医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘～い愛の物語

298話 大学絵画部・モデル

　「春ちゃん、絵画部でね、私と桃香を絵のモデルにしたいって人が3人いるって言ったよね？」

うん、言ってたねえ。

「それがねえ、後二人追加して全部で5人になったんだって！」

へっ？　なんだそれ？　フフフ、全員莉子狙いか？　笑える。

「絵の題材もみんな私と桃香を一緒に描きたいんだって。詩音からメールがきたよ」

はあ～本当か？、なんでよりによって5人一緒なんだ？　同じ題材でいいのか？

「そうなんだけど、誰も譲らないんだよ。ただ写真が同じだと嫌なんだって」

ふふふ、笑えるな。あははは。で、どうするんだ？

「うん、しょうがないから、洋服を変えようかなあと思うよ。桃香にも可愛い服を3枚買ってください」

ふっ、良いよ、何枚でも買ってください。

「あとねえ、詩音が春ちゃんを描いて一生の思い出にするって言っていたよ」

はっ？　俺か？　マジか‥‥‥。

「みんな学園祭に出すんだって。私は夏を描くよ。昨年は春ちゃんを描いたからね」

ええ？莉子が俺を描いてくれないの？？　「駄目だよ。詩音とぶつかっちゃうからさ」

「夏は土日しか来ないから、その時に写真を撮るよ。あと、桃香だけのも描こうかなと思ってるんだ」

じゃあ、土日に写真館で撮ってもらおうか？　プロに取ってもらった方が良いだろう？

「そうだね！その方がきれいに撮ってもらえるよね？」

この前撮った写真館に行くか？　夏には何を着せるの？

「ああ～考えてなかった‥‥‥、そうだ！春ちゃんの白衣を貸してよ。励みになるでしょう？」

あっ、それは駄目だね。4年の終わりに共用試験があって、合格した人だけが白衣式でもらえるんだよ。

だから想像で書くしかないね。俺のは貸せないよ。違反になるからさ。

警察官にピストル貸して～みたいなもんだよ。

「はあ？‥‥‥、ダメかあ‥‥‥残念」でも想像ならいいんだよね！

「部長からの伝言なんだけどね、5人が同じ題材だから、出来れば衣装を変えて5種類の写真が欲しいんだって。喧嘩になるからだってさ。ふふふ」

アハハハ、笑えるなあ～　全く‥‥‥。

は～そうか、そしたら写真館だけじゃなくて、普段の家とか公園とかでもスナップを撮っておいたらどうだ？

写真館だけで撮ると同じようになるだろう？その中で選んでもらえばいいんじゃないか？

「そうだね！じゃあ、今から桃香だけのかわいい写真を撮りまくるわ。日曜に写真館を予約してほしいよ。衣装替えもしないと駄目だからさ」

俺は何を着ればいいのかなあ？、詩音ちゃんの好みを聞いてくれないか？希望に応じるよ。それこそ白衣姿だっていいよ。

莉子が、「その他に公園に行ってスナップ写真もいっぱい撮ろうよ。私も桃香の写真をいっぱい撮っておくよ。じゃあ、早速桃香にかわいい服を買わないとね。楽しみだ～」まあ、そう言っているからいいか。

週末は忙しいぞ。莉子、美容院で髪をセットしてもらうか？　俺もセットに行こうかなあ・・。夏もまたした方が良いよね？