診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第13章 菜の花の新しい風

257話 最大の山場・病室のベッド搬入

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 さて、昨日は夏が俺に張り付いて、寝返りも打てなかった。
身体中がこりこりだ。
ああ~、なんでこうなる。

今日は、2号館8階の技師寮の引っ越しがある。
ここは12室あるから、引っ越しも大変だ。

ところで、三浦先生に“内緒の話”があった。
会いに行くと、忙しそうにしていた。

「実は、サテの西村主任の後の技師寮が1室空いたんだけど、入りませんか?
この間引っ越したばかりだからどうかと思ったんだけど、
これから新生児で目の離せない患者も出てくると思うから、技師寮の方が楽だと思うんだけど、どうかなあ?」

ニヤッと笑った。「いいんですか?」

俺も笑った。「早い者勝ちだから、こっそり言いに来たんだよ」

三浦「では喜んで、お願いします!」

「了解。いつ頃引っ越せる?」

三浦「技師寮の引っ越しが終わったら、すぐ移りますね。よろしくお願いします」

よしよし、これで落ち着いたな。

実は、あそこを狙ってるやつが多くて、俺は何人にも聞かれたんだよね。

とりあえず、サテの部屋を見に行ったら、きれいに掃除がしてあった。
さすがに西村主任だよね。こういうところが、本当に義理堅いんだよ。

西村主任には、インカムで三浦先生が後に入ることを伝えた。

そしてこの日は、すべての技師寮が引っ越しを終了したそうだ。
まあ、先に入った医師寮のメンバーたちが手伝ったからか?
いや、それにしても手回しがいいわ。

じゃあ、三浦先生は明日には来れるかもしれないな。


翌日からは、ベッドの搬入になった。
先に病室の100床だ。

入院用のベッドは重い。だから搬入も部品ごとの搬入になる。
一応、組み立て費込みの価格なので業者にやってもらうんだけど、
その分、梱包の段ボール類はこっちで片付けるので、なるべく早く進めてもらえるようにお願いした。

4階~7階までの4フロアなので、100床を10人のスタッフが来てくれて、1日で組み立ててくれる。

花井部長の計画では、1フロアにつきベッドの片づけなどの担当者は各2名。
その間に、他のスタッフは各階のナースステーションに入れる机や椅子、本棚、デスクトップPCなどをセッティングする。
ステーションの横のキッチンには、冷蔵庫やキッチン用品などをセット。

また、他のスタッフはベンチやテーブルなどのラウンジをセットする。
これを4フロアがそれぞれ担当することになる。

他に、ベッドの搬入が終わったら、1階の耳鼻科と眼科の搬入とセッティングがある。
機械類は業者が入るが、小さい機械などはそれぞれのナース達でやってもらう。

この日は西村主任が終日、この二つの係の担当をしてくれた。
ありがたい。

今日は、できたところで終わり。続きは明日だ。

明日は、IUUや回復室、産婦人科のベッド搬入になる。

今日も疲れた。
しかし、すべて順調に回っている。

そうだ、地下はどうなってるかな?
山野課長の様子を見に行こう。

行くと、頼もしいまでに交通整理——というか、大声で指示を飛ばしまくっていた。

大型トラックが重なると、大声を出してもドライバーには聞こえにくい。
その合間に、中型や小型トラックが入ってくるから、納品受付も二人でやっていて、ものすごく大変そうだった。

しかも、サテや屋上の厨房にも食品が納品されるからね。
ちゃんと現場に届いているかな?
冷蔵庫や冷凍庫に収めないと、腐っちゃうからね。

本館の屋上の厨房は、まだ撤去しない。
ぎりぎりまで三輪さんたちがやるそうだ。

合間を見て山野さんに声をかけた。

「山野さん。お疲れ様です。大変そうですね。問題はないですか?」

「ああ~院長、そうなんですよ。声が届かなくて、勝手にトラックをバックさせて入れようとするからね。
Uターンもなかなか難しいですしね。声がかれてきましたよ」

「大変だね。もうちょっと続くからね。山場はあと4~5日だと思うので、よろしくお願いしますね」

ポケットにあった飴を差し出した。

「えー?」と言ってたが、貰ってくれた。

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