診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第19章 アニメと新しい世界へ

387話 プロジェクションマッピング

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 翌日、レオさんから「機械を借りて来たので、ホログラムの映像が見られますよ」と連絡があった。
これは見ないといけない。

事務所のスタッフも総出でやって来た。もちろんヴォクシブもだ。
場所は4階の音楽スタジオ。

レオ「これが借りてきたホログラムの機械です。例えばですが、これを舞台で何台か使えば、いきなり出現したり、消えたり、とんでもない動物なども出すことができます。魔法で変身する場面にも使えます。ですから物語に合わせて使えばいいと思います」

窓のカーテンを閉めて部屋を暗くした。
扇風機のような4本の細い棒が回った。

そこに色鮮やかな立体的な映像が現われた。
いろんな熱帯魚のようなかわいい魚が、目の前で水中のようにぐるぐる泳いで回った。

「うわ~」と歓声が上がった。

レオ「今は熱帯魚ですが、今度は映像で魔法使いを出して、実際には後ろから魔法使い本人が舞台に出て来るとか、逆に煙のように消えることもできます。もちろん変身も可能です。だからファンタジーな物語が演出できるわけです」

皆「へえ~」と感心していた。

レオ「今のはホログラムですが、あとは3000人でも2000人でもいいのですが、ホール全体にプロジェクションマッピングという映像で見せることができます。プロジェクターの大物だと思ってください。

例えば、観客の頭上を巨大なクジラが泳いでいく映像が見られます。
これで観客は前だけでなく、左右や天井まで映像に包まれ、立体的に手で触れるような感覚になるんです。

ただ、このプロジェクターはホールの大きさによって4台~6台くらい必要で、費用がすごくかかります。その辺の判断は理事にお任せになりますが……」

理事「高いなら、余計にこちらの付加価値が高まりますよね?ずっと続けるなら買った方がいいでしょうね」

ほら、夏が良いことを言った。いいねえ~。
普通では言えないよ、こんなことは。

事務所のスタッフも皆ニヤニヤ笑っていた。
全く夏が言うとすぐ実現しちゃうから、お金の心配をしないでいいって、本当に良いよねえ!

あとで聞いたら、大きなホールで使うなら5000万以上するらしい。もう笑う。
それだとコンサートの利益じゃ足りないんじゃないの?それはどうなるんだろう?

とりあえずすべての説明が終わった。

桐生「では何か質問がありますか?」

バンドのドラムの子が手を挙げた。

ジョージ「あのう、ちょっと聞きにくいんですが、舞台って毎日のようにやるんですよね?もし具合が悪くて休みたい時なんかはどうなるんですか?これは他の出演者にも言えると思うんですけど」

桐生「そうですね。他の舞台公演などを見ると、必ずダブルキャストになっていますね。リスク分散です。うちも考えようと思います。誰かが欠けても何とかなるようにしますので安心してください」

レオ「事前に歌う人をホログラムで再現できるようにすれば、本人がいなくても何とかなります。ドラムについては録音でカバーしますよ」

桐生「そうですね。それは別に検討しましょう。すぐには答えが出せないですから」

その後は何人か質疑応答があって終了となった。

事務所に戻って再度会議になった。

芹沢「ええっと、話はそっちで決めてもらえますか?会場を一刻も早く確保したいんですけど抜けて良いですか?」

桐生「はい。いいです、お願いします。神崎さんもお願いします」
神崎「了解」


桐生「ダブルキャストの件は、まだ物語やキャラクターが決まっていないので、今の段階では決めにくいんですよね」

莉子「物語は木内さんの詩の世界をやりたいんです。やさしくて温かい。ほのぼのとした世界です。夢があってファンタジーで、ちょっと困難があっても乗り越えていく、感動の物語にしたいんです」

芹沢「あのう、それは出来ますね。ただ小さな困難から大きな困難までいろいろあれば、主人公の活躍で切り返しや奇跡の逆転などがあると、最後のハッピーエンドの感動がより大きくなると思います。観客もドキドキする展開ですね。脚色を加えればいくらでも話は広がると思います」

夏「よし、莉子、ストーリーを考え直そう。最初と最後が木内さんの世界になればいいんだもんね。アニメってもっといろんな展開が出来るからさ、もっと練り直そうよ」

莉子「うん、わかった」

桐生「そうですね、そこは大体のストーリーが出来たら、一つずつ検討しましょう」

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