医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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287話 カフェにて・2

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「やっぱり俺の責任が一番大きいと思っているんだ。莉子に何か月も心理的負担を掛け過ぎたことが原因だと思っている。なんといっても俺の意識不明が40日間もあったし、その間に切迫流産で莉子も絶対安静だった。すごく孤独だったと思うし、不安で辛かったと思うんだよね」

「結局そういうのがずっと溜まっていたと思うんだ。それでも夏がいてくれたから、莉子はなんとか無事でいられたんだよね」

「そうだよねえ、お前が意識不明の時は夏君が、それはそれは献身的に莉子ちゃんを守っていたよ。あれは凄いよ」

中村は、「はーっ」と言ったままだった。洋子さんが、「家事はどうされているんですか?」

「料理は俺が仕事から帰って来てからしているし、洗濯は朝一で莉子が回して干しているんだ。
俺が入院している時に、夏が教えてくれたんだって。その他に色々と家事を夏が教えてくれていたんだよね。俺が過保護でやらせなかったからさ。罰が当たったよ」みんなニヤニヤしていた。

「そういえば、最近、夏君をあまり見かけなかったなあ。どうしていたんだろう?」

「ああ、あいつは昨年の夏休みに大学を退学して、今年医学部を受験したんだよ」

「ええ===っ??ウソだろう?」とみんなが驚いている。

岩城が「で、結果はどうだったんだ?」「うん?俺たちと同じ医大に合格したんだよ。俺たちの後輩だよ」

「えええ===っ!信じられない。だって莉子ちゃんと同じ学部だろう?文学部だったよな?理系じゃないのにか?」

「うん、そうだよ。でも成績はトップだったらしいんだ。滑り止めの私立医大と、地方の国立も受かったけど、俺と同じ医大が良かったんだって。川瀬や岩城と将来、大学病院で一緒に働きたいそうだよ。可愛がってやってよ」

「はあ~っ」とまたみんなが感心していた。そこへちょうど莉子と夏がニコニコしてパンをいっぱい買って来た。

岩城が「夏君、医大に合格したんだって!!すごいなあ~、相当頑張ったんだねえ。いや~凄いわ。本当におめでとう!大学病院で一緒に働ける日を楽しみにしているよ!」というと、夏が照れまくってめちゃめちゃ喜んでいたよ。

洋子さんも中村も「おめでとう!!」と笑顔で声を揃えてくれた。
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