医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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497話 初めての春樹の寝室・夏輝*

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 莉子が眠ったのを確認して、ドアをそっと閉めて夏の部屋に行った。

あれっ?いない・・。なんで? 俺の寝室を見てもいなかった。そうだ、下だ!

慌てて2階に降りると、夏がゲスト用のベッドで横になっていた。

「夏、来たよ。どうしたの?」ベッドのそばでそういうと、飛び起きて抱きついてきた。

「ごめんね。莉子が俺を貸してくれるんだって。ふふふ。こんなところで寝てないで俺の寝室に行こうよ」

夏は黙ったまま俺にしがみついていた。

「風呂に入ったの?まだなら一緒に入るよ」

「入ったけど、また入りたい」「じゃあ、俺の寝室の浴室に行こう」

夏の手を引いて俺の寝室に向かった。部屋のドアのカギを締めた。

ドアを開けると全体が落ち着いた木調になっている。

すぐ左手には書斎コーナーがあって、寝室とは壁で仕切られている。

その壁の後ろに専用の浴室がある。

キングサイズベッドは更に奥の窓の近くにある。

この窓を開けると広めのバルコニーがあって、隣の莉子や夏の部屋のバルコニーとつながっている。

部屋以外にも廊下に出れば、広い浴室と別にトイレがある。

でもこの部屋専用のバスルームは、夏の為にどうしても必要だった。

ここは部屋同様に完全防音がしてある。

「ここで一緒に過ごすのは初めてだね。遅くなってごめんね」

二人のバスローブもここに置いている。お湯を溜めながら夏を脱がせた。

浴室とトイレが隣同士でガラスの戸が半分だけある。裸のままトイレが使える。

夏仕様だ。夏のおなかを洗ってやった。そのためにいるんだよ。

一応シャワーカーテンは引けるようになっている。夏はシャイだからね。

一緒に湯船に入った。夏を前に抱えて、小鳥のようにつんつんとキスをして遊んだ。

「お互いにふやけるかもしれないな」ふふふと二人で笑った。

「あったまったか?ふやける前に上がるぞ」

身体を拭いてやってバスローブを羽織り、手を引いてベッドに行った。

「ああ~広い、夏、このベッドは広すぎないか?クイーンサイズにすれば良かったなあ」

「うん?どうして?」「くっつきにくいだろう?広すぎてもつまらないよ」ふっと夏が恥ずかしそうにした。

「夏おいで、もっと密着しないと駄目だよ」はぁーっと夏がため息をついた。

「それはもっとの意味か?」夏がニコッと笑って俺の胸に顔を押しつけてぐりぐりとした。

夏はこれが好きだ。いっぱい抱いて!の意味だ。よし、叶えないとダメだね。
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