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第10章 人が集う、嵐の春
188話 昇進・2
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西村主任との話を終えると、次に山科看護部長と宮本看護師長に来てもらった。
「失礼します。何事でしょうか? なんだかドキドキするんだけど……」
珍しく山科部長が緊張している。
その表情が少し可愛らしくて、思わず頬が緩んだ。
「はい、今日は大事なお話があります。
2号館のオープン2週間前に人事発表を予定していますが、
今日は先に“内示”をお伝えします」
二人の背筋がすっと伸びた。
「まず、山科看護部長はそのまま留任です。
そして――宮本師長には2号館担当のまま、“看護副部長”に昇進してもらおうと思っています」
二人は顔を見合わせて、思わず「ええっ……」と声を上げた。
宮本さんは両手で口を押さえて、目を丸くしていた。
山科「良いと思います。それだけの価値がありますよ。
今の宮本師長は本当に忙しいですからね。
まだ全員のスタッフが決まっていませんし、大人数の調整は大変です」
「ありがとう、そうなんだよね。
まだ人も配置も完全には決まっていない。
だから、リーダーや主任候補については、9月から動いてもらいたいんだ。
もちろん、山科部長にも全面的に協力してもらうつもりです」
「はい、分かりました」
二人が声を揃えてうなずいた。
「それから、西村主任には“サテライトセンターと本館”の看護師長をお願いするつもりです。
寮母の仕事は続けたいそうなので、兼任という形で。
時間も今と同じく早上がりで構いません。
それと、サテライトの主任候補を探しておくようにお願いしました。
さらに、2号館やセンターの物流も増えるため、専任の責任者を考えてもらうことにしています。
あれは整理ができないと現場が回らないので、彼女なら適任者を見つけてくれるでしょう」
「なるほど……」
「そしてお二人には、今後の2号館の看護師・助手のリーダー構成をお願いします。
大まかな目星をつけて、10月から密かに訓練を始めてほしい。
11月からは全員で始動します。
ただし、リーダーの正式発表はオープンの2週間前に行います」
二人とも真剣な表情でメモを取っていた。
「あと、清掃体制――お掃除の内容や配置についても細かく詰めてほしいんです。
決定したら山野課長に渡して、必要人員の配置は彼に任せてください。
……やることが山積みですが、大丈夫そうですか?
何か質問ありますか?」
西村「えっと、センターの組織は何か決まっているんですか?」
「ふっ、ごめん。言うのを忘れてたね」
「今は岩城外科医と川瀬産婦人科医が特命でセンターに派遣されています。
そこで優秀な人材を連れて来てくれる予定なんです。
大学病院の准教授を断った外科医、救命医1名、専攻医2名――合計4名です。
責任者は岩城が決めると思いますが、おそらくその外科医を“外科部長”に推薦するんじゃないかと思ってる。
それに、現地に残っている外科医にも優秀な人がいるそうなので、
人選はナースを含めて一任するつもりです」
「はい、わかりました」
宮本「そういえば、事務員が1名採用されたと聞きましたが、センター勤務になるんですね?」
「そうなんですよ。西村さんの“チェック”に見事耐えた人材らしいですからね。
物流やドリンクバーの手入れなども担当してもらう予定です。
これで向こうのナースも、だいぶ楽になると思います」
二人がふふっと笑った。
“チェックに耐えた”という言葉がツボに入ったようだ。
「では、今日はこんなところで。
この話はまだ内緒ですからね、くれぐれもお願いします」
「はい、わかりました」
また二人の声がそろった。
ふっと肩の力が抜ける。
ああ、ようやくここまで来たか。
これで大きな体制の骨格は整った。
――さて、次は広報の出番だな。
三枝君を呼ぼう。
「失礼します。何事でしょうか? なんだかドキドキするんだけど……」
珍しく山科部長が緊張している。
その表情が少し可愛らしくて、思わず頬が緩んだ。
「はい、今日は大事なお話があります。
2号館のオープン2週間前に人事発表を予定していますが、
今日は先に“内示”をお伝えします」
二人の背筋がすっと伸びた。
「まず、山科看護部長はそのまま留任です。
そして――宮本師長には2号館担当のまま、“看護副部長”に昇進してもらおうと思っています」
二人は顔を見合わせて、思わず「ええっ……」と声を上げた。
宮本さんは両手で口を押さえて、目を丸くしていた。
山科「良いと思います。それだけの価値がありますよ。
今の宮本師長は本当に忙しいですからね。
まだ全員のスタッフが決まっていませんし、大人数の調整は大変です」
「ありがとう、そうなんだよね。
まだ人も配置も完全には決まっていない。
だから、リーダーや主任候補については、9月から動いてもらいたいんだ。
もちろん、山科部長にも全面的に協力してもらうつもりです」
「はい、分かりました」
二人が声を揃えてうなずいた。
「それから、西村主任には“サテライトセンターと本館”の看護師長をお願いするつもりです。
寮母の仕事は続けたいそうなので、兼任という形で。
時間も今と同じく早上がりで構いません。
それと、サテライトの主任候補を探しておくようにお願いしました。
さらに、2号館やセンターの物流も増えるため、専任の責任者を考えてもらうことにしています。
あれは整理ができないと現場が回らないので、彼女なら適任者を見つけてくれるでしょう」
「なるほど……」
「そしてお二人には、今後の2号館の看護師・助手のリーダー構成をお願いします。
大まかな目星をつけて、10月から密かに訓練を始めてほしい。
11月からは全員で始動します。
ただし、リーダーの正式発表はオープンの2週間前に行います」
二人とも真剣な表情でメモを取っていた。
「あと、清掃体制――お掃除の内容や配置についても細かく詰めてほしいんです。
決定したら山野課長に渡して、必要人員の配置は彼に任せてください。
……やることが山積みですが、大丈夫そうですか?
何か質問ありますか?」
西村「えっと、センターの組織は何か決まっているんですか?」
「ふっ、ごめん。言うのを忘れてたね」
「今は岩城外科医と川瀬産婦人科医が特命でセンターに派遣されています。
そこで優秀な人材を連れて来てくれる予定なんです。
大学病院の准教授を断った外科医、救命医1名、専攻医2名――合計4名です。
責任者は岩城が決めると思いますが、おそらくその外科医を“外科部長”に推薦するんじゃないかと思ってる。
それに、現地に残っている外科医にも優秀な人がいるそうなので、
人選はナースを含めて一任するつもりです」
「はい、わかりました」
宮本「そういえば、事務員が1名採用されたと聞きましたが、センター勤務になるんですね?」
「そうなんですよ。西村さんの“チェック”に見事耐えた人材らしいですからね。
物流やドリンクバーの手入れなども担当してもらう予定です。
これで向こうのナースも、だいぶ楽になると思います」
二人がふふっと笑った。
“チェックに耐えた”という言葉がツボに入ったようだ。
「では、今日はこんなところで。
この話はまだ内緒ですからね、くれぐれもお願いします」
「はい、わかりました」
また二人の声がそろった。
ふっと肩の力が抜ける。
ああ、ようやくここまで来たか。
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――さて、次は広報の出番だな。
三枝君を呼ぼう。
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