私の日常-それぞれの-

林原なぎさ

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愛歌から見たお話

友人について

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友人である松岡歩と出会ったのは、私たちが中学生の頃だ。



1年。

クラスは違えど、彼女はちょっとした有名人だった。

まだ中学生の幼い年齢だが、歩はやたら可愛らしい顔をしていたので、あの子可愛いよね、という話題に必ず名前が上がるような子だった。

同小出身の子が言っていたが、可愛い子なので知らない大人の人によく声を掛けられているようだ。

そのせいで、警察沙汰になった事もあるらしい。

そんな事が本当にあるのか、と当時の私は衝撃を受けた。


間近で歩を見た時、可愛い子だなぁと見惚れてしまった思い出があり、これは誘拐されてしまいそうだとも思った。


本人はあまり気にしていないのか、私って可愛いでしょうというぶりぶりした感じが無く、むしろ控えめでおとなしかった。

おとなしかった事もあってか、この頃の歩の可愛らしさに気付く同年代の男子は少なかった。

そのせいもあるからか、女子の間では可愛いと評判だった。


歩の周りには女子が集まり、女子とは話をしている様子を伺えた。

そして、特定の仲良しの子がいない事にも気が付いた。



そんな歩の事が気になりつつ迎えた2年のクラス替え。


なんと私は同じクラスだ。

しかも本郷と松岡。

前後の出席番号だ。


仲良くなれるチャンスだ!と思い直ぐに声を掛けた。


最初はよろしくね、と控えめで笑顔も何処か他人行儀だった。


私の長所はめげずに、ポジティブ思考。

裏を返せばしつこい、うざい奴なのだ。


それでも私は毎日歩に声を掛け続けた。

歩も自然に笑ってくれるようになり、何だか嬉しい気持ちになった。



「こんな私に話し掛けて来たのは、本郷さんが初めてだよ。みんな反応の悪い私といるのはつまらないみたい。」


その話を聞き、当時の私はこう思った。


いやそれ、多分違う。


読書を好む歩の邪魔をしてはいけないと、みんな気を遣って話し掛け続けるのを止めただけだ。

私は空気を読まずにガンガン話し掛けているだけで、こんな好意的に見られるとは予想外だ。


「本郷さんっておもしろいね。」


控えめだが、クスクス笑う歩にこれからもっと仲良くなれる気がして。


「私のことは愛歌って呼んで!」


思わず大きな声を出した私に満面の笑みを向け。


「うん。よろしくね、愛歌。」


話し掛け続けてから約2ヶ月。

この時、初めて名前を呼ばれ、歩と友人になった。



歩はやや天然なのか抜けているのか基本ぽやぽやした子だ。

自己主張などはあまりせず、控えめでおとなしく、受け身な性格。

そしてご飯が大好きで、小柄で細身の割によく食べる。





中学の卒業式を迎える頃。

同じクラスの小野おのくんについて変だと感じる。


小野くんはスポーツマンで、正しく好青年な男子だ。

彼は歩に積極的に話し掛けているので、歩のことが好きなのだろうと感じていた…がここ最近歩を避けているように見受けられる。

一体、どういうことだ?


歩に小野くんについて聞いてみると微妙な反応だ。


ナニかあったんだと感じた私は、歩に問い詰めた。


なんと小野くんから無理矢理キスをされたらしい。


歩は完全に引いていたので、残念だが小野くんは脈無しのようだ。




後に歩のお姉さんと旦那にバレ、制裁されるとはこの時、私も小野くも夢にも思っていなかった。





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