医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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373話 痛みがやわらぐ夜

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 「莉子、大丈夫か? 遅くなってごめんな。今楽にしてあげるからね」

うんと頷く莉子・・眉をひそめて布団を握り締めている。

口を半開きにしてややハアハアと苦し気な息遣いが見ていられない。

点滴を用意して痛み止めの注射を中に足す。腕を固定してタオルを掛けてやる。

「ちょっと下を見るよ」布団を横から開けてバスタオルで包まれた下着を脱がせた。

おむつを腰の下に入れて、膝を立たせて開き、秘所を消毒する。

「莉子、ちょっと気持ちが悪いよ。我慢してね。バルーンを入れるよ」

膀胱にバルーンを入れて留置する。ナプキンを当てたままおむつを留めた。

毎回同じことの繰り返しだけど、莉子が一番つらいね。

「莉子、痛いね。あと20分くらいで痛みどめが効くからね。もうちょっとだけ我慢してね」

「スープかおかゆを食べる?」ううんと首を横に振る。

「水を飲む?」うんと頷く。少し頭を起こしてやって吸い飲みを口に当てた。

2回ほどごくんと飲んだ。唇を拭ってリップクリームをつけてやる。

蒸しタオルを作って顔を拭いてやる。莉子がずっと目をつぶっている。

「莉子、もう大丈夫だから、このまま眠っていいよ」 莉子がうなずく。

点滴をしていない方の手を握ってやる。

そうこうしているうちに「ただいまー」と夏と桃香が帰ってきた。

桃香が莉子にそばに来て、「まま~、まっ、うま・・」と言いながら、莉子にまとわりつこうとする。

「ああ、桃香待ってえ、ママは今おなかがイタイイタイだから、さわっちゃだめだよ」そう言って桃香を抱いた。

「お兄さん、莉子はどうですか?」 

「うん、ありがとうね。痛み止めが効くまではあと15分くらいかな」

「水は飲ませたけど、食欲はないようだから、このまま休ませよう」部屋の扉を閉めた。

「ああ、ごめん、ご飯の仕度がまだだった」

「良いですよ。俺がやります」 「うん頼むね」

「そうだ、莉子の医療道具をセットしてくれてありがとうね。完璧だったから感心したよ」

「ええ?そうですか?良かった」

「誰が教えたんだっけ??」ぷっはーーっと二人で笑う。

「桃香、今日は何をして遊んだのかなあ?」おもちゃを持たせようとするんだけど、なんだか気が散っていて、莉子のいる部屋の扉の前で開けようとしている。

「桃香もママが心配なの?会いたいね」

しょうがない、部屋の扉を開けて莉子のそばに行かせる。莉子は静かに眠っていた。

桃香を抱いて莉子を触らせないようにした。顔を見るだけだよ。

「はい、終わり。桃香は今からご飯だよ」

そうだ、お湯を溜めようかなあ?

今日は3人でお風呂に入ろうか?「良いですねえ」

夏も賛成してくれたから、よし、3人で入るよ。
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