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第10章 人が集う、嵐の春
187話 昇進
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夏のテレビ出演とSNS戦略――あれは確かに効いたようだ。
……ただし、なぜか“ドライバーだけ”5名も集まった。
そこだけ?と笑ってしまった。
どういう仕組みでそうなるんだろう。
世の中、不況なのかなあ。
しかも、比較的若い人たちばかりだった。
山野課長が「やっと若手が来ましたよ!」と喜んでいた。
それと、桜丘救命センターの事務員も1名決定。
名前は奥菜有紀さん28歳。
西村主任のお眼鏡にかなった人材だという。
若いのにしっかりしていて、なかなかの逸材らしい。
西村主任いわく、センターには“物流と事務を兼ねる専任担当”が必要とのこと。
自分が毎回センターと往復していたら体が持たないと話していたので、
早めに決まって本当に良かった。
*
……実は、今日はその西村主任に一つ打診したいことがあった。
本人を院長室に呼んだ。
「失礼します。お疲れ様です。お呼びでしょうか?」
「うん、この前倒れた時は、やっぱり過労だったんじゃないの?
今は体調どう?」
「はい。今はもう大丈夫です。ご心配おかけしました」
「そうか。それならよかった。
――実はね、正式発表はオープンの2週間前にしようと思っているんだけど、
西村さんを“看護師長”に昇格させたいと思ってるんだ」
「えっ……! あの……宮本師長はどうなるんですか?」
「宮本師長は“看護副部長”に昇進してもらう予定なんだ」
「そうでしたか……。では、私は寮母の仕事を続けていいんでしょうか?」
「うん。希望するならそのままでいいよ。
ただね、そのつもりで“サテライトセンターの主任”をできる人を探しておいてほしいんだ」
「ああ、わかりました。それで……私の担当範囲は?」
「看護師長として、本館とサテライトの両方を見てもらうつもりだよ。
2号館は宮本副部長が中心になって、その中でさらに主任・リーダーを細かく分ける予定だ。
センターはセンターで、責任者を別に立てる。
それともう一つ。
物流も2号館やセンターの分が増えてかなり大変になるから、
専任の責任者を置こうと思ってる。その適任者も、考えておいてほしい」
「……なるほど。わかりました。
あの、師長になっても、早めに上がらせてもらって大丈夫ですか?」
「もちろんいいよ。そのあたりは柔軟に設計してくれて構わない。
ただ、体がつらくなったら無理せず、その時また考えよう」
「はい。ありがとうございます」
「この話は、まだ内緒ね。
宮本さんにも山科さんにも、これから順番に話すつもりだから」
「承知しました」
軽く頭を下げた西村主任の横顔に、
安堵と決意が同時に浮かんでいた。
――人が育つというのは、本当にうれしいものだ。
菜の花の現場は、確実に次の段階へ動き出している。
……ただし、なぜか“ドライバーだけ”5名も集まった。
そこだけ?と笑ってしまった。
どういう仕組みでそうなるんだろう。
世の中、不況なのかなあ。
しかも、比較的若い人たちばかりだった。
山野課長が「やっと若手が来ましたよ!」と喜んでいた。
それと、桜丘救命センターの事務員も1名決定。
名前は奥菜有紀さん28歳。
西村主任のお眼鏡にかなった人材だという。
若いのにしっかりしていて、なかなかの逸材らしい。
西村主任いわく、センターには“物流と事務を兼ねる専任担当”が必要とのこと。
自分が毎回センターと往復していたら体が持たないと話していたので、
早めに決まって本当に良かった。
*
……実は、今日はその西村主任に一つ打診したいことがあった。
本人を院長室に呼んだ。
「失礼します。お疲れ様です。お呼びでしょうか?」
「うん、この前倒れた時は、やっぱり過労だったんじゃないの?
今は体調どう?」
「はい。今はもう大丈夫です。ご心配おかけしました」
「そうか。それならよかった。
――実はね、正式発表はオープンの2週間前にしようと思っているんだけど、
西村さんを“看護師長”に昇格させたいと思ってるんだ」
「えっ……! あの……宮本師長はどうなるんですか?」
「宮本師長は“看護副部長”に昇進してもらう予定なんだ」
「そうでしたか……。では、私は寮母の仕事を続けていいんでしょうか?」
「うん。希望するならそのままでいいよ。
ただね、そのつもりで“サテライトセンターの主任”をできる人を探しておいてほしいんだ」
「ああ、わかりました。それで……私の担当範囲は?」
「看護師長として、本館とサテライトの両方を見てもらうつもりだよ。
2号館は宮本副部長が中心になって、その中でさらに主任・リーダーを細かく分ける予定だ。
センターはセンターで、責任者を別に立てる。
それともう一つ。
物流も2号館やセンターの分が増えてかなり大変になるから、
専任の責任者を置こうと思ってる。その適任者も、考えておいてほしい」
「……なるほど。わかりました。
あの、師長になっても、早めに上がらせてもらって大丈夫ですか?」
「もちろんいいよ。そのあたりは柔軟に設計してくれて構わない。
ただ、体がつらくなったら無理せず、その時また考えよう」
「はい。ありがとうございます」
「この話は、まだ内緒ね。
宮本さんにも山科さんにも、これから順番に話すつもりだから」
「承知しました」
軽く頭を下げた西村主任の横顔に、
安堵と決意が同時に浮かんでいた。
――人が育つというのは、本当にうれしいものだ。
菜の花の現場は、確実に次の段階へ動き出している。
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