診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第14章 2号館がオープンへ

275話 撮影隊・カフェにて

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 土曜の仕事を早めに終えて、みんなで着替えて、エリナさんにメイクとヘアスタイリングもしてもらった。

今日は桃香も学校を休ませて、みんなで撮影準備だ。

カフェでは、みんなが準備してくれているはず。
岩城も有休を取って、カフェのセッティングに入っているらしい。

まあ、こっちは“団体様御一行”だから、昼食もカフェで取れるしね。

「ビュッフェにしてほしい」と言われた。
はは~ん、また料理を並べてご披露したいんだな。

でも、カメラマンがそこを撮るかどうかは分からない。

面白いのは、菜の花の広報・神崎さんや村瀬さんも、写真や動画をずっと撮っていること。
いろんな角度から撮って、あとで編集するそうだ。

もちろん、これは菜の花タイムズ用と、インスタや夏のオフィシャルサイト向け。
夏もデビューしてから、自分のインスタを立ち上げた。
村瀬さんは莉子のインスタにもUPしてくれるとのこと。


雑誌社の山本君も、ずっと一緒にいて写真を撮りまくっている。
こっちは雑誌に載せる番外編や、写真集の最後に出す“おまけショット集”にするそうだ。

さて、シャトルバスでカフェに到着。
中に入ると、満面の笑みで中村家総出の出迎えを受けた。

ビュッフェというだけあって、たくさんの料理が並んでいた。

「いいのか? これが写真集に出ると、いつもやってると思われないか?」と中村に聞くと——

中村「いいんだよ。撮影用って言えばいいんだもん。
リクエストもらえれば、すぐ作れるしさ。問題ないよ」

莉子と桃香は、サーモンピンクのセーターがお揃い。
桃香の髪には、タータンチェックのリボンが編み込まれていて、思いっきり可愛くなっていた。
莉子は同じリボンでヘアバンドにしていて、これもまた可愛い。

まあ、主役は夏なんだけどね。
俺も夏も、エリナさんのコーディネートで、オフホワイトや生成り、茶系の組み合わせ。

カフェは貸し切り。
中央が大きく空けてあって、カメラマンの邪魔にならないような配置になっていた。

俺は隅っこの椅子に座って、眺めていた。
最初は夏を撮っていたけど、今度は「皆さんも一緒に入ってほしい」とアシスタントの人に言われた。

莉子と桃香は張り切って、にこーっと笑って出て行った。
俺は……どうすればいいんだよ?

「皆さん、料理を選んで取ってもらえますか?
選びながら会話があるといいんですけど」

夏が「桃、どれがいいかな? おにいが取ってあげるよ」と言うと——

「えっ?」という顔を桃香がした。
自分で取りたかったんだよね。笑う。

そしたら、「あれとこれと、あっちもこっちも」と指さしてて、結局全部なんだよ。

おかしくて俺は笑っていた。
そしたら今度は、俺を撮っていたみたい。

莉子だって、ヘラヘラ笑ってたさ。

カウンターの中から、中村一家が面白そうにこっちを見ていた。
サービスは、中村と岩城、友谷涼君、そして洋子さん。

これさあ、患者さんはボーイ姿の岩城を見てどう思うんだろうねえ。
天才外科医のはずなのに、ここでアルバイトしてると思われないか?
ちょっとそれが心配だった。まあ、人のことはいいか。

今度は、料理を持ってテラス席で食べるシーン。
もちろん、花の美しい花壇をバックに撮るんだよね。

夏の横は桃香。
食べる姿も、とびっきり可愛い。

もう夏は要らない。桃香だけを撮ってほしい。

みんなで美味しく食べて、この撮影は終了。

その後は、スタッフ一同でにぎやかに食事を取らせてもらった。

カメラマンの吉澤さんが「ここの料理はうまいねえ~」と感心すると、
友谷君が「僕が作ったんですけど、うれしいです」と答えていた。

う~ん、大成功じゃない?

でも、ここは全部夏の音楽事務所が払うんだよね。

悪いね。でも“ゴチ”だと思うと、一層おいしいよ。


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