のような物も無く、一見するとこれが探偵事務所だとは分からない。この町も最寄り駅も、蒼空が持っていた地図が無ければまず訪れることのないような場所だ。僻地とまではいかずとも、『穴場』といったところか。
地図で幾つか印が付いていた内の近い所から総当たりするつもりだったが、一発目で引き当てるとは幸先が良い。
ここから先、進むからには後戻りはできない。覚悟を決めなくてはならない。
呼吸を整え、私は指先を震わせながら、ゆっくりと入口のチャイムを鳴らす。
少しして、扉がゆっくりと開く。
「·········どちら様?」
そこに立っていたのは、仏頂面をした、同い歳ぐらいの見た目の男の子。何故か不機嫌そうな表情をしている。
雰囲気といい、どことなく蒼空に似てる気がする。
「えーっと·········、明智探偵に少し用が·········」
恐る恐る用件を伝えると、男の子は訝しげに私を再度一瞥し、事務所内へ振り返る。
「所長、客人です」
「客人? 今日のクライアントの予定はキャンセルだった筈だが」
「いや、若い子ですね」
すると事務所の奥から、コーヒカップ片手に声の主が姿を現す。
「朱里ちゃん? なんでこんなところに」
「ご無沙汰しております、桐弥さん。急に来てしまってごめんなさい」
桐弥さんは心底驚いた様子だった。まさか私が来るとは夢にも思ってなかっただろう。
「いやぁ、よくここが分かったね」
「実は蒼空くんが地図でこの住所に印付けてたのをちょっと盗み見ちゃって」
「盗み見って·········、なるほど、ちゃっかりしてるなぁ。じゃあ、アイツが来るのも時間の問題ってことか」
桐弥さんはふうっと短く息を吐き、中央のテーブルに飲み干したカップを置くと、目の前のソファーに腰掛ける。
「まぁ、座って」
促されるがまま、私は桐弥さんの向かいのソファーへ腰を下ろす。
「それで、要件は? 何か用があって来たんだろう?」
「えーっとですね、楓さんの事件について、私も気になって」
ピクっと、桐弥さんが眉をひそめる。
「事件? 楓は病死だと伝えていたと思うが」
「本当に、病死なんでしょうか?」
私はそう言って、持参した当時の新聞記事の切り抜きの何枚かをテーブルへ広げる。楓さんが亡くなったことに関するニュース記事だ。
「これも、これも、この記事も、いくら一般人とはいえ、内容に具体性が無さ過ぎると思うんです。病死なのに病名も病院名も公表されてない。亡くなったとされる日時も記事毎にバラバラで、何が正しいのか全く分かりません。まるで──」
「──まるで、知られたらマズい情報でも隠してるみたい、かい?」
私の言葉に被せるようにして、桐弥さんは真剣な表情で台詞を投げかけてくる。
──空気が変わったのを感じた。事務所内に緊張が走る。桐弥さんからの問い掛けに、私はゆっくりと頷いた。
「そっか、朱里ちゃんは意図的な情報操作がされてると思ってるんだね」
「桐弥さんも、おかしいと思って調べてるんですよね? 私も同じです。何かお手伝い出来ることがあれば──」
「──無い」
またしても、言葉を遮られた。今度はハッキリとした『拒絶』。明らかに変わった声色と語気の強さからも、強い意志を感じる。
「分かるだろう? こういった情報操作がされるってことは、何かしら大きな力が働いてる。それこそ、恐ろしい犯罪組織が絡んでる可能性だってある」
桐弥さんは一層真剣な眼差しで、こちらを見つめる。
「君も、蒼空も、まだまだ子供だ。謎を解明したい気持ちはあるだろうが、それ以上に、君達を危険な目に合わせる訳にはいかないんだよ」
「どうしても·········ですか?」
「どうしても、だ」
桐弥さんの言葉には揺るぎない決意が込められていた。彼の声には、過去の経験から来る重みがあった。
一瞬怯んだが、私の決意は変わらない。ここで引いてたまるか。
「でも、私はただ真実を知りたいだけなんです。楓さんに何があったのか、どうして亡くなったのか」
「気持ちは痛いほど分かる。ただ、真実を追い求めることが必ずしも正しいとは限らない。君が知りたいと思っていることには、想像以上の危険が伴うかもしれない」
桐弥さんは一度新聞の切り抜きに目を落としたかと思うと、そのまま俯いた。その姿は、何かを思い出したように、強く歯を食いしばっているように見えた。
「朱里ちゃん、君の情熱は素晴らしい。この事務所も、見つけようと思ってすぐ見つけられるような場所じゃないからね。探し当てただけでも称賛に値するよ。でも、感情だけで突っ走るのは危険だ。もし何かあったら、君自身が後悔することになる」
私のことを想っての言葉なのは分かっている。でも──
「逆です。後悔しない為に、真実を明らかにしたいんです。私は、楓さんの為に、蒼空くんの為に、そして私自身の為にも、諦めたくないです」
その言葉に、桐弥さんはしばらく黙って考え込んでいた。緊迫した沈黙が流れ、私は彼の反応を待ちわびた。
程なくして、これ以上説得しても私が折れないと思ったのか、桐弥さんは諦めたように深く溜め息を吐いた。
「·········分かった。そしたら、あまり本意ではないが、少しテストさせてもらうよ」
「テスト、ですか?」
「ああ。君がこの件について、どこまで本気なのか」
そう言って、桐弥さんは何枚かの写真をテーブルに広げる。古いマンションの写真が1枚と、後の何枚かは子どもの写真。皆が笑顔でピースサインをしている、実にほのぼのとした写真だ。
「 比恵呂町の失踪事件は知っているかい?」
「あ、はい。児童が行方不明になって、数日経って何事も無かったかのように戻って来るっていう」
「ああ。まあ、基本的に子供たちは無傷だし、今のところ戻って来なかった子というのは居ないんだが、誘拐事件だから当然警察も動いている」
そっか。ということはこの写真の子達は、実際に行方不明になった子供──。
「聞くところによると、身代金要求があった訳でもなければ、子供たちが特別何かをされたという訳でもないそうだ。証拠らしい証拠も残っていない。故に犯人の足取りも全く掴めず、捜査としては完全に行き詰っている」
スラスラと概要を説明されるが、そんな詳しい内容はニュースでもやってなかった。流石元警察官。こういった事件に対しても桐弥さんなりの情報網があるんだろう。
「それで、こういう奇抜な事件は大体こっちにお鉢が回ってくるんだが、今回も例外ではなくてね」
桐弥さんはデスクの上にあった紙を1枚持ってくると、私の前に置く。──『調査委任契約書』。いわゆる探偵への『依頼書』だ。
「被害者の子供の内の一人、『乃村 ミコ』。その子の親からの依頼だ。──『誘拐犯の正体を暴いてほしい』との事だ」
「つまり、この依頼を、私に?」
「解決に導くとまでは行かなくとも、何かしらの有益な成果を得ることが出来れば、君は探偵としての素質がある。その時は、改めて君を歓迎しよう」
なんか、急展開だな·········、などと思っていると、桐弥さんは私の背後に目をやる。
「勿論、一人でとは言わない。アイツを付ける」
そう言って向けられた目線の先には、入口で通してくれた男の子。彼は終始我関せずといった感じで読書をしていたが、桐弥さんからの指名を受けると、パタッと本を閉じた。
「当然、賃金割り増ししてくれるんですよね? 所長」
「当然、成果報酬だ」
チェッと、軽く舌打ちをする男の子。心なしか、こっちを睨んでる気がする·········。
まぁ、向こうからしたら荷物を押し付けられた気分だろう。なるべく刺激しないようにしよう。
「あ、よろしくお願いします。えーっと·········」
「神津だ」
「あ、神津さん·········、浅見です」
果たしてこんなにぎこちない自己紹介が今まであっただろうか。
いや、だってなんか怒ってる感じのオーラ出てるんだもん。私悪くないよね?
そうこうしている内に、桐弥さんはジャケットを羽織ってデスク上のキーホルダーを手にしている。車の鍵だろうか。
「現場までは送っていく。私は別の依頼の対応があるから、くれぐれも、よろしく頼む。危険だと判断したらすぐに撤退して、連絡すること」
「分かりました。どこまで出来るか分からないですが、やってみます」
──三人で桐弥さんの車に乗り込む。向かう先は件の町、比恵呂町だ。
道中、桐弥さんから気になる話を聞いた。
「失踪事件の話の続きだが、犯人の足取りが掴めないとは言ったが、手掛かりが全く無い訳じゃないんだ」
「と、言いますと?」
「失踪した児童を最後に目撃した人達が皆、口を揃えて言うんだよ──」
桐弥さんは意味深な間を置く。私は固唾を飲んで、その言葉に耳を傾ける。
「──『ピエロを見た。』とね」
1-①/grain rain~穀雨~(2025/04/20/09:25)
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
配信の果て
ほわとじゅら
ミステリー
大人気配信グループ、パンファミのリーダー・スノーの中の人と出会った御堂紗由(みどうさゆ)は、結婚に至るも我慢できないことがあり別れてしまう。配信者とは二度と恋仲にならないことを胸に秘めるも離婚後、困窮した生活から抜け出すため、一時的に配信業界で働くことを決める。
一方、夕暮れの個人配信で宇多野泰人(うたのやすと)は、数年前に大ヒットした「やさいゲーム」の開発者であることをリスナーたちに告白する。昨今、配信界隈で起きた脅迫・器物損壊事件は「やさいゲーム」の実況配信を行った配信者をターゲットとした嫌からせで起きた事件であったため、泰人は配信上で注意喚起を行った。
さらに泰人の相棒・二川幸見(にがわゆきみ)は、配信界隈の嫌からせ事件の裏には、パンファミが所属する事務所ナインズの暗躍を確信する。以前ナインズによる執拗なコラボ勧誘を何度も拒んだことで、事務所側が事件を裏で糸を引いて仕組んでいた可能性が濃厚となった。
真相を暴くため、宇多野と二川は探偵まで雇い、事件の鍵を握るパンファミのリーダーの元妻・紗由に接触を試みようとする。
配信界隈・業界をベースに描くミステリー長編。
★は、リアルな配信アーカイブのエピソードです。一部、英語配信有り。
※本作は、紗由と二川の2視点構成。「あらすじ」「タグ」「登場人物」は連載過程で適宜変化します。
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。またAI生成による文章作成・構成相談も含め一切行っておりません。本作品は筆者がゼロから執筆しておりますオリジナル作品です。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる