診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第3章 新たな人材を求めて

45話 感謝金大作戦

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 山野さんから依頼のあったバスと人材募集の件を桐生さんに伝えたところ、すぐに社長が承認してくれた。

その報告を受けた山野さんは、とても嬉しそうだった。

バスは新車を注文するので、納車までに三か月ほどかかるらしい。

だから人材が揃うまでの間は、レンタカーで対応してほしいとのことだ。

ありがたいね。社長は本当にこういうところをケチらないから助かる。

いや、考えてみればケチられたことなんて一度もない。(笑)

むしろ「資金をつぎ込みすぎじゃないか?」と心配になるくらいだ。

――実は、ちょっとしたアイデアがあるんだ。

ただし、これには社長の許可が必要だし、オマケにお金もかかる。

今度のビルには大量の人材が必要になる。

けれど、そう簡単に確保できるとも思えない。

そこで思いついたのが――

「就職予約してくれた人に感謝金を出す!」 という作戦だ。

募集から1か月以内に予約してくれた人には、感謝金を支給する。

掃除、ドライバー、駐車場係、看護助手は一律 3万円。

ナースは 5万円。

技師は 8万円。

医師は 10万円。

ただし、期間が延びるごとに段階的に減額されていく。

3か月以内

3万円 → 2万円

5万円 → 4万円

8万円 → 7万円

10万円 → 8万円

5か月以内

2万円 → 1万円

4万円 → 3万円

7万円 → 5万円

8万円 → 6万円

8か月以内

1万円 → なし+菜の花弁当引換券5枚

3万円 → 2万円

5万円 → 3万円

6万円 → 4万円

それ以降は支給なし。

つまり、完成の4か月前には完全に人材を確保したいという作戦だ。

条件も明確にした。

1・面接を受けること。

2・面接に合格したら、1か月以内に仮契約書にサインすること。

3・実際に勤務してから最低半年は辞めないこと。

4・感謝金は最初の給料に加算して支給すること。

これを文書にまとめて桐生さんに渡し、社長に検討してもらうよう頼んだ。



翌日。桐生さんから「社長がすべて承諾された」とメールが届いた。

――はやっ! 本当に社長は決断が早い。

ところで、臨床検査技師は最低3名は必要だろう。シフト制だからね。

サテで兼用できればいいけど……さすがに無理か。

そうだ!! ひらめいた。

「今いる検査技師に、知り合いを紹介してもらえばいいじゃないか!」

そして、その人が予約してくれたら、紹介してくれたスタッフにも感謝金を出す。

ただし支払いは、紹介された人が初めて給料を受け取る日に、紹介者にも同じように加算して支払う。

これは検査技師に限らず、菜の花全体で使える仕組みだ。

よし、すぐに掲示板に告知を出そう。

もちろん、その前に社長の追加承認をもらう。

今日中にOKが出れば、明日には全スタッフに知らせられるはずだ。

――やっぱり最後の決め手は「お金の力」だよな。


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