306 / 363
第16章 光 ― スポットライトの向こうへ
304話 力尽きて
しおりを挟む
すべてを片付け、ホールを出たのは22時ぎりぎりだった。
「急げ急げ!」と、皆で大合唱しながら撤収作業を終えた。
物販をまだ見たがっていたファンもいたが、
「あとはネット販売をご利用ください」とお願いして、レジを清算したそうだ。
──もう、それはしょうがないよね。
メグちゃんの言う通り、公演前からネット販売を始めておいて本当によかった。
大したもんだよ。何かあげたいけど、みんなの羨望の眼差しが怖いからやめた。
そうだ、後日お菓子でも差し入れしよう。
アニメプラスと音楽事務所には百貨店で化粧箱入り菓子。
メグちゃんと、アニメプラスの女性スタッフと、かなピンにはRIKOのかわいい赤い缶入り焼き菓子。
それから舞台に出てくれた出演者全員。
こっちはアニメプラスと同じ百貨店の化粧箱入り菓子。
エリナさんには花束と、RIKOの赤い缶入り菓子
アシスタントの分と連れてきてくれた美容師さん3人分も皆赤い缶だ。
それに整体師の方にも赤い缶
物販を手伝ってくれた病院スタッフ16人と事務スタッフ3人は、
休日出勤手当てと時間外手当が付く。
それはそれとして、一人一人に引き出しに入れてあげられるように平たい菓子と夏のA4ファイルがプレゼントだ。
翌日、莉子にも手伝ってもらって、発送する分は終わり、百貨店の分は持ち帰って来た。
──で、肝心の夏はというと。
昨夜、俺に抱きついたまま、バタンと寝落ちしてしまった。
まあいい。ゆっくり寝てくれ。
買い物から帰ってきても、まだ夏は眠っていた。
24時間寝てもおかしくない疲労だろう。
とりあえず桐生さんに連絡した。
「夏が起きれそうにない」と伝えると、
「2、3日休んでもらってください。こちらは大丈夫です」との返事。
お言葉に甘えることにした。
夜になって、夕飯に起こそうと様子を見に行った。
──ん? なんかおかしい。顔が赤い。
すぐに診療カバンを出して熱を測る。
38.6度。……はぁ……またやってくれたな。
眠ったままで、トイレに行ったのかどうかも分からない。
「夏、水を飲むか?」と声をかけながら肩を叩いても、反応がない。
眉を寄せて、口が半開きのまま、呼吸が少し浅い。
頭を少し起こして、口移しで水を3回飲ませた。
それは飲めたから、まだよかった。
──ああ、もうしょうがないなあ‥‥‥。
すぐに点滴と留置カテーテルを入れた。
まったく、すぐこれだよ。もう……。
桐生さんに事情を説明し、とりあえず1週間休ませてもらうことになった。
きっとダンサーたちも驚いてるだろうな。
「えー、あれくらいで?」とか言いそうだ。
たぶん、ダンストレーナーも同じ反応だろう。
だって、みんな終演後もケロッとしてて、
高揚してるのか、大はしゃぎだったからな。
──こんなんで、地方ツアーなんて絶対無理だろ。
どうすんだよ、これからさ。
……VOXIVE(ヴォクシヴ)のメンバーにならなくて、正解だったよ。
「急げ急げ!」と、皆で大合唱しながら撤収作業を終えた。
物販をまだ見たがっていたファンもいたが、
「あとはネット販売をご利用ください」とお願いして、レジを清算したそうだ。
──もう、それはしょうがないよね。
メグちゃんの言う通り、公演前からネット販売を始めておいて本当によかった。
大したもんだよ。何かあげたいけど、みんなの羨望の眼差しが怖いからやめた。
そうだ、後日お菓子でも差し入れしよう。
アニメプラスと音楽事務所には百貨店で化粧箱入り菓子。
メグちゃんと、アニメプラスの女性スタッフと、かなピンにはRIKOのかわいい赤い缶入り焼き菓子。
それから舞台に出てくれた出演者全員。
こっちはアニメプラスと同じ百貨店の化粧箱入り菓子。
エリナさんには花束と、RIKOの赤い缶入り菓子
アシスタントの分と連れてきてくれた美容師さん3人分も皆赤い缶だ。
それに整体師の方にも赤い缶
物販を手伝ってくれた病院スタッフ16人と事務スタッフ3人は、
休日出勤手当てと時間外手当が付く。
それはそれとして、一人一人に引き出しに入れてあげられるように平たい菓子と夏のA4ファイルがプレゼントだ。
翌日、莉子にも手伝ってもらって、発送する分は終わり、百貨店の分は持ち帰って来た。
──で、肝心の夏はというと。
昨夜、俺に抱きついたまま、バタンと寝落ちしてしまった。
まあいい。ゆっくり寝てくれ。
買い物から帰ってきても、まだ夏は眠っていた。
24時間寝てもおかしくない疲労だろう。
とりあえず桐生さんに連絡した。
「夏が起きれそうにない」と伝えると、
「2、3日休んでもらってください。こちらは大丈夫です」との返事。
お言葉に甘えることにした。
夜になって、夕飯に起こそうと様子を見に行った。
──ん? なんかおかしい。顔が赤い。
すぐに診療カバンを出して熱を測る。
38.6度。……はぁ……またやってくれたな。
眠ったままで、トイレに行ったのかどうかも分からない。
「夏、水を飲むか?」と声をかけながら肩を叩いても、反応がない。
眉を寄せて、口が半開きのまま、呼吸が少し浅い。
頭を少し起こして、口移しで水を3回飲ませた。
それは飲めたから、まだよかった。
──ああ、もうしょうがないなあ‥‥‥。
すぐに点滴と留置カテーテルを入れた。
まったく、すぐこれだよ。もう……。
桐生さんに事情を説明し、とりあえず1週間休ませてもらうことになった。
きっとダンサーたちも驚いてるだろうな。
「えー、あれくらいで?」とか言いそうだ。
たぶん、ダンストレーナーも同じ反応だろう。
だって、みんな終演後もケロッとしてて、
高揚してるのか、大はしゃぎだったからな。
──こんなんで、地方ツアーなんて絶対無理だろ。
どうすんだよ、これからさ。
……VOXIVE(ヴォクシヴ)のメンバーにならなくて、正解だったよ。
4
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
女性が少ない世界でVTuberやります!
dekoma26+ブル
恋愛
ある日朝起きてキッチンに行くとそこには知らない男性たちが! …え、お父さん⁉
なぜか突然女性の少ない世界に来てしまった少女がVTuberをしたり、学校に通ったりするお話。
※初日一気に4話投稿してから恋愛大賞エントリーしたため文字数5万これから(´;ω;`)みんなも参加するときは注意してね!
※忘れてなければ毎週火曜・金曜日の夜に投稿予定。作者ブル
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり
もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。
そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う
これが桂木廉也との出会いである。
廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。
みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。
以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。
二人の恋の行方は……
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる