私の日常-それぞれの-

林原なぎさ

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姉から見たお話

妹と謎の男

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妹は家からかなり離れた動物専門学校に進学する事を決めた。

毎日通うのは大変だという理由から、春からは一人暮らしをするという。


正直、妹を一人暮らしさせるのは反対だ。

妹は可愛らしいのだ。

そんな妹を世間の男が放っておく訳が無く、また変な輩に目を付けられるのではないか。


しかし私が一緒に住んだ所で生活力の乏しい私に妹が常に気を遣い、只でさえ大変であろう一人暮らしに負担を強いる訳にもいかず…今回は諦めるしかないと判断する。


その代わり、私同様に心配な父と妹が住まうに相応しい部屋を探し漁った。


もちろんオートロック付きのマンション。

収納スペースも十分で、部屋干し出来る空間も十分でひとりでは広いかもしれないが2LDKの間取りの角部屋。

そしてマンションの建物は駅から徒歩3分で、夜も人通りが有り明るい、かなり好条件。


もっと狭くていいのに、という妹の意見は私も父も聞こえない。




言い寄って来る男はいてもストーカーの様な粘着質でタチの悪い男はおらず、妹は快適に一人暮らしを過ごしていた。


懸念していたが、特に変な男に絡まれること無いと安心した私は見逃した。



まさか妹の処女を奪い、あの無頓着な妹の心までも奪った男がいるとは。





その事実に気付いたのは、友人と某有名テーマパークへ行った日だった。



「ねぇ、歩ちゃんじゃない?彼氏かっこいいわねー。」


「え?」


友人の言われた通りに視線を向けると、間違いなく妹の歩だ。

そしてその妹にべったり張り付くイケメンと言うには綺麗過ぎる、整った顔の男の存在を確認した。



妹の様子を確認するが迷惑そうどころか、本当に楽しそうでよく笑っている。


しかし…アレは誰だ?

まさか妹をヤり捨てようとする輩か?

まさかそんなコトになれば…。




「ど、どうしたの凛?」


「何が?」


「めちゃくちゃ笑顔なんだけど。てかその物騒なオーラどうにかしてよ。」


「さっきから何を言ってるの?」



私は至って冷静かつなんて放ってはいない。


とりあえずあの男が歩と仲良く手を繋いで歩く様子を写メっておく。



直接妹に問いただし、あの男について聞いてやる。



糞野郎だった場合にはどう料理してやろうかしら。

ふふふ。





「私、余計な事言ったのね…。ごめん、彼氏さん。」


友人は男に向かって手を合わせている。








「だぁれ?これ。彼氏がいたなんて聞いてないわよ。」


スマホに写る男は誰か、と問えば。


「…うん。恥ずかしくて、その…言いづらかったの。」



妹はあからさまに、あーあという表情をしたものの、言いにくそうに発した。


何か裏があるのだろう。



「いつから付き合ってるの?」


「…1年くらい前?」


そんな前から?


驚きの発言だ。

一人暮らしする歩の部屋には何度も訪れているが、妹の部屋に男の気配を感じた事は無かった。



当時の私は知らなかった。

私が遊びに来る日は必ず目の届かない所に片付けをして隠している事を。



そして当時の私はこう思っていた。


ヤりたいだけの男ならば痕跡を残す必要は無い。

益々怪しいその男。


歩の話だけでは全てを理解出来ない。



「彼氏、紹介してくれるわよね?」


「……う、ん。」




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