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ライバル宣言?
しおりを挟む「つまらない。」
ミランダにもっては無意識のうちに発した言葉は、食事が出るわけでもなく、飲食禁止の入学式という行事についての言葉ではあったが、アリーシアは自分の挨拶が“つまらない”と言われたのだと思い小さく俯いた。
誤解からだとしてもアリーシアにとって今やミランダは憧れの対象なのだ。
必死に考えて来た挨拶も、ありきたりで平凡な言葉だったと捉えられてしまったのかもしれない。
勉強不足だった。
と悔しくもあり、またそう思わせてしまった事(勘違い)が恥ずかしくて仕方がなかった。
サーシスの婚約者は学園在学中は秘匿されてはいるが、一部の貴族の者には周知されている。
もちろん、候補という形になってはいるが、サーシスがこの婚約を望んだと噂されており形だけのものだという事は分かりきっていた。
勿論噂を流したのはサーシスの側近であるネイトだ。
アリーシアに悪い虫がつかないようにと考えたサーシスが牽制の為に広めさせた噂なのである。
勿論、殿下の愛しの婚約者に手を出そうとするものは1人もいなかった。
ましてやミランダにとっては陛下より団子なのだ、手を出すどころか興味すらない。
ただ残念なことにアリーシアにはその噂が届いていない。
それ故に、
『その程度で殿下の婚約者とか、身の程を知りなさい。』
そう言われているのではないかと。
もしかしたら、サーシス様とミランダ様はお互い思い合っているのに何か事情があって婚約ができなかったのかもしれない。
それなのにこんな何もできない女がサーシス様の婚約者になった事が許せなくなり、サーシス様の隣は私しかいない。
そう思っているのかもしれない。
とどんどん悪い方へ悪い方へと妄想が広がっていく。
それでもサーシスの隣に立てるようにと努力をして、諦めないと心に誓ったのだ。
「そうですね。」
もっと勉強します。
という意味を込めて同調すれば、ミランダはそれはそれは嬉しそうに「ねっ!」と力強く返してきた。
そこには入学式なんて早く終わって“料理の食べれる”懇親会にならないかな。という意味しかないのだがアリーシアの妄想はどんどん悪い方向に進んでいく。
「(美味しいものがないと)つまらないわ。」
大きくため息をついたミランダに、小さく肩を震わせながらも、いつか対等だと思ってもらえるようになろう。そう心に決めた。
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