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『花倉の乱(激闘)編』 天文五年(一五三六年)
第33話 父上が日和った
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二人の坊主に良いように弄ばれた事を悔やんでも仕方がない。
まずは何を置いても堤城の父上に手紙を出す事である。
早急に人を寄こしてもらわないといけないし、久野殿も説き伏せて貰わないといけない。
それともう一人、五郎八郎は目を付けている人物がいる。その人物にも文を書いた。
全ての文には承芳和尚の添え状を付けてもらう事にする。じゃないと最終的に約束を反故にされた場合、自分に恨みが向いてしまうからである。
そこからわずか三日後、朝日山城に三人の人物が訪れた。
一人目は松井因幡守。幼名は薩埵丸で、五郎八郎の腹違いの弟である。もう一人清涼丸という弟がおり、こちらは現在八郎三郎を名乗り堤城で父の側近として日々政務に勤しんでいる。
因幡守はまだ一昨年堤城で無事元服を済ませたばかり。元服の際には五郎八郎も堤城まで行き、兄山城守が自分にしてくれたように立ち合いを務めた。烏帽子親は匂坂六右衛門が引き受けてくれた。
現在は若き一門衆として父上の補佐している。
二人目は堤城の家人で松井惣左衛門尉。恐らくは因幡守の付き添いとして来たのだろう。
最後の一人は匂坂六郎五郎。六右衛門の四男である。
六右衛門には男子が二人いる。嫡男が六郎左衛門、次男、三男は夭折し、四男がこの六郎五郎。
父の六右衛門は遠州にこの人ありとうたわれる剛の者である。評定前の挨拶回りで五郎八郎も一度会った事があるのだが、受ける威圧感が凄い。
だが嫡男の六郎左衛門からは剛の者という印象を一切受けない。五郎八郎が言ったら鏡を見ろと言われてしまいそうだが、いわゆる青瓢箪という感じの人である。
対して四男の六郎五郎は、まさに六右衛門が子という筋骨隆々な人物。
三人は朝日山城に到着すると、すぐに例の部屋に通された。そこで雪斎禅師と面会する事になり、さらに承芳和尚とも面会する事となった。五郎八郎が呼び寄せたのに、五郎八郎に会う前に面会して取り込んでしまおうとするあたり本当に食えない坊さんたちだと思う。
承芳和尚への謁見が終わると、三人は五郎八郎のいる部屋へと通された。
三人は雲の上の人にでも会ったかのように恍惚とした顔をしており、惣左衛門尉に至っては、生きてて良かったなどとわけのわからない事をまで口走っている始末。
そんな興奮気味な三人とは対照的に、五郎八郎は不機嫌そうにぶすっとした顔をしている。
「兄上、お久しゅうございます。突然承芳和尚の側近になられたと聞いて、堤城では皆驚いておりましたよ」
何となく五郎八郎が機嫌が悪い理由に因幡守は気付いてはいる。それを誤魔化す為に精一杯の愛想を振りまいている。
「……因幡、父上はどうした?」
因幡守はびくりとし、バツの悪そうな顔できょろきょろと目を泳がせ、すがるような顔で惣左衛門尉を見る。
惣左衛門尉は父上からの書状を持っており、「まずはこれを」と言って手渡した。
険しい顔で書状を受け取ると、五郎八郎は無言で書状を読み始めた。
要約すると、家中で色々と考えた結果、やはり堤城は駿河守様に付く事にしたと書かれている。
五郎八郎の説くところは十分理解できるし、ここで松井家が承芳和尚に付けば、勝てた時に重用してもらえるとも思う。だが仮に負けたらどうなる? その時は松井家は終いだ。その事態は何としてでも避けねばならぬ。
少しでも形勢が変わればその時はすぐに旗色を改める故、後はどうにか取りなして欲しい。だがそれだけでは、そなたにも立場というものもあるだろう。因幡守と惣左衛門尉を遣わすから存分に使ってやって欲しい。
読み終えた五郎八郎は静かに書状を畳み、ギロリと因幡守を見た。
因幡守は精一杯の愛想笑いをし、「どっちにも良い顔をするのは松井家の『家是』ですから」と乾いた笑い声を発した。
「我が家も似たようなものだ。今の時点で旗色を変えろというのは酷な話だよ。だが、我が父上も内心では中立を保ちたいと考えているのだ。だからそれがしが来た。それで納得してはもらえないだろうか?」
六郎五郎もかなりバツの悪そうな顔で、五郎八郎を宥めるように作った笑顔を向けた。
「父上はあの書状を読んで一体どんな理解をしたのだ! 旗色を変えろなんて誰も言ってない。当主たる人物が作戦行動の中に入ってないとと言ったんだよ!」
父上だけがこそっと城を抜け出して朝日山城に入ってくれればそれで良かったのだ。
五郎八郎は苛々して頭を抱えた。その姿に因幡守はあからさまに委縮している。惣左衛門尉も天井を仰ぎ見た。
「兵庫殿の言いたい事もわかりますよ。五郎八郎殿が言っているのは、今の段階では旗色を変えろと言っているのと同義です。そんな家名をかけた大博打など、どの家だって打てませんって」
六郎五郎が宥めるように言うと、五郎八郎は諦めの表情で大きくため息を付いた。
「因幡、父上にお願いしていたもう一つの件はどうなった? あっちも駄目になったのか?」
因幡守は詳しくは聞いていないらしく、顔を引きつらせ首を傾げた。
五郎八郎は惣左衛門尉の方に視線を移し、どうなんだとたずねた。
「手紙は出しておられました。もちろん承芳和尚の書状を添えて。ただ、返答に関しては、それがしは聞いておりません」
申し訳なさそうに言う惣左衛門尉に、五郎八郎は短くそうかとだけ発して黙ってしまった。
因幡守たちは何とも居心地の悪い気分になり、そそくさと五郎八郎の部屋を退出した。
****
五郎八郎の部屋を退出した三人は六郎五郎の部屋に集まっていた。
「五郎八郎殿、だいぶご立腹でしたな……」
六郎五郎は呟くように言って、岡部家の家人に淹れてもらった茶を啜った。
「当分、菘様や萱様と会えないでしょうからね。それは苛々も募るというものでしょう。兄上、菘様と仲睦まじいから」
因幡守の言を受けて惣左衛門尉は、今の萱様は何をしても可愛い盛りであろうからとゲラゲラ笑っている。
「そんなもの、さっさとそこらの町娘でも妾に囲えば良かろう。変に溜め込んで苛々され、こちらに当たられても困るというものだ」
自分で探すのが恥ずかしいならそれがしが話をしてやると六郎五郎は真顔で因幡守に指摘した。こう見えてそれがしはそういう方面は得意なのだと。
六郎五郎の自慢が余程可笑しかったようで惣左衛門尉は腹を抱えて笑い出し横になって悶え始めた。
「ところで先ほど言っていたもう一つの件というのは何なのだ? それがしは何も聞いておらぬのだが」
一応、因幡守も耳にだけは入っているのだが、詳細は全く聞かされていない。惣左衛門尉に説明させようとしたのだが、惣左衛門尉は未だにげらげら笑って苦しそうにしている。
因幡守はそんな惣左衛門尉の尻を思い切りつねった。
「ええい、笑ってないで説明してくれ。兄上の言っていたもう一つの件とは何の事なのだ?」
惣左衛門尉は笑いすぎて目に涙を浮かべている。
六郎五郎に咳払いをされ、改めて座り直して咳払いをした。
「詳しくはそれがしも聞かされてはおりません。その文の相手を説得する事が、五郎八郎様のなさろうとしている事の最初の楔打ちだと殿は申しておりました」
なるほど、それほどまでに重要な事柄であれば苛つくのも無理はない。惣左衛門尉の話に六郎五郎も少し納得した。そうなると、五郎八郎がそこまで期待をしている相手というが気になってくる。
惣左衛門尉は密談をするかのように二人を近づけさせた。
「舟ケ谷城の新野左京之介様です」
まずは何を置いても堤城の父上に手紙を出す事である。
早急に人を寄こしてもらわないといけないし、久野殿も説き伏せて貰わないといけない。
それともう一人、五郎八郎は目を付けている人物がいる。その人物にも文を書いた。
全ての文には承芳和尚の添え状を付けてもらう事にする。じゃないと最終的に約束を反故にされた場合、自分に恨みが向いてしまうからである。
そこからわずか三日後、朝日山城に三人の人物が訪れた。
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現在は若き一門衆として父上の補佐している。
二人目は堤城の家人で松井惣左衛門尉。恐らくは因幡守の付き添いとして来たのだろう。
最後の一人は匂坂六郎五郎。六右衛門の四男である。
六右衛門には男子が二人いる。嫡男が六郎左衛門、次男、三男は夭折し、四男がこの六郎五郎。
父の六右衛門は遠州にこの人ありとうたわれる剛の者である。評定前の挨拶回りで五郎八郎も一度会った事があるのだが、受ける威圧感が凄い。
だが嫡男の六郎左衛門からは剛の者という印象を一切受けない。五郎八郎が言ったら鏡を見ろと言われてしまいそうだが、いわゆる青瓢箪という感じの人である。
対して四男の六郎五郎は、まさに六右衛門が子という筋骨隆々な人物。
三人は朝日山城に到着すると、すぐに例の部屋に通された。そこで雪斎禅師と面会する事になり、さらに承芳和尚とも面会する事となった。五郎八郎が呼び寄せたのに、五郎八郎に会う前に面会して取り込んでしまおうとするあたり本当に食えない坊さんたちだと思う。
承芳和尚への謁見が終わると、三人は五郎八郎のいる部屋へと通された。
三人は雲の上の人にでも会ったかのように恍惚とした顔をしており、惣左衛門尉に至っては、生きてて良かったなどとわけのわからない事をまで口走っている始末。
そんな興奮気味な三人とは対照的に、五郎八郎は不機嫌そうにぶすっとした顔をしている。
「兄上、お久しゅうございます。突然承芳和尚の側近になられたと聞いて、堤城では皆驚いておりましたよ」
何となく五郎八郎が機嫌が悪い理由に因幡守は気付いてはいる。それを誤魔化す為に精一杯の愛想を振りまいている。
「……因幡、父上はどうした?」
因幡守はびくりとし、バツの悪そうな顔できょろきょろと目を泳がせ、すがるような顔で惣左衛門尉を見る。
惣左衛門尉は父上からの書状を持っており、「まずはこれを」と言って手渡した。
険しい顔で書状を受け取ると、五郎八郎は無言で書状を読み始めた。
要約すると、家中で色々と考えた結果、やはり堤城は駿河守様に付く事にしたと書かれている。
五郎八郎の説くところは十分理解できるし、ここで松井家が承芳和尚に付けば、勝てた時に重用してもらえるとも思う。だが仮に負けたらどうなる? その時は松井家は終いだ。その事態は何としてでも避けねばならぬ。
少しでも形勢が変わればその時はすぐに旗色を改める故、後はどうにか取りなして欲しい。だがそれだけでは、そなたにも立場というものもあるだろう。因幡守と惣左衛門尉を遣わすから存分に使ってやって欲しい。
読み終えた五郎八郎は静かに書状を畳み、ギロリと因幡守を見た。
因幡守は精一杯の愛想笑いをし、「どっちにも良い顔をするのは松井家の『家是』ですから」と乾いた笑い声を発した。
「我が家も似たようなものだ。今の時点で旗色を変えろというのは酷な話だよ。だが、我が父上も内心では中立を保ちたいと考えているのだ。だからそれがしが来た。それで納得してはもらえないだろうか?」
六郎五郎もかなりバツの悪そうな顔で、五郎八郎を宥めるように作った笑顔を向けた。
「父上はあの書状を読んで一体どんな理解をしたのだ! 旗色を変えろなんて誰も言ってない。当主たる人物が作戦行動の中に入ってないとと言ったんだよ!」
父上だけがこそっと城を抜け出して朝日山城に入ってくれればそれで良かったのだ。
五郎八郎は苛々して頭を抱えた。その姿に因幡守はあからさまに委縮している。惣左衛門尉も天井を仰ぎ見た。
「兵庫殿の言いたい事もわかりますよ。五郎八郎殿が言っているのは、今の段階では旗色を変えろと言っているのと同義です。そんな家名をかけた大博打など、どの家だって打てませんって」
六郎五郎が宥めるように言うと、五郎八郎は諦めの表情で大きくため息を付いた。
「因幡、父上にお願いしていたもう一つの件はどうなった? あっちも駄目になったのか?」
因幡守は詳しくは聞いていないらしく、顔を引きつらせ首を傾げた。
五郎八郎は惣左衛門尉の方に視線を移し、どうなんだとたずねた。
「手紙は出しておられました。もちろん承芳和尚の書状を添えて。ただ、返答に関しては、それがしは聞いておりません」
申し訳なさそうに言う惣左衛門尉に、五郎八郎は短くそうかとだけ発して黙ってしまった。
因幡守たちは何とも居心地の悪い気分になり、そそくさと五郎八郎の部屋を退出した。
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五郎八郎の部屋を退出した三人は六郎五郎の部屋に集まっていた。
「五郎八郎殿、だいぶご立腹でしたな……」
六郎五郎は呟くように言って、岡部家の家人に淹れてもらった茶を啜った。
「当分、菘様や萱様と会えないでしょうからね。それは苛々も募るというものでしょう。兄上、菘様と仲睦まじいから」
因幡守の言を受けて惣左衛門尉は、今の萱様は何をしても可愛い盛りであろうからとゲラゲラ笑っている。
「そんなもの、さっさとそこらの町娘でも妾に囲えば良かろう。変に溜め込んで苛々され、こちらに当たられても困るというものだ」
自分で探すのが恥ずかしいならそれがしが話をしてやると六郎五郎は真顔で因幡守に指摘した。こう見えてそれがしはそういう方面は得意なのだと。
六郎五郎の自慢が余程可笑しかったようで惣左衛門尉は腹を抱えて笑い出し横になって悶え始めた。
「ところで先ほど言っていたもう一つの件というのは何なのだ? それがしは何も聞いておらぬのだが」
一応、因幡守も耳にだけは入っているのだが、詳細は全く聞かされていない。惣左衛門尉に説明させようとしたのだが、惣左衛門尉は未だにげらげら笑って苦しそうにしている。
因幡守はそんな惣左衛門尉の尻を思い切りつねった。
「ええい、笑ってないで説明してくれ。兄上の言っていたもう一つの件とは何の事なのだ?」
惣左衛門尉は笑いすぎて目に涙を浮かべている。
六郎五郎に咳払いをされ、改めて座り直して咳払いをした。
「詳しくはそれがしも聞かされてはおりません。その文の相手を説得する事が、五郎八郎様のなさろうとしている事の最初の楔打ちだと殿は申しておりました」
なるほど、それほどまでに重要な事柄であれば苛つくのも無理はない。惣左衛門尉の話に六郎五郎も少し納得した。そうなると、五郎八郎がそこまで期待をしている相手というが気になってくる。
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