診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第8章 もっと寮が欲しい

156話 ズーム面接

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 今回の大規模面接――。

お掃除スタッフは不正が4名いたものの、32名を正式に採用することが決まった。
これで清掃部門はようやく軌道に乗ったといえる。

続いて午後に行われたナースと看護助手の面接では――

ナース16名、看護助手18名、全員採用。

これ以上ない成果だった。

さらにリハビリ科にも明るい知らせがあった。

リハビリ医1名、言語聴覚士1名が決定。

これでリハビリ部門の基盤も固まりつつある。

2名とも、すぐに来てもらうことにした。

だが――唯一、穴が空いたままの部門がある。
それは救命医だ。

「ここが埋まらないと、オープンは安心できないな……」

とはいえ、ここまでの進捗は順調すぎるほどだ。
新しく加わるスタッフの数は、総勢50名を超えた。

これだけの人々が菜の花の未来に集まってくれたのだ。
感謝の気持ちで胸がいっぱいになる。

残る課題は救命医。
今週末――土曜と日曜の夜に予定しているZoom面接。
救命医が1名エントリーしている。今すぐにでも来てほしい人材だ。

今夜のZoom面接は3人。
1名は救命医、残り2名はナース。いずれも地方からの応募だった。



Zoom面接が始まった。
履歴書は事前にファイルで送ってもらっており、それを手元に置きながら話を進める。

最初はナース。
――坂本 美佳、31歳。現在、救急病棟勤務。
しかも救命医候補と同じ病院に所属している。偶然なのか?

画面に映し出されたのは、面長で落ち着いた雰囲気の女性。
笑った瞬間、意外なほどかわいらしさがのぞいた。

「こんばんは。菜の花病院の院長、北原です。初めまして」

坂本「こんばんは。この度はZoomでの面接をありがとうございます。とても助かりました」

「いえいえ。今は地方にお住まいですが、こちらにいらっしゃる予定ということで間違いないですね?」

坂本「はい。HPを拝見して、寮があると知りまして。ぜひお願いできればと」

「はい。寮は若干の空きがあります。ただ、本館寮はもう満室でして……。
今ご案内できるのは、病院から徒歩5分のワンルームマンションです。

大丈夫でしょうか? ただ寮母さんは常駐していますし、朝食も出ますよ。
大浴場はありませんが、2号館の大浴場をご利用いただけます」

坂本「はい、それだけで十分です。大助かりです」

「現在は救急病院に勤務とのことですが、具体的にはどの部署を担当されていますか?」

坂本「はい、ICUに所属しています」

「それは心強いですね。ではシフト制や夜勤は問題ありませんか?
寮に住んでいただく方には、万が一のコードブルーの際には駆けつけてもらいたいのです」

坂本はにこっと笑みを浮かべた。

「はい、大丈夫です。慣れていますから」


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