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374話 限られた時間
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莉子は倒れた翌日も横になったままで、朝から点滴をしていた。
火曜のオンライン診療ができなくなった分、土曜日の午前8時から12時まではみっちり予約が入っている。
しっかりと稼がないといけない。
今日の午後だけが1週間の中で、唯一予定のないゆっくりできる時間だ。
あいにく莉子の具合が悪いので残念だ。桃香は夏が実家に連れて行ってくれた。
お陰で仕事に集中出来た。ありがたい。
ところで、桃香と一緒に遊んで来るそうだ。どっかに行くのかな?
あちらのご両親がお風呂にも入れてくれるらしい。ふふ、良かったね。
莉子に雑炊を作った。食べられるかなあ。
「莉子、雑炊を作ったけど、食べられる?」莉子は目を開けていた。
「うん、少し食べるよ」じゃあ、上半身を起こしてあげるね。
背中にクッションをいっぱい当てた。
トレーに乗せてワゴンに置いた。ワゴンを押して莉子の胸元に近づけた。
ワゴンの足元がベッドの下に入るから、病人が食べやすいような位置に持って来られる。
「莉子、食べさせてあげようか?」うふふふ・・と莉子が笑っている。
「なんだよ、嫌なのか?」「ううん、食べさせてください」
少し、フーフーして「はい、どうぞ」と、スプーンを口元に持ってくる。
「卵雑炊だよ。おいしい?」「うん、おいしい。ありがとう」
「食べられるようになって良かったね」結局、お茶碗の一膳くらいは食べられた。
ミルクプリンもあるよ。食べる? 「うん、食べる」
「じゃあ、また食べさせてあげるね」 「もう、過保護なんだから・・ふふふ」
「ふっ、そうかもね。いいんだよ。莉子はこの世で一人しかいないんだから大切にしないとね」
「フルーツも食べる?ミルクプリンの中に入れてあげようか?」
「ううん、そこまでは食べられないもん」
「よしよし、じゃあ、プリンをどうぞ、あ~ん」「ふふふ、なんだか・・笑って・・」
「はあー、いいから。あ~んして」
そうやってミルクプリンは全部食べられた。良かった良かった。
次は身体を拭いてあげるね。昨日できなかったもんね。蒸しタオルを持ってくるね。
その次は腰の温湿布をするよ。「はーい、お願いします」昨日よりずいぶん元気になったなあ。
俺はそれだけですごくうれしいんだ。
「そうだ、元気になったら上田先生にメールするといいよ。今回が初めてだったから、すごく心配されていたよ」
「うん、そうだと思う。こんなんで続けて良いのかどうかわからないよ。迷惑をかけたからさ」
「大丈夫だよ。ダメなら向こうから言ってくるよ。だからそれまでは続けて良いと思うよ」
「これくらいでめげていたら、仕事なんて続けられないよ。ここはしっかり粘って欲しいよ。
だって、ほら桃香が学校に行き始めるまでに、なんとか形を作りたいでしょう?
それまでは頑張ってやったほうがいいよ。時間は限られているからさ」
「そうだよね。頑張るよ。メールも送る。気にされていると思うからさ」
火曜のオンライン診療ができなくなった分、土曜日の午前8時から12時まではみっちり予約が入っている。
しっかりと稼がないといけない。
今日の午後だけが1週間の中で、唯一予定のないゆっくりできる時間だ。
あいにく莉子の具合が悪いので残念だ。桃香は夏が実家に連れて行ってくれた。
お陰で仕事に集中出来た。ありがたい。
ところで、桃香と一緒に遊んで来るそうだ。どっかに行くのかな?
あちらのご両親がお風呂にも入れてくれるらしい。ふふ、良かったね。
莉子に雑炊を作った。食べられるかなあ。
「莉子、雑炊を作ったけど、食べられる?」莉子は目を開けていた。
「うん、少し食べるよ」じゃあ、上半身を起こしてあげるね。
背中にクッションをいっぱい当てた。
トレーに乗せてワゴンに置いた。ワゴンを押して莉子の胸元に近づけた。
ワゴンの足元がベッドの下に入るから、病人が食べやすいような位置に持って来られる。
「莉子、食べさせてあげようか?」うふふふ・・と莉子が笑っている。
「なんだよ、嫌なのか?」「ううん、食べさせてください」
少し、フーフーして「はい、どうぞ」と、スプーンを口元に持ってくる。
「卵雑炊だよ。おいしい?」「うん、おいしい。ありがとう」
「食べられるようになって良かったね」結局、お茶碗の一膳くらいは食べられた。
ミルクプリンもあるよ。食べる? 「うん、食べる」
「じゃあ、また食べさせてあげるね」 「もう、過保護なんだから・・ふふふ」
「ふっ、そうかもね。いいんだよ。莉子はこの世で一人しかいないんだから大切にしないとね」
「フルーツも食べる?ミルクプリンの中に入れてあげようか?」
「ううん、そこまでは食べられないもん」
「よしよし、じゃあ、プリンをどうぞ、あ~ん」「ふふふ、なんだか・・笑って・・」
「はあー、いいから。あ~んして」
そうやってミルクプリンは全部食べられた。良かった良かった。
次は身体を拭いてあげるね。昨日できなかったもんね。蒸しタオルを持ってくるね。
その次は腰の温湿布をするよ。「はーい、お願いします」昨日よりずいぶん元気になったなあ。
俺はそれだけですごくうれしいんだ。
「そうだ、元気になったら上田先生にメールするといいよ。今回が初めてだったから、すごく心配されていたよ」
「うん、そうだと思う。こんなんで続けて良いのかどうかわからないよ。迷惑をかけたからさ」
「大丈夫だよ。ダメなら向こうから言ってくるよ。だからそれまでは続けて良いと思うよ」
「これくらいでめげていたら、仕事なんて続けられないよ。ここはしっかり粘って欲しいよ。
だって、ほら桃香が学校に行き始めるまでに、なんとか形を作りたいでしょう?
それまでは頑張ってやったほうがいいよ。時間は限られているからさ」
「そうだよね。頑張るよ。メールも送る。気にされていると思うからさ」
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