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第14章 2号館がオープンへ
271話 山本君の爆弾・2
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山本「……あのう、実はもっと提案があるのですが。もしヒンシュクだったら、怒らないでいただけますか?」
夏「何ですか? 先輩、はっきり言ってくださいよ」
山本「もちろん、莉子さんにも夏さんのリトグラフをたくさん描いていただいて、特集が組めるくらいになれば、またそれを取材させていただきたいです。
それをインスタに出したり、廊下に展示したりしても良いと思うんです。
これだけで、院長と夏さんで2回分の取材になりますからね」
また、みんながくすくすと笑った。
桐生「いやあ~、もうこっちが勉強になりますよ。なんだか今まで、ぼーっとしていたような気がします。
理事の絵ができたら、絵ハガキを作ってサイトで販売しましょうよ。もちろん、莉子さんのリトグラフもね」
莉子「わ~、大変。そんなにいっぱい描けるかなあ?
春ちゃんのだけは結構描いてるんだけど、全部顔だけなのよね。
今度はいろんな写真を撮りまくって、もっと普段の顔も出してみようかな」
山本「それが良いと思いますよ。
あと、最後になるんですが……ちょっとこれは言っていいのかどうか……。
オープンしたばかりですし……」
院長「いいよ。別に怒らないから、言ってみて」
山本「2号館の正面の壁面に、莉子さんが壁画を描いたらどうかなと思ったんです。
もちろん、その過程を取材させていただきたいのですが‥‥‥」
え、壁画?
シーンとしてしまった。
お互いに顔を見合わせるばかりで、何と言っていいか分からない。
新築だし……その壁に「壁画」?
考えたこともなかった。
みんな、驚きすぎて言葉が出ない。
そこへ、いきなり興奮した人がいた。
莉子「やるー! 絶対壁画をやるー!」
莉子「だって、考えたこともなかったけど、いつも人のを見て“カッコいいなあ”って思ってたんだよね。
でも社長が何て言うかなあ……建物が建ったばかりだからねえ……。それは聞いてみないといけないもんね」
桐生「そうですね。でも、いいような気もしますよ」
村瀬「僕も、それは素晴らしいと思います」
夏「いいかもしれない。
だって、この辺でビルに壁画があるところって、ないよね?
どこか知ってる?」
みんな、首をひねった。
「俺も聞いたことがないよ。
だけど、描くのはいいとして……大変すぎないか? 体力的にさ」
莉子「それだけは自信がないよ。でも、倒れたらすぐ見つけてくれるでしょう?」
「莉子、足場を作って、布をかぶせて隠して描くんだから、
倒れても誰も気づかないよ」
莉子「ええ?……」
桐生「壁画って、どれくらいの期間でできるものなんですか?
あと、1人で描くものなんですか?
莉子さんがデザインして、手分けして描いてもらったらダメなんですか?」
山本「その辺は、まだ分からないです。すみません。
描くこと自体、どんな材料で描くのかも不明ですし、外壁との兼ね合いもあると思うので、それは専門家の方に聞いていただければと。
あと、手分けするのはOKだと思います。よく数人で描いているのを見かけたことがありますよ」
夏「はい、分かりました。莉子、本当にやりたいの?」
莉子「うん。やる!
私のライフワークとして残したいの。
10年くらいでも保てばいい。
外壁を塗り直すなら、今度は別の絵を描きたいもん。
壁画なら、通る人みんなに見てもらえるもんね!」
期待感でいっぱいらしく、笑顔がこぼれている。
かわいいけどね。
村瀬さんが携帯で調べていた。
村瀬「あー、待ってください。壁画のプロ集団がいますよ。
専門に請け負っているようです。
デザインができたら、そこに相談してみてはどうでしょうか?
莉子さんが描きたい気持ちは分かりますが、3階の高さの足場に乗って描くなんて、こっちが怖くてしょうがないです。落ちたらと思うと、恐ろしすぎます。
だって、莉子さんには元気でいていただかないと、今の商売だって続かないですよ」
ぷっと、みんな笑った。
その通りだよ。
「そうだよ、莉子。怖すぎて、こっちの心臓が持たないよ。
デザインだけにしたって、同じものができるなら、プロに任せてほしいよ」
莉子「ええ?‥‥‥」
頬を膨らませて、憮然としている。
ああ~もうダメだ。
莉子は走り出してしまった。
こうなったら、誰にも止められないよ。
夏「何ですか? 先輩、はっきり言ってくださいよ」
山本「もちろん、莉子さんにも夏さんのリトグラフをたくさん描いていただいて、特集が組めるくらいになれば、またそれを取材させていただきたいです。
それをインスタに出したり、廊下に展示したりしても良いと思うんです。
これだけで、院長と夏さんで2回分の取材になりますからね」
また、みんながくすくすと笑った。
桐生「いやあ~、もうこっちが勉強になりますよ。なんだか今まで、ぼーっとしていたような気がします。
理事の絵ができたら、絵ハガキを作ってサイトで販売しましょうよ。もちろん、莉子さんのリトグラフもね」
莉子「わ~、大変。そんなにいっぱい描けるかなあ?
春ちゃんのだけは結構描いてるんだけど、全部顔だけなのよね。
今度はいろんな写真を撮りまくって、もっと普段の顔も出してみようかな」
山本「それが良いと思いますよ。
あと、最後になるんですが……ちょっとこれは言っていいのかどうか……。
オープンしたばかりですし……」
院長「いいよ。別に怒らないから、言ってみて」
山本「2号館の正面の壁面に、莉子さんが壁画を描いたらどうかなと思ったんです。
もちろん、その過程を取材させていただきたいのですが‥‥‥」
え、壁画?
シーンとしてしまった。
お互いに顔を見合わせるばかりで、何と言っていいか分からない。
新築だし……その壁に「壁画」?
考えたこともなかった。
みんな、驚きすぎて言葉が出ない。
そこへ、いきなり興奮した人がいた。
莉子「やるー! 絶対壁画をやるー!」
莉子「だって、考えたこともなかったけど、いつも人のを見て“カッコいいなあ”って思ってたんだよね。
でも社長が何て言うかなあ……建物が建ったばかりだからねえ……。それは聞いてみないといけないもんね」
桐生「そうですね。でも、いいような気もしますよ」
村瀬「僕も、それは素晴らしいと思います」
夏「いいかもしれない。
だって、この辺でビルに壁画があるところって、ないよね?
どこか知ってる?」
みんな、首をひねった。
「俺も聞いたことがないよ。
だけど、描くのはいいとして……大変すぎないか? 体力的にさ」
莉子「それだけは自信がないよ。でも、倒れたらすぐ見つけてくれるでしょう?」
「莉子、足場を作って、布をかぶせて隠して描くんだから、
倒れても誰も気づかないよ」
莉子「ええ?……」
桐生「壁画って、どれくらいの期間でできるものなんですか?
あと、1人で描くものなんですか?
莉子さんがデザインして、手分けして描いてもらったらダメなんですか?」
山本「その辺は、まだ分からないです。すみません。
描くこと自体、どんな材料で描くのかも不明ですし、外壁との兼ね合いもあると思うので、それは専門家の方に聞いていただければと。
あと、手分けするのはOKだと思います。よく数人で描いているのを見かけたことがありますよ」
夏「はい、分かりました。莉子、本当にやりたいの?」
莉子「うん。やる!
私のライフワークとして残したいの。
10年くらいでも保てばいい。
外壁を塗り直すなら、今度は別の絵を描きたいもん。
壁画なら、通る人みんなに見てもらえるもんね!」
期待感でいっぱいらしく、笑顔がこぼれている。
かわいいけどね。
村瀬さんが携帯で調べていた。
村瀬「あー、待ってください。壁画のプロ集団がいますよ。
専門に請け負っているようです。
デザインができたら、そこに相談してみてはどうでしょうか?
莉子さんが描きたい気持ちは分かりますが、3階の高さの足場に乗って描くなんて、こっちが怖くてしょうがないです。落ちたらと思うと、恐ろしすぎます。
だって、莉子さんには元気でいていただかないと、今の商売だって続かないですよ」
ぷっと、みんな笑った。
その通りだよ。
「そうだよ、莉子。怖すぎて、こっちの心臓が持たないよ。
デザインだけにしたって、同じものができるなら、プロに任せてほしいよ」
莉子「ええ?‥‥‥」
頬を膨らませて、憮然としている。
ああ~もうダメだ。
莉子は走り出してしまった。
こうなったら、誰にも止められないよ。
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