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206話 夏輝サイド・目覚めたら抱きしめたい・1
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お兄さんの美しい瞳を見て俺はしびれたよ。透き通るような美しさだった。そして確実に俺を見ていてくれたんだ。だけど、あれからまた眠ってしまったんだ。
先生の話では、また目覚めるだろうと言ってくれた。ちゃんと覚醒するまではそういう繰り返しをするんだって。
でも生きているってことだもんね? もう死ぬ心配はいらないんだよね?
俺の心配はそこだけだ。莉子は部屋に帰っても泣いていた。車椅子からおろして俺は莉子を抱きしめた。まだ泣いていたけど、良かったね!と言ってぎゅっと抱きしめたよ。
でもそろそろベッドに戻さないとだめだね。そっと身体を横にしてあげた。そして手を握り合って喜んだんだよ。
そして莉子はお父さんに電話した。春ちゃんが目を開けたけど、また眠ったと伝えたんだ。お父さんもすごく喜んでいたって。本当に良かったよ。うれしいだろうなあ。
遠くに離れていても仕事をしなければならないのも辛いと思うんだ。あのお父さんはそれにじっと耐えているんだなあ。さすがにお兄さんのお父さんだけはあるよね。似ているのかな?
あと、誰に言おう? そうだ、守る会の共通メールで流そう。俺はすぐ流した。すると、次々に喜びの返信が来た。もちろん莉子にも同じメールが届いている。はあ~良かったねえ。本当に良かった。
でもそろそろ面会の時間が終わる。莉子にそう言うと、また俺の方に両手を差し出したから、その手を取って抱きしめたんだ。ふっ、もうきりがないね。ずっとそのままでいたかったよ。
また明日来るからねと言って頬にキスをした……? えっ? なに? 俺は今なにをしたんだ……。
でも莉子は嫌がっていなかったし、驚いてもいなかったよね?
だってさっきはぎゅっと抱きしめたんだから。頬にキスをしても大して変わりはないよね?
でもなぜか自分で動揺している。
もう考えない。やってしまったものはもう取り返しがつかない。第一後悔はしていない。ドキドキしているだけだ。
俺は病院を出た。また明日いくよ。また身体を拭いてあげるんだ。それが楽しみだ。
莉子は色白で肌がピンク色なんだ。細いのにふっくらとしていて肌がきれいですべすべなんだ。
いくらさわっても愛らしくて飽きるなんてことはないんだ。お兄さんはいいなあ。
今日も洗濯物がいっぱいだ。最近はマンションに帰らないで、ランドリーで洗濯して一気に乾燥させている。
やっぱり早い。一度に沢山出来るから家庭用とは効率が違う。それに待っている間に勉強が出来るからちょうどいいんだ。案外集中できるよ。
マンションの生鮮品は全部片づけた。あとはドリンクや調味料くらいしかない。ストックも全部賞味期限をチェックしたんだ。
俺が行く時は台所が汚れないように、コンビニでおにぎりやお弁当を買っていくんだ。
ゴミも完全にマンションのごみ捨て場に持っていく。部屋に臭いが残らないようにしているんだ。俺の荷物も自宅に全部持ち帰った。
部屋はきれいに片付いてはいるけど、がらんとしている。人が住んでいないってこんな感じになるんだね。
なんだかお兄さんにすごく会いたい。今無性に人肌が恋しいよ。
ものすごく抱いて欲しい。抱きしめたい。どっちでもいいから人肌が恋しいよ。
さみしい。お兄さんがそばにいてくれたらいいのに。
そう思いながら、ベッドの横で膝を抱えて座り込んでいた。
先生の話では、また目覚めるだろうと言ってくれた。ちゃんと覚醒するまではそういう繰り返しをするんだって。
でも生きているってことだもんね? もう死ぬ心配はいらないんだよね?
俺の心配はそこだけだ。莉子は部屋に帰っても泣いていた。車椅子からおろして俺は莉子を抱きしめた。まだ泣いていたけど、良かったね!と言ってぎゅっと抱きしめたよ。
でもそろそろベッドに戻さないとだめだね。そっと身体を横にしてあげた。そして手を握り合って喜んだんだよ。
そして莉子はお父さんに電話した。春ちゃんが目を開けたけど、また眠ったと伝えたんだ。お父さんもすごく喜んでいたって。本当に良かったよ。うれしいだろうなあ。
遠くに離れていても仕事をしなければならないのも辛いと思うんだ。あのお父さんはそれにじっと耐えているんだなあ。さすがにお兄さんのお父さんだけはあるよね。似ているのかな?
あと、誰に言おう? そうだ、守る会の共通メールで流そう。俺はすぐ流した。すると、次々に喜びの返信が来た。もちろん莉子にも同じメールが届いている。はあ~良かったねえ。本当に良かった。
でもそろそろ面会の時間が終わる。莉子にそう言うと、また俺の方に両手を差し出したから、その手を取って抱きしめたんだ。ふっ、もうきりがないね。ずっとそのままでいたかったよ。
また明日来るからねと言って頬にキスをした……? えっ? なに? 俺は今なにをしたんだ……。
でも莉子は嫌がっていなかったし、驚いてもいなかったよね?
だってさっきはぎゅっと抱きしめたんだから。頬にキスをしても大して変わりはないよね?
でもなぜか自分で動揺している。
もう考えない。やってしまったものはもう取り返しがつかない。第一後悔はしていない。ドキドキしているだけだ。
俺は病院を出た。また明日いくよ。また身体を拭いてあげるんだ。それが楽しみだ。
莉子は色白で肌がピンク色なんだ。細いのにふっくらとしていて肌がきれいですべすべなんだ。
いくらさわっても愛らしくて飽きるなんてことはないんだ。お兄さんはいいなあ。
今日も洗濯物がいっぱいだ。最近はマンションに帰らないで、ランドリーで洗濯して一気に乾燥させている。
やっぱり早い。一度に沢山出来るから家庭用とは効率が違う。それに待っている間に勉強が出来るからちょうどいいんだ。案外集中できるよ。
マンションの生鮮品は全部片づけた。あとはドリンクや調味料くらいしかない。ストックも全部賞味期限をチェックしたんだ。
俺が行く時は台所が汚れないように、コンビニでおにぎりやお弁当を買っていくんだ。
ゴミも完全にマンションのごみ捨て場に持っていく。部屋に臭いが残らないようにしているんだ。俺の荷物も自宅に全部持ち帰った。
部屋はきれいに片付いてはいるけど、がらんとしている。人が住んでいないってこんな感じになるんだね。
なんだかお兄さんにすごく会いたい。今無性に人肌が恋しいよ。
ものすごく抱いて欲しい。抱きしめたい。どっちでもいいから人肌が恋しいよ。
さみしい。お兄さんがそばにいてくれたらいいのに。
そう思いながら、ベッドの横で膝を抱えて座り込んでいた。
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