14 / 15
14.
しおりを挟む
バイト用の黒シャツを硬くなった胸の尖りが押し上げている。それを分かっていて、善はしつこく刺激してくる。爪の先でカリカリと先端を嬲るのは、以前『どんな触り方がいい?』と尋ねながら暴かれた鷹哉が弱い触れ方だ。
「あ、あっ……ん……」
神経がどうなっているのか、胸に触れられているだけで腹の奥が疼いた。鷹哉は本能のまま善のスーツを脱がしにかかる。
触り心地のいい生地に、『イタリア製……』というマスターの声が脳裏に浮かんだが無視した。すでに涙でびしょびしょにしたあとだ。これからさらに皺になるのも、クリーニングに頼ってくれ。
ジャケット、ネクタイ、シャツ、スラックスを順番に脱がそうとしている間に、自分の方が先に裸になっていた。すでに勃ち上がり涙を流している先端に、善がすかさず舌を這わせる。
「ひぁっ。……善、そんなことしなくていいって!」
「だーめ」
結局シャツのボタンは外したけど脱がすことができず、スラックスもベルトを引き抜いただけで終わった。でもなんか……仕事スタイルで前髪を上げた男のスーツが乱れているのは、かなり視覚的にエロい。
「く、ぅ……」
舌技だけで的確に高められ、内腿がぷるぷると震える。善の両手は赤く尖った胸の先を弄り、脇腹や恥骨をなぞってくる。
すぐに達してしまいそうで、必要以上の愛撫を止めようと手を伸ばす。だが善は鷹哉の両手を取り、指を絡めてシーツに縫い留めてしまった。
たったそれだけで、逃げられないという事実が鷹哉を興奮させる。これまでも戯れに手を押さえられたことはあったはずなのに、善にされると全く違うのだ。
充血したペニスが限界を迎え、精液を吐き出す感覚に身体が無意識に備える。
――しかし、刺激は唐突に失われた。
「え……」
「たかやくん、イッたほうがつらいでしょ?」
まさか、と思う。何度もイかされて、もうつらいからイかせるなと善をなじった記憶が蘇る。
(え……今日は逆パターン? この寸止めをくり返されんの? そんなの……死ぬって!!)
鷹哉は回らない頭でなんとか考えた。ねちっこいセックスをしたがるこの男を、どう攻略すべきか?
「善、早く挿れろよ。ナカ、疼いて……欲しい」
頭の回転は超低速だ。それでも鷹哉としては口にしたことのない誘い文句だった。みずから脚を広げると、羞恥に目が潤み、さっと頬が桃色に染まる。
善を仰ぎ見れば、余裕を失った表情でこちらを凝視していた。目に情欲が滾り、いつもの愛嬌はどこかに消えている。
これは……思ったより効果あったか? そう期待して、もうひと押しと言葉を重ねる。嘘じゃない。本当に欲しいと思っているのだから。
「準備……してあるからさ。すぐできるぜ」
「誰のために?」
瞬時に返ってきたことばは、普通のトーンなのに鳥肌が立つほど冷たかった。鷹哉は思わずぶるっと身震いする。
誰のために? 誰のために準備したんだっけ?
「――あ。えーっと……」
「まさかあの、脂ぎった男のために?」
「ち、違うって!」
言葉に詰まる。誰でもいいから抱いてもらうために……なんて、間違っても言えない。
上手い言い訳が見つからず狼狽している間に、善は痺れを切らしてしまった。いや、待つつもりもなかったのかもしれない。
「鷹哉くんは好きな人がいても別の人とできるんだね。じゃあこれからは、そんな気も起こらないくらい抱いてあげる」
「っひ」
――絶倫の理解らせなんて、怖いしかないんですけど!!!
「あ、あっ……ん……」
神経がどうなっているのか、胸に触れられているだけで腹の奥が疼いた。鷹哉は本能のまま善のスーツを脱がしにかかる。
触り心地のいい生地に、『イタリア製……』というマスターの声が脳裏に浮かんだが無視した。すでに涙でびしょびしょにしたあとだ。これからさらに皺になるのも、クリーニングに頼ってくれ。
ジャケット、ネクタイ、シャツ、スラックスを順番に脱がそうとしている間に、自分の方が先に裸になっていた。すでに勃ち上がり涙を流している先端に、善がすかさず舌を這わせる。
「ひぁっ。……善、そんなことしなくていいって!」
「だーめ」
結局シャツのボタンは外したけど脱がすことができず、スラックスもベルトを引き抜いただけで終わった。でもなんか……仕事スタイルで前髪を上げた男のスーツが乱れているのは、かなり視覚的にエロい。
「く、ぅ……」
舌技だけで的確に高められ、内腿がぷるぷると震える。善の両手は赤く尖った胸の先を弄り、脇腹や恥骨をなぞってくる。
すぐに達してしまいそうで、必要以上の愛撫を止めようと手を伸ばす。だが善は鷹哉の両手を取り、指を絡めてシーツに縫い留めてしまった。
たったそれだけで、逃げられないという事実が鷹哉を興奮させる。これまでも戯れに手を押さえられたことはあったはずなのに、善にされると全く違うのだ。
充血したペニスが限界を迎え、精液を吐き出す感覚に身体が無意識に備える。
――しかし、刺激は唐突に失われた。
「え……」
「たかやくん、イッたほうがつらいでしょ?」
まさか、と思う。何度もイかされて、もうつらいからイかせるなと善をなじった記憶が蘇る。
(え……今日は逆パターン? この寸止めをくり返されんの? そんなの……死ぬって!!)
鷹哉は回らない頭でなんとか考えた。ねちっこいセックスをしたがるこの男を、どう攻略すべきか?
「善、早く挿れろよ。ナカ、疼いて……欲しい」
頭の回転は超低速だ。それでも鷹哉としては口にしたことのない誘い文句だった。みずから脚を広げると、羞恥に目が潤み、さっと頬が桃色に染まる。
善を仰ぎ見れば、余裕を失った表情でこちらを凝視していた。目に情欲が滾り、いつもの愛嬌はどこかに消えている。
これは……思ったより効果あったか? そう期待して、もうひと押しと言葉を重ねる。嘘じゃない。本当に欲しいと思っているのだから。
「準備……してあるからさ。すぐできるぜ」
「誰のために?」
瞬時に返ってきたことばは、普通のトーンなのに鳥肌が立つほど冷たかった。鷹哉は思わずぶるっと身震いする。
誰のために? 誰のために準備したんだっけ?
「――あ。えーっと……」
「まさかあの、脂ぎった男のために?」
「ち、違うって!」
言葉に詰まる。誰でもいいから抱いてもらうために……なんて、間違っても言えない。
上手い言い訳が見つからず狼狽している間に、善は痺れを切らしてしまった。いや、待つつもりもなかったのかもしれない。
「鷹哉くんは好きな人がいても別の人とできるんだね。じゃあこれからは、そんな気も起こらないくらい抱いてあげる」
「っひ」
――絶倫の理解らせなんて、怖いしかないんですけど!!!
108
あなたにおすすめの小説
マッチングしたのは仕事の依頼のためでした〜お相手はDom/Subごっこがご希望です〜
マツカワマツコ
BL
売れない役者の優翔はバイトを掛け持ちして生計を立てていた。稼いだ金は自分の役者としてのスキルアップに使い果たすも、なかなか名は上がらない。すり減り疲れた彼はマッチングアプリで可愛いネコを求める毎日。
ある日のバイト上がりに届いた1件のマッチング通知。それは明らかなタチである龍一からの申し込みだった。断ろうとするも何やら事情があるようで…。
会ってみたら「俺の理想のDomを演じてほしい」と。とんでもない頼みに驚愕するが役者魂を擽られ挑戦することに。そこから優翔の運命は大きく変わっていく。
【BL】寸劇
のらねことすていぬ
BL
偶然知り合った大人の男、伊佐島にどうしようもなく惚れてしまったフリーターの受け。泣き落としで付き合ってもらうことになったけど、彼が自分のことを好きだとは到底思えない。悩むことに疲れて別れることを決意するが、彼は他に男ができたと勘違いして……? すれ違っている二人の別れ話→ハピエンです。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
顔も知らない番のアルファよ、オメガの前に跪け!
小池 月
BL
男性オメガの「本田ルカ」は中学三年のときにアルファにうなじを噛まれた。性的暴行はされていなかったが、通り魔的犯行により知らない相手と番になってしまった。
それからルカは、孤独な発情期を耐えて過ごすことになる。
ルカは十九歳でオメガモデルにスカウトされる。順調にモデルとして活動する中、仕事で出会った俳優の男性アルファ「神宮寺蓮」がルカの番相手と判明する。
ルカは蓮が許せないがオメガの本能は蓮を欲する。そんな相反する思いに悩むルカ。そのルカの苦しみを理解してくれていた周囲の裏切りが発覚し、ルカは誰を信じていいのか混乱してーー。
★バース性に苦しみながら前を向くルカと、ルカに惹かれることで変わっていく蓮のオメガバースBL★
性描写のある話には※印をつけます。第12回BL大賞に参加作品です。読んでいただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします(^^♪
11月27日完結しました✨✨
ありがとうございました☆
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた
こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる