医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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439話 莉子復活*

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  俺は服を着てから、部屋を出て風呂場に行った。

するとお湯が溜まっていた。ん? ふと見るとソファにいた夏がニヤケてる。

おまけに俺の方を見てVサインを出していた。

ふふふと笑いがこみ上げてきた。夏も同じらしい。

莉子の声がさすがに聞こえたよね? 

オレ・・かなり恥ずかしいなあ・・。

思わず頭をかいてしまった。あははは。夏も笑っている。

莉子のバスローブを持って部屋に戻り、莉子を抱いて風呂に連れてきた。

ちらっと夏も見たらバイバイと手を振っていた。全く‥‥‥(笑)

風呂で莉子の髪や身体を洗ってやった。

自分の身体もさっと洗って、一緒に湯船に入った。

「莉子、愛しているよ。身体は疲れちゃった?」「うん、大分疲れたけど大丈夫」

そうか、良かった。また深く何回もキスをした。

久しぶりの小さなかわいい胸もキスをしてばかりだ。

だって抑えられない。無理だよ。

それでもそろそろ上がらないと莉子がのぼせちゃうね。

身体を拭いて、髪もドライヤーを掛けてやった。

「莉子、おなかが空いたでしょう?遅くなったけど、夕飯を食べようよ」

「うん、食べるよ」

じゃあ、おいでと手を繋いで洗面所から出て来た。

その時は夏が食事を温めて並べてくれていた。お茶も淹れてくれた。

「夏、ありがとうね」とニヤニヤして言ってしまった。夏もニヤけているぞ。

莉子も「夏、ご飯を作ってくれてありがとうね」と言えたんだよね。無事にね。言葉が出たよ。

「いえいえ、どういたしまして、じゃあ俺、自分の部屋で勉強しますね。おやすみなさい」

「夏、ありがとうな」

久しぶりに二人でゆっくり食べた。夕飯は夏特製のシューマイだった。美味しかったよ。

「莉子、食後は紅茶を飲む?ココアにする?」

「うんとねえ、ココアにする」

「なにかデザートを食べる?」

「ううん、それはいい。ココアだけで充分」ミルクをたっぷり入れて作った。

「莉子、実家で随分無理をしたんじゃないか?お母さんが昼夜逆転しているって言って心配していたよ」

「エへへへ、バレてた? ちょっとなんか‥‥‥、知らない間に時間が過ぎていたんだよね。で、描いている間に時間が分からなくなっちゃったんだよ」

「だから、やり過ぎるんだよ。もううちに帰っておいでよ。俺も心配でしょうがないからさ」

「ええ?いやだよ~。まだやりたいもん」

「はーーーっ??もう無理しなくていいんだって。うちで描けばいいだろう?」

「ダメだよ、せっかくはかどってるんだから‥‥‥」

「何がはかどってるんだよ?そんなに疲れていたら無理だろう?」

「確かに疲れたんだけど、はかどってるのは事実なの」

「何が出来たの??」

「ん?もう大作が出来たよ」

‥‥‥夏ーーーーっ!来ーーーいっ! 叫んだら夏が飛んで来た!

「莉子、もう一度、今のを言って!」

「だから、!」

俺と夏は顔を見合わせた? あははは!!二人で大笑いをした!

ちょっと待てよ!じゃあ、莉子、なんで夏が迎えに行った時からずっと喋らなかったんだよ??

「だってあまりにも疲れすぎてて、喋るのを忘れてた‥‥‥」

はあ=====っつ?? 二人で吠えた!

ああ~なんだよ~もう~!!

二人で頭を抱えた‥‥‥。

「分かったから、とにかくもう寝ろよ」

莉子に歯磨きをさせたら莉子のベッドに寝かせた。

ついでに桃香も莉子の部屋の布団に移動した。

はあ‥‥‥。俺も夏も衝撃で意気消沈だよ。

ああ~もうなんだよお~。

どんだけ心配したかわかってんのかよ~。

お先真っ暗になったんだぞーっ!。

俺は一人でぼやきまくったし、夏は呆然としていた。

俺は夏の前に行き、胸に頭を預けた。

「夏、頼みがある」

「何ですか?」

「オレさあ・・、莉子はイカせてやったんだけど、俺の方がイキそびれて不発なんだよ」

「なんとか俺の面倒をみてほしい・・」

「フフフ・・はい、喜んで・・」二人でくすくす笑った。
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