271 / 431
第14章 2号館がオープンへ
269話 もう救急患者の贈り物
しおりを挟む
見学会も終わり、皆でホッとひと息。
昼食の時間ということで、俺も2号館のカフェを覗いてみようと思った——その時だった。
インカムに連絡が入った。
「大学病院から事故の患者で手いっぱいだから、頼む」とのこと。
もう来ちゃったんだって。救急患者が……。
めちゃくちゃタイミングが良いな。
大学病院の院長からの“贈り物”か?
しかし、救命に人手は足りてるのか?
皆、のんびり昼食を食べてるんじゃないか?
すぐ救命に覗きに行った。
……え? いないじゃん。
宮本副部長に「救命科の人に戻るよう館内放送をかけて」と指示した。
館内放送なんて、コードブルーや火災以外では滅多に流さない。
今日くらいだろうな、こんなこと。
しょうがない。急いで手を洗って、俺が治療に当たることにした。
俺だって、昔は救命救急科に2年いたんだよ。
でも、ガウンが見つからない。やばい。
だって、誰もいないんだもん。
そうこうしている間に、本館から小児科の三浦部長がバタバタと駆けつけてくれた。
遅れて、川瀬と岩城も来てくれた。
よし、ゴールデンコンビだ。
患者は年配のご婦人。意識がもうろうとしている。
事故で手や肩、胸も負傷しているようだ。
すぐレントゲン。それに採血も。
服も切らないとダメだな。
そこへ、放射線科の医師や技師が駆けつけてくれた。
ナースも救命医も、「すみませーん!」と走ってきた。
よし、これで体制は整った。
あとは任せよう。
俺はガウンを着ていなかったから、感染リスクがやばい。
「悪いけど、ガウンが分からなかったから、帰宅して着替えてくるよ」
そう言うと、「はーい!」と、みんなで返事してくれた。
すぐ白衣を脱ぎ、外側を内側に丸めてビニール袋へ。
クリーニング用の容器に入れて帰宅した。これは業者が洗ってくれる。
スクラブは家で着替えて、すぐ柄物用の漂白剤を入れて洗濯機で回した。
その後、岩城の執刀で、手術第一号になったらしい。
よし、着替えたら——今度こそ、2号館11階のカフェに行こう。
ようやく到着すると、結構な人気ぶり。
並んでるじゃないか。
何が出るんだろう?
並んでる人に聞いたら、「今日は記念パフェが出るんですよ」とのこと。
ソフトクリームにあんことフルーツも乗っているらしい。
へえ~、いいねえ。俺も食べたいな。
休憩室を覗くと、莉子と詩音ちゃんがお喋りに夢中だった。
「こんにちは。詩音ちゃん、元気ですか?」
「ああ~院長先生、私はこの通りです。オープン、おめでとうございます」
「ふっ、ありがとうね。山本君はどうかな? 元気にしてますか?」
「はい、元気です。なんか、また取材に伺いたいなって言ってましたよ」
「へえ~、なんだろう? 取材することなんてあるかなあ?
まあ、いつでもいいですよと伝えてくださいね」
「はい、伝えておきます。ありがとうございました」
「じゃあ、ごゆっくりね」
莉子にも、小さくバイバイした。
美術雑誌に取り上げるようなことって、あったかな……?
なんだろう……?
昼食の時間ということで、俺も2号館のカフェを覗いてみようと思った——その時だった。
インカムに連絡が入った。
「大学病院から事故の患者で手いっぱいだから、頼む」とのこと。
もう来ちゃったんだって。救急患者が……。
めちゃくちゃタイミングが良いな。
大学病院の院長からの“贈り物”か?
しかし、救命に人手は足りてるのか?
皆、のんびり昼食を食べてるんじゃないか?
すぐ救命に覗きに行った。
……え? いないじゃん。
宮本副部長に「救命科の人に戻るよう館内放送をかけて」と指示した。
館内放送なんて、コードブルーや火災以外では滅多に流さない。
今日くらいだろうな、こんなこと。
しょうがない。急いで手を洗って、俺が治療に当たることにした。
俺だって、昔は救命救急科に2年いたんだよ。
でも、ガウンが見つからない。やばい。
だって、誰もいないんだもん。
そうこうしている間に、本館から小児科の三浦部長がバタバタと駆けつけてくれた。
遅れて、川瀬と岩城も来てくれた。
よし、ゴールデンコンビだ。
患者は年配のご婦人。意識がもうろうとしている。
事故で手や肩、胸も負傷しているようだ。
すぐレントゲン。それに採血も。
服も切らないとダメだな。
そこへ、放射線科の医師や技師が駆けつけてくれた。
ナースも救命医も、「すみませーん!」と走ってきた。
よし、これで体制は整った。
あとは任せよう。
俺はガウンを着ていなかったから、感染リスクがやばい。
「悪いけど、ガウンが分からなかったから、帰宅して着替えてくるよ」
そう言うと、「はーい!」と、みんなで返事してくれた。
すぐ白衣を脱ぎ、外側を内側に丸めてビニール袋へ。
クリーニング用の容器に入れて帰宅した。これは業者が洗ってくれる。
スクラブは家で着替えて、すぐ柄物用の漂白剤を入れて洗濯機で回した。
その後、岩城の執刀で、手術第一号になったらしい。
よし、着替えたら——今度こそ、2号館11階のカフェに行こう。
ようやく到着すると、結構な人気ぶり。
並んでるじゃないか。
何が出るんだろう?
並んでる人に聞いたら、「今日は記念パフェが出るんですよ」とのこと。
ソフトクリームにあんことフルーツも乗っているらしい。
へえ~、いいねえ。俺も食べたいな。
休憩室を覗くと、莉子と詩音ちゃんがお喋りに夢中だった。
「こんにちは。詩音ちゃん、元気ですか?」
「ああ~院長先生、私はこの通りです。オープン、おめでとうございます」
「ふっ、ありがとうね。山本君はどうかな? 元気にしてますか?」
「はい、元気です。なんか、また取材に伺いたいなって言ってましたよ」
「へえ~、なんだろう? 取材することなんてあるかなあ?
まあ、いつでもいいですよと伝えてくださいね」
「はい、伝えておきます。ありがとうございました」
「じゃあ、ごゆっくりね」
莉子にも、小さくバイバイした。
美術雑誌に取り上げるようなことって、あったかな……?
なんだろう……?
4
あなたにおすすめの小説
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
月弥総合病院
僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる