とあるマカイのよくある話。

黒谷

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後日譚①「死神と帝王」※BL・GL要素を含みます

03

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 ──昔の夢を見た。
 ひどく憔悴していたからか、死んだはずの母親が彼の頭を撫でる夢だった。
 彼女は別に何を言うでもなく、彼の頭を撫でた。
 よくやったわね、というでもなく。
 頑張ったわね、というでもなく。
 もういいのよ、というでもなく。
 そんなことを言う資格はないのだ、という顔をして、デスの頭を撫でた。

(……まだ気にしてんのかよ)

 呆れたように、デスはため息をつく。
 幼い頃、妹が二人増えて、彼は唐突に兄になった。
 そうしてしばらくは普通の日々が続いて、また唐突に終わりがくる。
 父が突然に別人のようになり、彼を含めた彼を殺そうとしたのである。
 そんな父を止めたのは母で、しかし母は父を殺しきれなかった。
 一瞬の迷いで、母は致命傷を負い。
 父は狂ったように、妹二人めがけて襲い掛かった。
 それを、デスは殺して止めた。
 何の躊躇いもなく父を手にかけて殺し、致命傷の母を、彼は青い炎をもってラクにした。
 死に際、母はそのことを気に病み、ずっと謝っていた。
 自分がすべきことを、背負わせてしまって申し訳ないと泣いていた。

(別に、どうってことないってのに)

 彼にとっては、本当にどうでもいいことだった。
 両親が二人とも消え去っても、彼はその体一つで金を稼いで妹二人を養うことができた。
 それもスリルのあるいい経験になったし、退屈しない事象のひとつになった。
 もっとも、そのうちにハイゼットが現れ、彼の人生はまったく退屈をしないものへと変貌していくのだが──。


「……ん」


 目が覚めて初めに飛び込んできたのはハイゼットの寝顔だった。
 病人用のベッドに男二人が寝るのは容量的にオーバーだったようで、彼はぴったりとデスに巻き付くように抱き着いている。


「僕は寝たいなら隣で寝なさい、て叱ったからね」

「ゼノン」


 真っ白なカーテンの外側から、彼女はひょこっと顔を出した。


「心配したよ。本当に。……本当に、心配した」


 彼女は、ふるふると震えて、その大きな赤い目にいっぱい涙を溜めていた。
 デスがくい、と手招きすると、ぱたた、と駆けてくる。
 ハイゼットを押しのけるように、ゼノンはデスに抱き着いた。


「君の体、みたことないくらい損傷してた。治りも遅いし、ヘンな薬品、打たれたでしょう」

「あー、ドクトールがそんなこと言ってたな」

「とくに心臓の損傷が激しくて、それは、今後もきっと『治り』が遅い。僕も手を尽くしたけど、まるで呪いみたいに、再生しては壊死するを繰り返してる」


 悔しさが滲む声で、ゼノンがそういうとデスはその頭をそ、と撫でた。


「だから、もう無茶はしないで。死なないけれど、苦しい時間は今までよりもずっと長いよ」

「……悪かったな。手間かけた」


 ぽつりと降ってきた言葉に、ゼノンはぴたりと動きを止める。


「……また、出ていくつもりでしょう」


 デスは答えなかった。
 視線が、ドアの方へ向く。


「どうして? デスの部屋作ったって、ハイゼット言ってたよ」

「夫婦仲睦まじいトコ、邪魔しちゃ悪いだろ」

「思ってもないこと言わないでよ」


 ぎゅ、とゼノンが強くデスに抱き着く。


「もう俺の役目は済んだだろ。また何かあったら呼んでくれ。そんときはすぐに駆け付けて、面倒事をぱぱーっと片付けてやるからさ」


 デスはぽんぽん、とゼノンの頭を撫でた。
 それから、ハイゼットへ視線を落とす。
 ゼノンは、それ以上何も言わなかった。
 ずるずるとその体を引き離すと、デスはベッドからゆっくりと降りた。







***







 目が覚めたら、隣でしっかりと抱きとめていたはずのデスがいなかった。
 なので、さすがに頭にきた。


「……ゼノン? デスがどこに行ったか、わかる?」

「……うわあ」


 起き上がって彼女にそう問いかけると、ゼノンはドン引きした顔でハイゼットを見上げた。
 彼女は思った。
 そういえば怒らせると一番面倒なのは『彼』だった。


「ぼ、ぼくは、きいてないなー」


 明後日の方向に目線を向ける。
 が、ハイゼットはその視線に割り込んだ。


「本当に?」


 にっこりと笑った顔が怖い。
 ゼノンは必死にコクコクと頷いた。
 それをうけて、ハイゼットは少し、しょんぼりしたように「そっかあ」と肩を落とした。


「じゃあ、仕方ないな。心当たりを片っ端からあたるしかない」


 ベッドから降りたハイゼットは、そのままゆっくりとドアの向こうへ消えていった。
 奇妙な緊張感から解放されたゼノンは、ずるずると床に崩れ落ちてしまった。


「何あれぇ……こっわ……」




 ハイゼットには、心当たりがあった。
 彼に帝都の他に『帰る場所』があるのは、何となくわかっていた。
 そうしてそれは、シャルルとの会話で確信に変わった。
 幼い頃からその勤務先を明確には知らないが、それでも、町くらいはなんとなく想像がつく。

(どうして、俺よりも、彼を)

 そう思うと、体中が嫉妬の炎に巻かれるようだ。
 それは怒りよりもまだ少し痛みが強い。
 ずっと彼の中の一番は自分だという自信があった。
 それを思い上がりと言われてもとくに気にしないくらいには、確固たる自信だった。 
 彼は何をおいてもハイゼットを優先するし、それが揺らいだことは今までただの一度もない。
 ……はずだったのだ。

(確かにファイナルのことは好きだ。けど、デスのことだって同じくらい好き)

 ぎゅっと拳を握る。
 言わなくても伝わっていると思っていた。
 きっと彼も、言わなくても伝わると思っていることがあるのだろう。
 そうして、それ故に何も言わずに出ていったに違いない。

(絶対に捕まえて、話し合う)

 今度は逃がさない。
 逃がすわけにはいかない。
 今ここで捕まえないと、本当にどこかへ消えてしまう。そう思った。
 彼は帝都から飛び出すと、空を飛んで、一直線に『オルクの町』へ。
 帝都から少し離れたそこにはすぐに着いた。
 昼間ということもあってか、ビルの隙間を埋めるようなネオンに光はない。
 出歩く影もまばらで、誰も彼もが欠伸を漏らしている。


「……あのう」


 ハイゼットは、一人、道行く悪魔を呼び止めた。
 彼は頭に角を生やした鬼で、ハイゼットに声を掛けられると素直に止まって振り返った。


「ん? あんた、どっかで……」

「銀髪の死神をこのへんで見なかった? 目が青くて、筋肉質で」

「ああ、知ってるぜ。そこの店にいるやつだろ」


 彼は通りの少し先にある建物を指さした。
 腕組をして、ふふん、と少し自慢げに唸る。


「あんたもあの死神にハマったクチか? いいよな、あいつ。淡泊だし、強いし、何より上手い」

「うま……?」

「テクニックも経験もいいし、顔もいいし。俺が女なら身も心もオチてるわー」


 ハイゼットが小首を傾げると、彼は、じろ、とその視線をハイゼットに向けた。
 つま先からてっぺんまで、まるで値踏みするようにぶしつけに視線をぶつける。


「あんたも、可愛い顔してるじゃねえか」

「えっ」


 ぴしり。
 ハイゼットは固まった。
 その熱っぽい視線に、思わず頬が赤くなる。


「いや、あの、俺は」


 妻が、という前に、男はハイゼットの手をつかんだ。
 その力強さにハイゼットは思わず顔をしかめた。


「いいじゃん。死神には負けるけど、俺もそこそこ……」


 ぐい、と鬼が顔を近づけてくる。
 ハイゼットはとっさに顔を背けて、目をぎゅっとつむった。
 こういうことは初めてで、まるで対処がわからなかった。


「おい、他人のモンに手ェ出してんじゃねえぞ」


 ぐぎ、と音がしてハイゼットは目を見開いた。
 彼の手をつかんでいた鬼の手は、背後から現れた声の主によって外され、締めあげられている。


「デス!」


 声の主に、思わず安堵した。
 そこには変わらず元気そうで、ついでに眠そうで不機嫌そうなデスの姿があった。
 彼はため息をついて、ハイゼットを見た。


「なんでお前ここにいるんだよ……」


 鬼を投げ飛ばして、デスはそう呟いた。
 この町について話をしたことはないはずだった。


「ゼノンのいう『無意識の海』、俺も見ただけ」

「あん?」

「あんまり詳しい構造がわからないからうまく使えないけど、俺も、その、見ようと思えば見えるの」


 初耳だった。
 なんだそりゃ、とデスは頭を抱えた。
 それでは、もはや隠し立ても無意味だ。
 全員の無意識にまで制限をかけるなど、彼の魔法では出来やしない。


「……デス」

「ここはお前がくるようなトコじゃねーの。とっとと帝王城に帰りやがれ。たまに遊びにいってや」

「きいて、デス」


 じ、とハイゼットに見つめられて、デスは押し黙った。


「俺は今から、デスを困らせる我儘をいうよ」


 困らせるならいうんじゃねえよ、とデスは心の中で毒づいた。
 けれどそれを、口に出す気はしなかった。


「俺のそばに、ずっと一緒にいてほしい。もう、どこにも行かないでほしい」

「は──」


 顔から火が出そうなほど熱い。
 馬鹿なことを、と言おうと思った。
 なんだそりゃ、と茶化すつもりだった。
 けれどその真面目な顔に、澄んだ銀色に見つめられたら、そんな言葉はまるで出てこなかった。
 思わず、ハイゼットから顔をそむけた。
 こんな赤い顔を見られるのは癪だった。


「……プロポーズかよ、それ」


 発せられたのは、そんな弱々しい言葉だった。
 ハイゼットは、デスに一歩踏み出して、頷いた。


「そうだよ」

「お前には、ファイナルがいるだろ」

「いるね」

「奥さんいるのに、そういうのは、だめだろ」

「ダメじゃないよ。浮気じゃないもん」


 ぐい、とハイゼットはデスの肩をつかんだ。
 いまだ顔を背けて、口のあたりを手の甲で隠すデスを、真正面からとらえる。


「言ったでしょ。俺は『どちらも』欲しいの。ファイナルのことは愛してるけど、デスのことだって同じなの」

「同じ、って、お前、俺は、」

「デスは俺のこと嫌い?」

「……嫌い、では、ない、というか」


 ごにょごにょと語尾を濁す、珍しい彼の姿にハイゼットはぐっと唇をかんだ。
 油断したらそのままこの往来で抱きしめて誘拐してしまいそうだった。
 その衝動を何とか胸の内に押し殺す。


「っダメだやっぱり! お前、ファイナルだってそんなわけわかんねー関係、嫌だろうが!」


 ほどなくして、デスはそんなふうに声を荒げてハイゼットの手を振り払った。
 顔は赤いままだ。


「ファイナルはいいっていってたよ。ファイナルもデスがいないと変な感じするって」

「はあ!? おま、お前ら、どうかしてるぞ! フツー、男二人、女一人で一緒に暮らすとか、ねえんだって!」

「普通じゃなくていいもん! 俺たちは俺たちでしょ! 誰に何言われたっていいじゃない!」

「よくはねえだろ! 子供とかできたらどーすんだ、なんて説明するんだよ!」

「それはその時考えるよ! それに、デスは子供に好かれる体質だから絶対大丈夫!」

「そういう心配じゃねえんだよ!」

「それに! 俺は、その、デスが誰かにとられるのヤなの! 俺以外にとられるの、絶対いやなの!」

「な──」


 子供のように。
 年端もいかぬ少女のように。
 そんなふうに頬を膨らませて、涙目で駄々をこねるハイゼットをみて、デスは絶句した。

(なんだそりゃ)

 もう笑いすらこみあげてきた。

(とられるってなんだよ。なんでお前のモン前提なんだよ)

 そのまるで疑いようのない自信に、言葉は失われていく。
 拒絶するつもりだった。
 今回は、こちらが我を通すつもりだった。
 ──だというのに。


「……はー」


 ため息をつく。
 結局は、尻に敷かれるしかないらしい。
 これも惚れた弱み、というやつにカウントされるのだろうか。


「わかった。俺の負けだ。お前の勝ち。……これでいいか?」


 やれやれと首を振るデスに、ハイゼットもまた、首を横に振った。


「やだ。俺が告白したんだから、ちゃんとデスもプロポーズして」

「まて。なんでそうなる」

「ファイナルには俺からしたけど、俺、誰からもされてないもん。デスからのプロポーズが欲しい」


 何度も言うが、ここは往来である。
 すでにこの長きにわたる痴話喧嘩の騒ぎをききつけて、野次馬が集まりつつあった。
 それをすでに察知したデスは、顔をしかめた。
 こんなもの、公開プロポーズのようなものだ。
 彼の今就いている職業柄、そんなことは腐ってもできない。
 すぐに店から店長が出てきて、鬼の形相でブチ切れることだろう。

(あれ。ていうか店長もこっちみてる)

 野次馬の中に、ひときわ熱い視線を送る悪魔がいた。
 店長である。
 彼の目はすでに、怒りを内包している。


「あー、ハイゼット?」

「なに? キスでもしてくれるの? 目ぇ瞑れってこと?」

「違う。断じて違う。……あのな、ちと、周りがな」

「周り?」


 これでようやくのこと、ハイゼットは周囲に気が付いた。
 みるみるうちに、彼の顔が真っ赤に染まる。
 そうして頭のてっぺんからは湯気が出始めた。


「え、あれ、なんで、どうして」

「これだけ騒げばな……」


 ようやくのこと冷静になってくれたハイゼットをみて、デスはほっと安堵した。
 それからやはり、頭を抱えた。
 この事態の説明を店長とそれから彼の傍らで凄い目をして睨んでいるシャルルにするには、骨が折れそうだ。
 それどころか周囲の悪魔たちは、ハイゼットが『帝王』だと気づき始めたようである。


 帝王と死神が痴話喧嘩を。
 え、どうして帝王が。
 なんでも、死神を連れ戻しにきたとか……。
 え? 修羅場? 修羅場なの?


 こんな会話が遠巻きから耳に聞こえてくる。
 なんだかもう帰って寝たい。何もかも忘れて、眠ってしまいたい。


「や、やだ、聞かれちゃってる? 俺からデスへの、その、ぷ、ぷろぽー……」

「照れてる場合かよ! おら、飛べ! 城に一時撤退だ!」

「は、はーい! 続きはあとでってやつだね!」

「断じて違う!」


 ハイゼットを無理矢理空へと放り投げる。
 それから自身も地面を蹴り上げると、空へと舞い上がった。


「おい、デス! お前、今日は出勤するんじゃねえのか!」


 背後から、店長の怒鳴る声がした。
 地面を叩く、鞭の音もする。
 デスはちらりと振り返って、両手を合わせて頭を下げた。
 店長はぎりぎりと奥歯を噛みながらこちらを見上げていたが、やがて、諦めたように立ち去った。


 
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