医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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286話 カフェにて・1

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 土曜日、夏が実家に行って、桃香を引き取りに行ってくれた。
あちらも最初は一か月だけお願いしたつもりだったから、そろそろご遠慮しようと莉子と一緒に挨拶に行ったんだ。

そしたらそれは寂しいから、せめて月に2回は預からせて欲しいと言われた。うわ~、うれしいお申し出だ。

遠慮なくお願いすることにした。ありがたいねえ。

こんなに桃香をかわいがってくださる大人がいるのは本当にうれしいことだ。

帰りに、みんなでカフェに寄ってパンを買おうと寄った。

すると、偶然にも岩城と洋子さんが中村と喋っていた。

俺たちが3人揃っているのを見て、いつものように、おいでおいでと呼ばれた。

岩城にまた何を言われるのか?俺はあまり気が進まないが、しょうがない。

ニヤニヤして行くと、桃香の顔を見たいんだって。

夏が抱いていたんだけど、俺が桃香を抱いて席に行った。

夏と莉子は皆に挨拶をした。二人は先にパンを買ってくると言って席を外した。

「お久しぶりです。洋子さんも中村も変わりないですか?」と俺が聞くと、

岩城が「川瀬から聞いたよ。莉子ちゃんは産後うつになったんだってね。大丈夫か?」

洋子さんも「私達も心配をしていましたよ」

中村が「ここんとこずっと顔を見ていなかったから、外出できないくらい具合が悪いのかと思っていたよ」

俺は、大学の絵画部メンバーの力を借りて、週に2回通っていること。

俺が大学に送迎しているんだけど、帰りは<莉子を守る会>のメンバーが送ってくれることや、夏の実家のご両親が土曜日に預かってくれていること。

ベビーシッターさんが9時から5時まで自宅で預かってくれたことで、随分、気分転換が出来たこと。

それと薬の効果が出てきて、本人も気分が随分楽になってきたことも言った。

多くの人の力を借りることが出来て感謝していると言ったんだ。

すると、3人ともへえ~すごいなあ~と感心していた。

中村が「よくそんなに助けてくれる人が集まったなあ~。やっぱりさすがに北原だよ。全く……」というから、

「なんだよ~それ」と言って笑った。
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