22 / 35
第3章/死の境界 cross-border
3-⑧/訓練・急/不穏
しおりを挟む
三日目以降、訓練は毎日ではなかった。
京香は、最初にはっきりと言った。
「毎日やったら、死ぬわよ」
冗談ではない声音だった。
霊力は、使えば回復する。
だが、境界に触れる使い方は──
回復の前に、摩耗する。
だから、一日置き。
時には二日、間を空ける。
その間、葉月は町に戻り、
神谷堂の手伝いをし、
何もなかった顔で、日常を過ごした。
◆◆◆
【訓練四日目】
霊力を凩へ流す練習は、
まだ「感覚」に頼る段階だった。
成功すれば、
身体が空洞になるような感覚。
失敗すれば、
いつもより重い反動が返ってくる。
京香は、ほとんど口を出さない。
ただ、失敗した時だけ言う。
「今の、死んでた」
それだけ。
そして、本当に取り返しがつかなくなりそうな時は、受け止めてくれる。
葉月は、何度も喉を鳴らした。
◆◆◆
【訓練六日目】
ほんの一瞬だけ、
切り替えが“滑らか”になる。
霊力が身体を離れ、
凩へと移る、その刹那。
恐怖よりも先に、
妙な静けさが来た。
「……今」
思わず声が漏れる。
京香は、目を細めた。
「それ」
短く。
「今のが、入口」
褒め言葉ではない。
合格でもない。
ただの、事実確認。
◆◆◆
その間、
レイとは、あまり話さなかった。
お互い、疲労の質が違う。
言葉を交わさなくても、
相手が“削れている”のは分かった。
それでも、すれ違いざま、
レイがぽつりと言った。
「……無理、しないで」
それだけ。
葉月は、曖昧に笑った。
◆◆◆
【訓練八日目】
京二が、初めて葉月の訓練場所に顔を出した。
遠巻きに見て、
一言も口を挟まない。
だが。
葉月が失敗しかけた瞬間、
ほんの僅か、眉が動いた。
それを見た時。
──この人に止められなくなったら、終わりだ。
はっきりと、そう思った。
理由は分からない。
ただ、身体が理解していた。
──でも。
だからこそ。
自分で完璧に制御出来るようになることは、絶対条件。
もし自分が"終わってしまう"のであれば、
この人達を、巻き込まない。
そう、心に決める。
◆◆◆
【訓練十日目】
葉月は、まだ「掴めた」とは言えなかった。
成功率は、三割程度。
成功すれば威力は絶大。
だが、再現性は、ない。
それでも。
京香は、訓練を切り上げる時、
こう言った。
「まあ……悪くない」
それだけで、
胸の奥が、少しだけ軽くなった。
◆◆◆
その十日間。
澪尽町は、平穏だった。
──表向きは。
最初に気づいたのは、
葉月ではなかった。
神谷堂に来た、常連の老女。
「最近ね」
茶を啜りながら、首を傾げる。
「夜、夢を見ないのよ」
不思議そうに、笑う。
「昔は、変な夢ばかり見てたのに」
次に来たのは、商店街の店主。
「最近、客の足が止まる時間があってさ」
「止まる?」
「そう。夕方くらい。
急に、誰もいなくなる」
すぐ戻る。
だが、その“空白”が、
毎日、少しずつ長くなっている。
そして──
葉月自身も、気づいた。
影だ。
夕暮れ時。
街灯が点く前。
建物の影が、
ほんの少しだけ、長い。
日照の角度の問題──
そう言えば、そう見える。
だが。
昨日より、今日。
今日より、明日。
確実に、伸びている。
まるで、
町そのものが、薄くなっているみたいに。
「……」
神谷堂の前で、
葉月は、足を止めた。
訓練のせいかもしれない。
境界に触れたせいかもしれない。
それでも。
この十日間、
敵が何もしてこなかった理由が──
少しずつ、
形になり始めていた。
派手な異変は、ない。
死者も、負傷者も、出ていない。
だが。
町の“内側”が、
静かに、削られている。
呼吸のように。
気づかれない速度で。
──準備されている。
その感覚だけが、
葉月の背中に、冷たく張り付いていた。
◆◆◆
異変が、形を持ったのは──
夕方の、商店街だった。
時間帯としては、いつもと同じ。
学校帰りの子ども。
買い物袋を下げた主婦。
シャッターを半分下ろし始める店もある。
騒がしくて、
雑多で、
少しだけ疲れた日常。
だからこそ。
最初は、誰も気づかなかった。
葉月は、商店街の端で足を止めた。
「……?」
理由は、はっきりしない。
ただ、胸の奥が、僅かにざらついた。
霊力が溜まる場所特有の、
あの“重さ”とは、違う。
もっと、薄い。
だが、確実に“欠けている”。
視線を巡らせる。
八百屋。
惣菜屋。
古い玩具店。
どこも、普通だ。
いつも通り。
──いや。
普通だからこそ、残る違和感。
人の流れが、
妙に滑らかだった。
ぶつからない。
立ち止まらない。
視線が、合わない。
まるで、
決められた動線を、
無意識に避けているみたいに。
「……おかしい」
そう呟いた瞬間。
──影が、揺れた。
街灯の下。
人の足元に落ちるはずの影が、
一瞬だけ、別の方向へ伸びる。
葉月は、息を呑む。
凩に手を伸ばす。
だが、抜かない。
この程度で、
境界を踏むわけにはいかない。
少し、警戒する程度。
その時。
「……あれ?」
小さな声が、聞こえた。
◆◆◆
通りの中央。
人波から、半歩だけ外れた場所。
少女が、一人で立っていた。
見覚えがある。
──この前、道に迷っていた子。
ランドセルを胸に抱え、
きょろきょろと周囲を見回している。
だが。
人は、いる。
なのに。
誰も、その子を避けない。
気づいていない。
少女の足元。
影が──ない。
「……っ」
葉月は、反射的に駆け出していた。
「ちょっと!」
声をかける。
少女が、びくりと肩を震わせた。
「あ……」
振り返った瞬間。
地面が、沈んだ。
正確には、
“影だけ”が、落ちた。
商店街の石畳の下。
そこに、底の見えない黒が、
一瞬、口を開ける。
──引きずり込まれる。
判断は、一瞬だった。
葉月は、少女の腕を掴み、
思いきり引き寄せる。
「危ない!」
次の瞬間。
影が、閉じた。
何事もなかったように。
石畳は、元通り。
通行人は、誰も振り返らない。
◆◆◆
少女は、
葉月に抱え込まれる形で、
地面に座り込んでいた。
しばらく、声が出ない。
やがて。
「……びっくり、した」
小さく、そう言った。
葉月は、膝をつき、
目線を合わせる。
「大丈夫?」
少女は、こくりと頷く。
「……ありがとう」
それから、少し間を置いて。
「ねえ」
おずおずと、続ける。
「お兄ちゃん、名前は?」
「葉月」
答えると、
少女は、ほっとしたように笑った。
「わたし、フーちゃん」
愛称のような言い方だった。
「フーちゃん、か」
「うん」
それだけで、
深い意味はなさそうだった。
葉月は、立ち上がり、
周囲を警戒する。
影は、戻っている。
だが、感覚が消えない。
──ここは、もう安全じゃない。
「フーちゃん。おうち、どこ?」
「こっち」
指差す方向は、
商店街の反対側。
影が沈んだ場所を、
避けるルートだった。
偶然か。
それとも──。
葉月は、何も言わず、
彼女の手を取った。
「送るよ」
「いいの?」
「うん」
歩き出す。
その間、
少女は何も聞かなかった。
さっきのことも、
影のことも。
ただ、しっかりと、
葉月の手を握っていた。
◆◆◆
家の前で、別れる時。
「また、会える?」
少女──フーちゃんが、聞いた。
葉月は、一瞬だけ迷い、
それから、頷いた。
「たぶん」
それで、十分だった。
フーちゃんは、
満足そうに笑って、家に入る。
葉月は、
しばらく、その場を動けなかった。
商店街の方角を見る。
何も起きていない。
人も、店も、日常のまま。
だが。
──壊された。
派手な破壊じゃない。
死者もいない。
けれど。
“落ちる穴”が、
確かに、開いた。
これが、仮に人為的なものだとすると。
確実に、迫っている。
敵が。
黒い塔が。
葉月は、凩を強く握った。
フーちゃんの、
小さな手の感触が、
まだ、残っていた。
◆◆◆
神谷堂の空気が、わずかに張り詰めていた。
京二は、帳簿を閉じたまま動かない。
京香は、縁側に腰掛け、煙草も吸わずに空を見ている。
「……商店街、だな」
京二が、静かに言った。
「ええ」
京香は、即答する。
「偶然じゃない。
霊力が多く、日常に溶け込みやすい。
最初に壊すには、ちょうどいい」
葉月が連絡を入れてから、二人の判断は早かった。
「黒い塔、だな」
京二は、断定した。
「しかも──直接、殺しに来てない」」
京香が言葉を継ぐ。
「·········分断、かしらね」
京香は、ぽつりと呟いた。
「あの女の常套手段よ」
あの女──ワタリ。
黒い塔の現No.2。
「一人ずつ、確実に排除する。
常に警戒を怠らない、用意周到な殺し。
塔内では"蛇"って呼ばれてたわ。
本人にそれ言ったら怒るけど」
京香は、立ち上がる。
「葉月が、動いたわね」
京二の目が、僅かに細くなる。
「単独か」
「ええ」
一瞬の間。
「……行くわ」
京香が、短く言った。
「大丈夫なのか?」
京二は、京香を見る。
「先に動いたのは、向こうの方」
京香は、口角を上げた。
「なら──
踏み込まれた分、殴り返すだけ」
京香は、最初にはっきりと言った。
「毎日やったら、死ぬわよ」
冗談ではない声音だった。
霊力は、使えば回復する。
だが、境界に触れる使い方は──
回復の前に、摩耗する。
だから、一日置き。
時には二日、間を空ける。
その間、葉月は町に戻り、
神谷堂の手伝いをし、
何もなかった顔で、日常を過ごした。
◆◆◆
【訓練四日目】
霊力を凩へ流す練習は、
まだ「感覚」に頼る段階だった。
成功すれば、
身体が空洞になるような感覚。
失敗すれば、
いつもより重い反動が返ってくる。
京香は、ほとんど口を出さない。
ただ、失敗した時だけ言う。
「今の、死んでた」
それだけ。
そして、本当に取り返しがつかなくなりそうな時は、受け止めてくれる。
葉月は、何度も喉を鳴らした。
◆◆◆
【訓練六日目】
ほんの一瞬だけ、
切り替えが“滑らか”になる。
霊力が身体を離れ、
凩へと移る、その刹那。
恐怖よりも先に、
妙な静けさが来た。
「……今」
思わず声が漏れる。
京香は、目を細めた。
「それ」
短く。
「今のが、入口」
褒め言葉ではない。
合格でもない。
ただの、事実確認。
◆◆◆
その間、
レイとは、あまり話さなかった。
お互い、疲労の質が違う。
言葉を交わさなくても、
相手が“削れている”のは分かった。
それでも、すれ違いざま、
レイがぽつりと言った。
「……無理、しないで」
それだけ。
葉月は、曖昧に笑った。
◆◆◆
【訓練八日目】
京二が、初めて葉月の訓練場所に顔を出した。
遠巻きに見て、
一言も口を挟まない。
だが。
葉月が失敗しかけた瞬間、
ほんの僅か、眉が動いた。
それを見た時。
──この人に止められなくなったら、終わりだ。
はっきりと、そう思った。
理由は分からない。
ただ、身体が理解していた。
──でも。
だからこそ。
自分で完璧に制御出来るようになることは、絶対条件。
もし自分が"終わってしまう"のであれば、
この人達を、巻き込まない。
そう、心に決める。
◆◆◆
【訓練十日目】
葉月は、まだ「掴めた」とは言えなかった。
成功率は、三割程度。
成功すれば威力は絶大。
だが、再現性は、ない。
それでも。
京香は、訓練を切り上げる時、
こう言った。
「まあ……悪くない」
それだけで、
胸の奥が、少しだけ軽くなった。
◆◆◆
その十日間。
澪尽町は、平穏だった。
──表向きは。
最初に気づいたのは、
葉月ではなかった。
神谷堂に来た、常連の老女。
「最近ね」
茶を啜りながら、首を傾げる。
「夜、夢を見ないのよ」
不思議そうに、笑う。
「昔は、変な夢ばかり見てたのに」
次に来たのは、商店街の店主。
「最近、客の足が止まる時間があってさ」
「止まる?」
「そう。夕方くらい。
急に、誰もいなくなる」
すぐ戻る。
だが、その“空白”が、
毎日、少しずつ長くなっている。
そして──
葉月自身も、気づいた。
影だ。
夕暮れ時。
街灯が点く前。
建物の影が、
ほんの少しだけ、長い。
日照の角度の問題──
そう言えば、そう見える。
だが。
昨日より、今日。
今日より、明日。
確実に、伸びている。
まるで、
町そのものが、薄くなっているみたいに。
「……」
神谷堂の前で、
葉月は、足を止めた。
訓練のせいかもしれない。
境界に触れたせいかもしれない。
それでも。
この十日間、
敵が何もしてこなかった理由が──
少しずつ、
形になり始めていた。
派手な異変は、ない。
死者も、負傷者も、出ていない。
だが。
町の“内側”が、
静かに、削られている。
呼吸のように。
気づかれない速度で。
──準備されている。
その感覚だけが、
葉月の背中に、冷たく張り付いていた。
◆◆◆
異変が、形を持ったのは──
夕方の、商店街だった。
時間帯としては、いつもと同じ。
学校帰りの子ども。
買い物袋を下げた主婦。
シャッターを半分下ろし始める店もある。
騒がしくて、
雑多で、
少しだけ疲れた日常。
だからこそ。
最初は、誰も気づかなかった。
葉月は、商店街の端で足を止めた。
「……?」
理由は、はっきりしない。
ただ、胸の奥が、僅かにざらついた。
霊力が溜まる場所特有の、
あの“重さ”とは、違う。
もっと、薄い。
だが、確実に“欠けている”。
視線を巡らせる。
八百屋。
惣菜屋。
古い玩具店。
どこも、普通だ。
いつも通り。
──いや。
普通だからこそ、残る違和感。
人の流れが、
妙に滑らかだった。
ぶつからない。
立ち止まらない。
視線が、合わない。
まるで、
決められた動線を、
無意識に避けているみたいに。
「……おかしい」
そう呟いた瞬間。
──影が、揺れた。
街灯の下。
人の足元に落ちるはずの影が、
一瞬だけ、別の方向へ伸びる。
葉月は、息を呑む。
凩に手を伸ばす。
だが、抜かない。
この程度で、
境界を踏むわけにはいかない。
少し、警戒する程度。
その時。
「……あれ?」
小さな声が、聞こえた。
◆◆◆
通りの中央。
人波から、半歩だけ外れた場所。
少女が、一人で立っていた。
見覚えがある。
──この前、道に迷っていた子。
ランドセルを胸に抱え、
きょろきょろと周囲を見回している。
だが。
人は、いる。
なのに。
誰も、その子を避けない。
気づいていない。
少女の足元。
影が──ない。
「……っ」
葉月は、反射的に駆け出していた。
「ちょっと!」
声をかける。
少女が、びくりと肩を震わせた。
「あ……」
振り返った瞬間。
地面が、沈んだ。
正確には、
“影だけ”が、落ちた。
商店街の石畳の下。
そこに、底の見えない黒が、
一瞬、口を開ける。
──引きずり込まれる。
判断は、一瞬だった。
葉月は、少女の腕を掴み、
思いきり引き寄せる。
「危ない!」
次の瞬間。
影が、閉じた。
何事もなかったように。
石畳は、元通り。
通行人は、誰も振り返らない。
◆◆◆
少女は、
葉月に抱え込まれる形で、
地面に座り込んでいた。
しばらく、声が出ない。
やがて。
「……びっくり、した」
小さく、そう言った。
葉月は、膝をつき、
目線を合わせる。
「大丈夫?」
少女は、こくりと頷く。
「……ありがとう」
それから、少し間を置いて。
「ねえ」
おずおずと、続ける。
「お兄ちゃん、名前は?」
「葉月」
答えると、
少女は、ほっとしたように笑った。
「わたし、フーちゃん」
愛称のような言い方だった。
「フーちゃん、か」
「うん」
それだけで、
深い意味はなさそうだった。
葉月は、立ち上がり、
周囲を警戒する。
影は、戻っている。
だが、感覚が消えない。
──ここは、もう安全じゃない。
「フーちゃん。おうち、どこ?」
「こっち」
指差す方向は、
商店街の反対側。
影が沈んだ場所を、
避けるルートだった。
偶然か。
それとも──。
葉月は、何も言わず、
彼女の手を取った。
「送るよ」
「いいの?」
「うん」
歩き出す。
その間、
少女は何も聞かなかった。
さっきのことも、
影のことも。
ただ、しっかりと、
葉月の手を握っていた。
◆◆◆
家の前で、別れる時。
「また、会える?」
少女──フーちゃんが、聞いた。
葉月は、一瞬だけ迷い、
それから、頷いた。
「たぶん」
それで、十分だった。
フーちゃんは、
満足そうに笑って、家に入る。
葉月は、
しばらく、その場を動けなかった。
商店街の方角を見る。
何も起きていない。
人も、店も、日常のまま。
だが。
──壊された。
派手な破壊じゃない。
死者もいない。
けれど。
“落ちる穴”が、
確かに、開いた。
これが、仮に人為的なものだとすると。
確実に、迫っている。
敵が。
黒い塔が。
葉月は、凩を強く握った。
フーちゃんの、
小さな手の感触が、
まだ、残っていた。
◆◆◆
神谷堂の空気が、わずかに張り詰めていた。
京二は、帳簿を閉じたまま動かない。
京香は、縁側に腰掛け、煙草も吸わずに空を見ている。
「……商店街、だな」
京二が、静かに言った。
「ええ」
京香は、即答する。
「偶然じゃない。
霊力が多く、日常に溶け込みやすい。
最初に壊すには、ちょうどいい」
葉月が連絡を入れてから、二人の判断は早かった。
「黒い塔、だな」
京二は、断定した。
「しかも──直接、殺しに来てない」」
京香が言葉を継ぐ。
「·········分断、かしらね」
京香は、ぽつりと呟いた。
「あの女の常套手段よ」
あの女──ワタリ。
黒い塔の現No.2。
「一人ずつ、確実に排除する。
常に警戒を怠らない、用意周到な殺し。
塔内では"蛇"って呼ばれてたわ。
本人にそれ言ったら怒るけど」
京香は、立ち上がる。
「葉月が、動いたわね」
京二の目が、僅かに細くなる。
「単独か」
「ええ」
一瞬の間。
「……行くわ」
京香が、短く言った。
「大丈夫なのか?」
京二は、京香を見る。
「先に動いたのは、向こうの方」
京香は、口角を上げた。
「なら──
踏み込まれた分、殴り返すだけ」
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
道化たちの末路
希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。
後の祭り
ねこまんまときみどりのことり
ライト文芸
母親を馬車の事故で亡くしたナズナは、馬車に乗っていた貴族の男性に、義理の娘として引き取られた。引き取られた先の子爵邸では、義母や義妹に傷付けられて泣いて過ごすこともあったが、懸命に生きていく。引き取られた裏には、別の理由もあったようで。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
出戻り娘と乗っ取り娘
瑞多美音
恋愛
望まれて嫁いだはずが……
「お前は誰だっ!とっとと出て行け!」
追い返され、家にUターンすると見知らぬ娘が自分になっていました。どうやら、魔法か何かを使いわたくしはすべてを乗っ取られたようです。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる