医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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47話 学園祭本番(莉子サイド)

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うわ~いよいよ11時頃になるよ~。
さっき春ちゃんからメールが届いていて、着いたって連絡だった。
私はわくわくして到着を待っていた。もちろん詩音ちゃんもね。

あとねえ~......なんというか、なぜか学生の女の子ばかりが20人以上来ているんだよね。
そんなに絵画を見に来てくれたの??
もしかして木下裕司君のファンなのかなあ?

そしたら詩音ちゃんが私の袖を引っ張って、隅の方に連れて行った。

莉子、ごめんね!! 実は莉子のお兄さんはいつ来るのって?
先輩たちにうるさく聞かれて教えちゃったんだ。なんだかあの人たちの推しになっているらしいよ。

ほんと!ごめん!と手を合わせていた。ぷっと笑った。見るのは自由だから全然かまわないよ。
いや~しかし、春ちゃんがこれを知ったらどうなるのかなあ?? 見物だ。

そこへ、真打が登場しました!! きゃ~と女の子たちが一斉に春ちゃんに見とれている。

私はお父さんもお母さんもすごく元気そうねと手を取り合って再会を喜んだ。
春ちゃんもニコニコしていた。春ちゃん、全然周りのそれに気が付いていないよね?(笑)

相変わらず春ちゃんは背も高いし、あのイケメンにスタイル抜群。
おまけにさりげない恰好をしているのにモデルみたいに様になっているし~ずるいなあ。

さあさ、莉子の絵はどこかなあ??と春ちゃんが聞いてきた。

じゃ~ん、ここでーす!!
「ほう~なかなかうまく描けているじゃないか?」とお父さんとお母さんが言ってくれた。
春ちゃんはどうなのかしら? と目をやると、ウィンクでごまかしている。

今褒めないとあとでお仕置きするよ!と私は春ちゃんの耳元でささやいた。ふん。
春ちゃんは「うれしいなあ~」とか言っていた。全く、軽く無視されてるな。

タイトルは「私のお兄ちゃん」 ふふふ、まあ自慢もこれくらいにとどめておきました。

両親と春ちゃんがじーっと絵のそばによってニコニコしながら眺めていた。
その後ろには、すでに連絡を受けたらしい、推しのファンたちがもう30人くらい押し寄せていた。
ウソでしょう?? 

春ちゃんは、まさか自分目当ての人達だってまだ気が付いていないみたい。
ただ、混んでるだけだと思っているのかも。全く......。油断も隙もないわ。

はあ......「私のダンナ様」のタイトルにしなくて良かったよ。ぶん殴られるとこだったわ。

詩音ちゃんの話だと、この前私が大学で倒れた時に、
私をお姫様抱っこして構内を歩くお兄ちゃんに皆一目惚れしたらしいのよね。

私は気絶していたから知らないけどね。私カッコ悪いわ。

でもこれから春ちゃんに悪い虫がつかないように見張っていないと駄目ね。

そんなことを思っていたら、部長にちょっと来いよって呼ばれて、また隅に行ったら、
なんと、誰かがお兄ちゃんを撮影して「学園祭の私の推し」なんて書いて、
大学の学園祭の掲示板に貼っちゃったらしいのよね。

部長が、「これ莉子のお兄さんじゃないの?」と言って掲示板を見せてくれたんだけど、
やや遠めだけど、どう見ても超カッコいい人が写っているわ。

うわ~もう知らないよ。
どうせ学園祭は明日で終わるから自然消滅するし、聞かなかったことにするわ。

ところで、私はお母さん達と一緒に食べ物を売っている屋台に行くことにした。
お昼を焼きそば食べようかなあ?それともクレープが良いかなあ?なんて
言いながら歩いていた。

そしたら、なんとなく、お兄ちゃんを遠巻きにして眺めて来る女性たちがいるんだよね。
それも歩いていくと結構ついてくるんだよね。

春ちゃん、なんだか沢山の女性達に見られているみたいよと言うと、
そうかあ??と、鈍いんだよね。

それとも普段から見られていることに慣れているの??
大学病院でもそうなのかなあ? ふう、結構人に見られるのって疲れるね。

結局夕方に終わってから連絡して迎えに来てもらい、みんなで夕飯を食べに行った。

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