医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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505話 クリニックの改革・2

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 つまり、その下げ札を見れば、リストと照らし合わせなくても分かるようになります。

①誰の診察室に案内するべきか?
②順番は?
③血圧は測っているか?
④問診や電子カルテへの入力は終わっているか?
⑤緊急か?一般か?
⑥尿検査は必要な人と終わった人の区別
⑦レントゲンが必要な人と終わった人の区別
⑧採血が必要な人と終わった人の区別
⑨点滴が必要な人と終わった人の区別
⑩そのほかの検査も札を用意します

点滴が混む場合は2階のベッドにご案内をお願いします。あとで一緒に見に行きましょう。

「すべてが終わってあと会計だけになったら、ナースか医師がその時点ですべてのマークの札だけを回収します。
すると順番カードと、最初の順番レシートだけになります。

このレシートは三次元コードがついているので、自動精算機で照らし合わせるのに必要になります。これは今も皆さんにやっていただいているのでご承知だと思います。

これからはもっと患者さんが増えていきますので、この方法でやってみたいと思います。

この方法は、過程が一目でわかるので時短になるし、誰が見てもリストを見ないで、下げ札を見るだけでわかります。ただし、胸の番号だけでなく、患者さんの名前はフルネームで必ず確認してください。

今後はこの方法でやっています。もし見直す点があれば随時変えていきたいと思いますので、皆さんもどんどん意見を言ってください。患者さんの滞留時間を短くするために、ご協力をお願いします」

途中で質問の時間にしたが、なぜか質問はなかった。覚えることが多すぎたかもしれない。そうだよね。やってみないとピンとこないよね。

何回か交代で患者役をやってシミュレーションを重ねた。

俺も患者役になって、山科さんに初診で「足が痛いよ~」と言ったら爆笑された。

だんだんスムーズになって来た。大丈夫そうだ。時間が解決すると思う。慣れだよね。

最初の判断と見極めを看護師長にやってもらうから、必死に覚えようとしてくれていた。一番大事な役だ。

札をぶら下げるわけだから、気が進まない患者さんもいるかもしれないけど、そこは師長がうまくなだめて欲しい。
「この方が早く終わりますよ」でもいいからね。

インカムはもう全員大丈夫だ。研修中もどんどん使ってもらった。

今回は電子カルテの入力方法や使い方を練習モードにして、皆に沢山練習してもらった。

電子カルテの会社からトレーナーが来てくれていたから、皆にみっちり教えてくれていた。

特に技師の二人とクラーク役はうまくなって欲しい。ゆっくりでも良いから。すぐに慣れると思う。

早く入力する必要はない。正確さが大事だ。医師と一緒に確認しながら進めていけば良い。

うちは、まだ患者数が多いとは言えない。医者二人に対してだからね。一人ならキャパオーバーだけど。

最終的にタグを全く使わなくなったとしても、みんなが慣れてスムーズにいくのなら構わない。

そういうわけで、怒涛の研修は終わった。インカムで言った「皆さん、お疲れさまでした」

俺はスタッフの力を信じている。明日からが楽しみだ。

最悪、タグなど何もない方が良いと、スタッフから言われたとしてもかまわないよ。

なんでもやってみれば良いんだ。

じゃあ、どうすればスムーズになれるのか?とみんなに考えてもらえるなら大成功なんだから。

経営コンサルタントの人は、俺たちのシミュレーションを見学していた。

そして新たに始めるシステムを聞いてメモをしていた。

あとでなんと言われるのかな? 修正箇所があるなら教えて欲しいと思っている。

実務的な数字に関しては、夏が実家の会社でコンサルタントの人に助言を受けているそうだ。

それなら俺は安心している。あの創業者のお父さんなら絶対抜かりはないよ。(笑) 

その息子だから同じく抜かりはないさ。

俺は恵まれているよ。一人で開業したなら絶対失敗していたはずだ。自信を持って断言する。
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