とあるマカイのよくある話。

黒谷

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第五章「砂の王蛇と悪意の巣窟。」

06

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「で、その子はどうしてデスにしがみついてるの?」

「いや……俺も何がなんだか……」


 ハイゼットと合流したデスは、自身の片足にしがみつく子供を見て嘆息した。
 他の奴隷たちは事が終わるとみんなこぞって逃げ出していったのだが、彼だけはデスの足から離れなかった。
 ゼノンも同じく溜息をつく。


「ほんとだよ。僕だって怖い目にあったからデスに抱き着きたかったのにさあ? この子がずーっとこうしてるせいでなーんにもできないし」

「解放されたってことは理解してるはずなんだが……」


 なあ、とデスが彼に視線を落とすと、彼はより強く彼の足にしがみついた。
 先ほどからこれの繰り返しである。


「キミ、お名前は?」


 ハイゼットはすっとしゃがむと、彼に目線を合わせていった。
 彼はふい、と顔をそむけたが、ハイゼットは苦笑するだけだ。
 銀の瞳にしばらくじっと見つめられて、彼は確認するように、一度、ちらりとハイゼットへ視線を向けた。
 それから、視線を地面に落とすとふるふると頭を横に振った。


「…………」

「もしかして、名前がないの?」

「無い? だってお前、妹がいたって言っただろ。なんて呼ばれてたんだよ?」

「……、……あに、て」


 地面に落ちていた視線が、デスを見上げた。
 そうして彼が言った言葉に、一行は凍り付いた。


「やつら、が、おれを、あに。あのこを、いもうと、って」


 親から名前を与えられずに、この子は売られたのだ。
 デスは男からきいた言葉を思い出していた。

(この町の連中は、子供を一人か二人残して、他は売る)

 つまりはこの子たちは『他』なのだ。
 兄弟たちはこの街で、親の元で、暮らしているのだろう。


「そんな……」


 ハイゼットは、彼をぎゅっと抱きしめた。


「そんなことって……!」


 ぼろぼろと、銀の瞳から涙がこぼれ落ちて彼の背を濡らした。
 それを彼は不思議に思ったのか、小首を傾げた。


「どうして、なくの?」


 どこもぶたれてないのに、と彼が続けると、ハイゼットは言った。


「ぶたれてなくてもね、ここがね、痛いんだ」


 ハイゼットは胸を指した。


「ぎゅって、しめつけられるみたいに痛いから、泣くんだよ」

「……へんなの」


 しばらく泣いたあと、ハイゼットは涙目でデスを見上げた。


「どうにかしたいって顔だな」

「うん……ダメだよこんなの。だって、命がこんなに軽い扱いでいいわけない」

「じゃあ、やっぱ早くゴルト黙らせて、魔界各地を治めるしかねーだろうな」


 デスは少し離れた場所で大蛇と共にこちらをみているセルへ視線を向けた。
 彼はバツが悪そうに目をそらす。


「北魔界じゃこんなのどこにでもある。こいつらだけじゃねえ」


 いくら取り締まっても、意味がないことはデスが一番よく知っていた。
 こんなのは、掃きだめのなかでゴミ捨てをするようなものだ。


「どうしてこんなことするんだろう……大事な子供なのに」

「そりゃ金になるからだよ」


 ぽつりとつぶやいた声に、反応したのはセルだった。


「金になるし、気持ちよかったら誰でもやるだろ。それでいて自分に一ミリもデメリットがない」

「でも!」

「あんたにとって不快なことでも、他の連中にとっては快楽だったりする。逆もまたしかりなんだよ」

「……!」


 ハイゼットはふらふらと立ち上がって、セルの方へ歩み寄った。
 セルは思わず身構えた。
 殴られるか、はたまた殺されるか。
 何にしろ今の発言はよくなかった、と咄嗟に目を瞑った。
 あくまでも自分は敗者だ。これ以上策なんてない。


「それでも」


 ぐっと胸倉をつかまれる。
 大蛇が慌てて大きく口をあげたが、それもぴたりと止まった。


「それでも、俺は、『子供』は大切にすべきだと思う」

「……は」


 セルのすぐ目の前で、ハイゼットは手を振り上げることもなく、ただ、ようやく止まった涙をもう一度溢れさせていた。
 ぼたぼたと、セルの顔にその涙が落ちる。
 生ぬるい、少しべたっとする液体が、まるで砂漠にしみこむ水滴のように彼の頬へ消えていく。


「だって、子供は『未来』への希望だよ。俺たちは永遠を生きてるの? 違うよ。限りある時を生きてるんだ」

「…………」

「もちろん永遠を生きる者だっているけれど。でもね、子孫を成していかないと国は繁栄しないんだ。今だけが楽し
ければそれでいい、なんて無責任は、少なくとも『俺』たちには許されないんだよ」


 セルは、ハッとした。
 彼はセルを、きちんと『王』としてみているのだ。
 ただの悪魔、ではなく。
 国を、街を治めるものとして、対等に話をしようとしているのだ。

(なんで)

 ぐっと奥歯をかみしめる。
 胸にこみあげてきたものを、吐き出しそうになって、押しとどめる。

(なんで)

 砂漠の地下で街を成した。
 竜人種たちと生きるのは華やかで楽しかった。
 地上と何度か交信したが、誰も『地下の王』なんて相手にしなかった。
 魔王じゃないし、とか。
 帝王じゃないし、とか。
 そもそも、そんな街は知らないし、と。

(なんで!)

 今更なのだ。
 もうずっと待っていた。
 いつかは帝王が、『仲間』として、彼らも魔界の一員として迎えてくれる。
 悪徳と悪徳なら混ざりあえる。混ざり合えば、混沌になれる。
 そういったグラフィンの言葉を信じていた。


「もうこんなことはやめよう。竜人種にとって角がどういうものなのか俺はわからないから、角の売買はわからないけど。でも、子供の売買はやめよう。そうしないと、キミの築いたこの美しい街はいつか崩れてしまうよ」

「……あんたに何がわかるんだよ。あんたに、俺たちの、何が」


 できるだけ抑えて、喉で抑え込んで、言葉を絞り出す。
 気を緩めたら、何かが崩壊してしまいそうだった。


「全部持ってるくせに。恵まれてるくせに。何もかも、手にしてるくせに」


 今更、と呟きかけて、ぐっと押し黙る。


「まだ何も手にしてない」


 ハイゼットは泣き腫らした顔で、笑う。


「これから手にするんだ。みんなで。もちろん、キミも一緒に!」

「は……」


 何を言ってるんだ、こいつは。
 セルは開けた口を閉じれなかった。


「俺がこれから得ようとしているものは、俺ひとりじゃ無理なんだ。だけど、皆がそばにいてくれたなら、俺は魔界を『新しい』形にしてみせる」


 ぞくりとした。
 セルの目には、ハイゼットはたくさんのものを手にしているように見えた。
 けれど彼は『それ』では満足していないのだ。
 それどころか、彼はセルすらも得ようとしている。

(なんて、傲慢で。なんて、強欲な)

 目がチカチカした。
 眩しい、と思った。
 まるで黄金のようにキラキラして見えた。


「セルくん、一緒に魔界を統治しよう。キミが困ってたら俺が必ず力になる。だから俺が困っているときは、キミが助けてほしい!」

「な……ば、馬鹿なのか、お前……俺は、お前の、女を、その……それに、魔界を、マグマに」

「それについては、とくにファイナルについては怒ってるけど! ま、きっと数年後には笑いあえてるよ」


 足がすくんだ。
 底がしれない、と思った。

(俺なら許せない)

 殺してしまうだろう。
 生かしてはきっとおかない。
 だっていつか自分を滅ぼすかもしれないのだ。
 そんな危険因子を、野放しにはしない。


「じゃ、はい!」


 ハイゼットはパッと手を離すと、手を差し出した。


「何だよ、それ」

「握手だよ!」


 それから無理矢理セルの手を掴むと、強引にぎゅっと握った。


「これで俺たち友達だね!」

「ともだ……!?」

「そう、友達! 仲間で、それでいて、友達!」


 にぱーっと笑うハイゼットに、セルはそれ以上異議を唱えることができなかった。
 肩の力が抜ける。
 もうどうあっても彼を負かすのは無理だと、そう思った。
 ふと彼の後ろを見ると、デスがこちらをみて、同情するようにと笑っていた。

(ああ、あいつもなのか)

 きっと彼も自分と同じなのだ。
 出会いが早かっただけで、同じ目にあったに違いない、とセルは思った。
 そういう意味では、ああ、確かに。
 もう彼らは、仲間なのかもしれない。


「よし! それじゃ地上に戻ろう! 北魔界の魔王と話をしなきゃ!」

「それより先に俺の足にしがみつくこいつ何とかしないとな」

「あ、そうだった」


 くるりとハイゼットがセルからデスへ振り返ると、彼は先ほどと打って変わってハイゼットを見上げていた。
 そうして、言った。


「きたまかい、なら、おれもいきたい」

「えっ」


 ぴしり、とハイゼットが固まる。


「いもうと、が、いるかも」


 そうつぶやく彼は、目にはっきりと意思を宿していた。
 先ほどよりも握る手は力強い。
 声にも、力が入っている。
 おそらくは振り切ってもどうにかしてついてこようとするだろう。
 どうしたものか、とデスは頭をがりがりと掻いた。


「……よし、わかった」


 そうしている間に、ハイゼットはいつの間にか彼の頭を撫でつけていた。
 デスが何か言葉をはさむ前に、力強く頷くと彼の両肩を掴んだ。


「一緒にいこう。妹ちゃんを、キミが助けるんだ!」


 これである。
 こんな子供を連れて北魔界へ、なんて正気の沙汰じゃない。
 しかしこうなったハイゼットは絶対的に言うことを聞かない。つまりは頑固なのである。


「あー、ハイゼット?」

「大丈夫! 俺とファイナルでちゃんと面倒みる!」

「そうだな。努力しよう」

「ファイナルまで……」


 彼は、ようやくのことデスのズボンから手を離すと、ハイゼットにしがみついた。
 その長い尻尾が、ハイゼットの身体に巻き付く。
 その傍らで、まるで我が子をなでるようにファイナルが頭を撫でた。


「はは、夫婦みたい」


 少し遠い目をして、ゼノンはそう呟いた。
 彼女はすでに抗議を諦めているようだった。

(まじかよ)

 ため息をつくデスは、ふと、セルを見た。
 彼は先ほどのデスのように、こちらへ同情の笑みを浮かべていた。







***







 あ、とアルマロスは短く声をあげた。
 ぱきっと割れたティーカップから、ほどなくしてすっかり冷めきった紅茶があふれてくる。


「ダメだったかあ」


 空っぽになった自分のカップを眺めながら、アルマロスは窓を見た。
 外の荒野に特段変わった様子は見られない。
 ほんの一瞬、遠くで何か赤い光が上がったように見えた他は、何もない。

(あれが彼の断末魔だったのなら、面白いけど)

 たんたんたん、と指で机を叩く。

(やれやれだよ)

 グラフィンが相手取ったのが誰なのか確信はない。
 けれども、きっと帝王なのだろう。
 あの、先代の息子。
 ゴルトが念入りに記憶を操作し、育てなおそうとした子。


「だからねえ、不安だったんだよ。僕は」


 これは独り言だ。
 誰もいない空間で、誰に呟くでもなく、彼は言葉を空へ放つ。


「死神も終焉も野放しで、『彼』だけに術を施すなんて、甘すぎるんだよなあ」


 ダメかもしれないなあ、と。
 諦めるようにそう呟いて、ううーん、と子供の用に唸る。
 今回の計画で、懸念すべきポイントはそこだけだった。
 逆にそこさえ何とかなれば、今回こそは、うまくいくかもしれない。そう思ったのに。


「おい」

「あら」


 ノックもなしに、再び金髪が現れる。
 アルマロスはため息をついて、彼を迎えた。


「いつまで待機なんだよ。暇なんだが」

「暇っていわれてもなあ」

「ゴルトってやつをぶっ殺してあの城奪い取るとか、子供を浚いにいくとかよ。やることあるだろ」

「……あのねえ。ゴルトくんには一応まだ利用価値があるかもしれないの。だから手を出しちゃだーめ」


 この金髪も、アルマロスと同じ『よそ者』だ。
 この魔界で生まれ育ったわけではない。
 アルマロスは堕天使だが、この金髪は外では『黒い太陽』や、『魔王』として信仰されていた悪魔だ。
 信仰は薄れ、力を失いつつあった彼に居場所を提供したのが、この堕天使だった。

(根はいい子なんだけどなー、素直で)
 確かにゴルトにはもう間もなく用がなくなるかもしれないが、まだその時ではない。

 計画がとん挫するかどうかは、まだ決まっていないのだ。


「じゃ、街に降りてきてもいいか」

「へ?」

「いや地下のガキどもは全員壊れちまったから、新しいの欲しくて」

「消費が激しいなあ。お金は有限なんだよ、アルシーくん」

「いいじゃねえか別に。魔王になったんだろ。ぱーっと使おうぜ」

「そんな蛮族みたいに言わないでよ……」


 どうしたものか、と窓の外へ視線を向けると、不意に、砂漠の方に大きな蛇が見えた。

(あれは)

 セルだ。砂漠の地下に街を築き、竜人種を治める蛇の悪魔。
 大きな蛇を従える、砂漠の王者だ。
 彼が出てくるなんて珍しい、と思ったのもつかの間、アルマロスはハッとした。

(ああ、なるほど、そういうことか)

 蛇の背には複数名、連れがいる。
 そうしてその連れたちは、蛇から降りるとすたすたと離れていった。


「アルシーくん」

「あ?」

「いいよ、街にいっておいで」

「まじか」


 アルマロスは彼に引き出しからカードを一枚取り出すと、手渡した。


「支払いはそれでできるから、好きなだけ暴れておいで」

「あんまり気乗りしてなかったと思ったが。どういう気の変わりようだよ?」

「別にいいでしょ。遊びがてら、街を偵察してきてほしいだけ」

「偵察」


 にんまりと笑うと、彼はアルマロスからカードを受け取った。 


「ははっ、何だそりゃ。何かみつけたら『暴れてきていい』てことか?」

「うん、いいよ。思う存分やっておいで」


 アルマロスが頷くと、彼は嬉しそうに笑ってドアへと歩いて行った。
 そんな彼の背に、アルマロスは声をかける。


「だけど、『殺しちゃ』ダメだよ。いいね? 必ず城まで連れてくること。あと、キミが死ぬのもなし」

「俺が死ぬとかありえねーけど」

「概念上はね。けど、ここからの撤退にはなりえるでしょ」


 じっと睨みつけると、アルマロスもまた、じっと彼を睨みつけた。
 しばらくにらみ合いは続いたが、やがて彼の方から目をそらした。


「はいはい、かしこまりました。まおーさま」


 そうして、ふらふらとドアから外へ出ていった。
 概念上、ここで生まれていないものは、ここでは死に得ない。
 元居た場所に戻るだけだ。死んだように見えても、彼らの本質に『死』はない。
 少なくとも西洋の者はみんなそうだ。そうではない、東洋の者は、わからないが。


「うーん」


 背を見送ってしばらくしてから、アルマロスは唸った。


「やっぱ『護符』くらいは、与えておくべきだったかなあ」


 彼の胸には、一抹の不安があった。
 窓から見えた大きな蛇。
 砂漠の王者が、地下からわざわざ地上へ送り届けた複数名の影。
 それから、死んでしまったグラフィン。

(確証はないんだけれど)

 どことなく、帝王が近づいてきているような。
 どことなく、自分に魔の手が伸びているような。
 どことなく、また飲み込まれてしまうような。
 そんな、奇妙な胸騒ぎをかき消すように、彼は空になったカップを床に落としてかしゃんと音を立てた。


 
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