医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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591話 父親の役目

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 ロビーに行くと夏が待っていた。おっ、素敵だ!「夏、格好いいよ」というと照れた。

夏は紺の三つ揃いを着ていて、ベストが同系色のシルクに模様が入っている。

ワイシャツは薄いブルーだ。まるで、ファッション誌に出ているようだ。モデル体型だもんな。

夏「お兄さんも莉子も桃香もみんな素敵ですよ」

夏「じゃあ、食事前に写真を撮りましょう。ロビーで撮ってから、レストランでも始まる前だからどこでも撮って良いそうです」

それから、モデル顔負けに写真を撮り続けた。レストランでも撮らせてもらった。

スタッフの人たちがにこやかに俺達を見守っていた。ちょっと恥ずかしかった。

パーツは全部取ったし、後は食事中ですね。ちょうど時間になったから、案内された席に着いた。

なんてフォーマルで素敵なレストランなんだろう。

ヨーロッパのレストランのような重厚な感じがする。

まあ、本格的はフレンチだそうだから、楽しみだ。

素敵な音楽が流れてきた。そこに美しい盛り付けのオードブルも運ばれてきた。

飲み物は?「シャンパンにしようか?」賛成!とみんなで声を揃えた。

桃香だけジュースね。「かんぱ~い!」

莉子が「ああ~おいしい」ふふふ、珍しいな。

いつもは甘いパンチのようなお酒なのにね。

「夏も少しならいいよ」

「はい。もう飲んじゃってるし・・えへへへ」

オードブルが色とりどりでおいしい。

ただ夏だけちょっと違うものがあるが良いのだ。

「夏用に消化が良いものになっているからね。油分も控えてもらっているよ」

「はい、そうなんですね。あまりそういう感じがしないです」

それからフランス料理を堪能した。ああ~おいしい。幸せだ。

デザートの盛り合わせも来た。桃香にもちゃんとかわいいのが来たね。

レストランの雰囲気も素敵だし、このホテルにして良かったよ。

桃香にもお子様ランチのようなものではなく、ちゃんと内容は違うが、いろいろな料理が来るから驚いた。

へえ~、こうやって慣れておいた方が良いのかもな。

なんといっても、もうすぐプロとして大人の中にデビューするんだもんな。やれやれだ。

無邪気においしいと言って食べてるよ。お肉が来た時だけ切ってやった。

ニコっとした桃香がかわいい。

そういえば、父親の役目ってあまりないなあ。いいのか?

「父親参観日ってないのか?」莉子に聞いた。「えっ?あるよ」

「俺聞いてないよ」「うん、いつも夏が行くよ」「はあ~??」

夏「エへへへ、だってお兄さん、俺の子供だと思って良いって言ってくれたじゃないですか?」

「それとこれとは別だろう?今度からは絶対俺が行くからな」

莉子「はいはい」

全く、油断も隙もないな‥‥‥。

「うん?それにしても父親参観日に今度は違う父親が行くということか?」

莉子「大丈夫だよ。夏はいつも父親代理って言ってあるから」

「そうか、それなら良いよ」 

それにしても急に老けたお父さんが行くってことだな。どうしよう。

急に13歳も老けたお父さんが行くんだぜ。クラスの子がびっくりするだろうよ。

「じゃあさあ、中学から俺が行くよ。小学校は夏が行っていいよ」

夏「はい、了解です」
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