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IV章 Don’t Look Back In Anger
PART3 Captain Sea
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謝ってから殴る織田に対して、ギアルの怒りは頂点に達します。
そんな一触即発の雰囲気の中、常識人のきゃぷてんはここでもきゃぷてんシーを発揮したのです。
「まあ、お前ら落ち着けよ」
織田と、ギアルも、きゃぷてんの言葉にそっと耳を傾けます。そんな彼らを諭すように話を続けるきゃぷてん。
「ギアルは、殴られて痛い。
その気持ちはめっちゃわかる。
織田は、殴りたいから謝ってから殴る。その気持ちもわかる。
つまり、俺は、2人ともの気持ちがわかるねん。
極論を言うと、2人とも悪くない」
まさかの平和的解決に一同は息を呑みます。
「っていうのも、悪くはないけど、しっかりと落とし前はつけたい。
ここで問題になるのは、2人の欲求の強さや。殴りたい気持ちと殴りたくない気持ちを比較するってことやな」
殴りたい気持ちと殴りたくない気持ちを比較...
まさかの方向に向かうきゃぷてんの話に一同は驚きを隠せません。
ギアルなどは、それでも最後には自分が正しいと言われる自信があるのか、にやにやしながらきゃぷてんを見つめています。
きゃぷてんは続けます。
「暴力に訴えるのは一番あかんことや。
けど、織田は殴りながらと、殴る前に謝ってたやろ?
つまり、申し訳ない気持ちはあるねん。
けどな、それでも、殴ってしまうってことはな?
相当、殴りたい」
織田は、真顔で大きく頷きます。
「ギアルも殴られたくはないやろうけど、殴られたくない気持ちの本気さはみえてけえへんねん。
殴られたときの叫び声がちょっとふざけてたし、笑ってたからなあ。
こんな真剣な話し合いの場の今でもにやにやしてるし。
そもそも、'がっつかれとうわー'と、織田を挑発したのはギアルや。
けどな、織田は、真剣すぎて叫んでまうほど謝った。
つまり謝りながらも、殴ってしまうほど殴りたいんや!
相当殴りたいんやろな。
そして、その思いは、ギアルが殴られたくない思いをはるかに上回る...
哀しいけどこれが現実や。
だから許したれ、ギアル!」
「エッ!」まさかの判決に腰を抜かすギアルを横目に、大岡越前守のような素晴らしい?裁定に聞き惚れた野次馬たちは「スゲッースゲッー」「さっすが、きゃぷてんッ」と沸き立ちます。
ギアルはというと、その場の雰囲気に飲まれてしまい、「それならしゃあないな~」と、口をとんがらせてあっさり納得してしまったのです。
その瞬間にみせた、織田のにんま~りした表情を、誰が見ていたでしょう...
「おい、お前らー!もう練習始めるから早くコートに来いよー!」
遠くから聞こえる本物のきゃぷてん、
山本さんの声を聞いた途端、ぼくらのきゃぷてん信仰の魔法は解けました。
?名前確認
「本物のきゃぷてんが呼んでるから早くコート行こうぜ」
「せやな」
ぼくらのきゃぷてんは、本物のきゃぷてんではありませんが、ギアルと織田のマジ喧嘩を止めた素晴らしいきゃぷてんです。
そして、部活が終わった後の部室にて...
ぼくはすっぱむーちょを大量購入した末に手に入れた応募券をはがきに貼っていました。
2枚目の応募券を貼った際に目に入った、「重複応募はできません」という但し書きに絶望しているぼくにボブはガムを噛みながら語りかけました。
「とっしー、Aqua Timezのことはええからさ、この夏について考えていこうぜ」
「そうやねん。とりあえずてっとり早く楽しめるイベント考えないと、俺ら干からびてしまうぞ?」
きゃぷてんもそう言って悩んでいます。
「たしかにな。
授業があった時には、部活が終わるのも夕方やから、そこからスーパーマーケットで時間を潰してバグり島やったけど、夏休みの午前練習のあとにスーパーに行ってしまうと、ほぼ一日スーパーで時間を潰さなあかんやん!
それはまずい!」
「いや、家帰ればよくない?」
「それは違うぞ。
せっかくの青春時代の夏休みにすぐに家に帰るなんてもったいないやん」
「じゃあ何するねん?」
「聞いて驚くなよ...あれを始める...」
そんな一触即発の雰囲気の中、常識人のきゃぷてんはここでもきゃぷてんシーを発揮したのです。
「まあ、お前ら落ち着けよ」
織田と、ギアルも、きゃぷてんの言葉にそっと耳を傾けます。そんな彼らを諭すように話を続けるきゃぷてん。
「ギアルは、殴られて痛い。
その気持ちはめっちゃわかる。
織田は、殴りたいから謝ってから殴る。その気持ちもわかる。
つまり、俺は、2人ともの気持ちがわかるねん。
極論を言うと、2人とも悪くない」
まさかの平和的解決に一同は息を呑みます。
「っていうのも、悪くはないけど、しっかりと落とし前はつけたい。
ここで問題になるのは、2人の欲求の強さや。殴りたい気持ちと殴りたくない気持ちを比較するってことやな」
殴りたい気持ちと殴りたくない気持ちを比較...
まさかの方向に向かうきゃぷてんの話に一同は驚きを隠せません。
ギアルなどは、それでも最後には自分が正しいと言われる自信があるのか、にやにやしながらきゃぷてんを見つめています。
きゃぷてんは続けます。
「暴力に訴えるのは一番あかんことや。
けど、織田は殴りながらと、殴る前に謝ってたやろ?
つまり、申し訳ない気持ちはあるねん。
けどな、それでも、殴ってしまうってことはな?
相当、殴りたい」
織田は、真顔で大きく頷きます。
「ギアルも殴られたくはないやろうけど、殴られたくない気持ちの本気さはみえてけえへんねん。
殴られたときの叫び声がちょっとふざけてたし、笑ってたからなあ。
こんな真剣な話し合いの場の今でもにやにやしてるし。
そもそも、'がっつかれとうわー'と、織田を挑発したのはギアルや。
けどな、織田は、真剣すぎて叫んでまうほど謝った。
つまり謝りながらも、殴ってしまうほど殴りたいんや!
相当殴りたいんやろな。
そして、その思いは、ギアルが殴られたくない思いをはるかに上回る...
哀しいけどこれが現実や。
だから許したれ、ギアル!」
「エッ!」まさかの判決に腰を抜かすギアルを横目に、大岡越前守のような素晴らしい?裁定に聞き惚れた野次馬たちは「スゲッースゲッー」「さっすが、きゃぷてんッ」と沸き立ちます。
ギアルはというと、その場の雰囲気に飲まれてしまい、「それならしゃあないな~」と、口をとんがらせてあっさり納得してしまったのです。
その瞬間にみせた、織田のにんま~りした表情を、誰が見ていたでしょう...
「おい、お前らー!もう練習始めるから早くコートに来いよー!」
遠くから聞こえる本物のきゃぷてん、
山本さんの声を聞いた途端、ぼくらのきゃぷてん信仰の魔法は解けました。
?名前確認
「本物のきゃぷてんが呼んでるから早くコート行こうぜ」
「せやな」
ぼくらのきゃぷてんは、本物のきゃぷてんではありませんが、ギアルと織田のマジ喧嘩を止めた素晴らしいきゃぷてんです。
そして、部活が終わった後の部室にて...
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「そうやねん。とりあえずてっとり早く楽しめるイベント考えないと、俺ら干からびてしまうぞ?」
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