医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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808話 医局会議・消化器内科編

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  夕方の医局会議室。

集まったのは、院長、理事、看護部長、看護主任、そして消化器内科の花井部長。

いつものようにバタバタと始まるのではなく、今回はきちんと時間を取ってもらった分、会議室にはいつもより静かな緊張感が漂っていた。

院長「お忙しいところ、ありがとうございます。お手元の資料を見ていただけますか?今日は2点あります。ひとつは人員や設備の体制見直し。そしてもうひとつは、消化器内科と内視鏡の運用についてです」

院長「花井先生、この後の診療体制については、ぜひ先生からご提案をいただけますか」

花井「承知しました」

花井部長がうなずき、ゆっくりと口を開いた。

「さて……皆さんもご存じの通り、最近の予約数は異常なほどです。健康診断は8か月先まで埋まり、一般外来にも連日対応しきれないほどの患者さんがいらっしゃる。私一人ではもう限界という状況でした」

彼は視線を配りながら続けた。

花井「そこで新たに加わったのが仁科先生。さらに今回、湯川先生が来てくださったことで、ようやくチーム体制を組める段階に入りました」

俺も資料を一枚めくった。分かりやすく書いてある。

花井「基本方針として、診察した医師が、責任をもって内視鏡まで実施する体制を取りたいと思っています。信頼の連続性という意味でも、患者さんの安心に繋がるはずです」

「同感です」と理事が頷く。

花井「ただし、現実にはスケジュールの兼ね合いがある。ですので、患者さんの流れに応じて柔軟に“検査だけ”を別の医師が担う形も並行して運用します。その際の振り分けは、私が責任を持ちます」

院長「つまり――現場の判断で対応できる枠組みにしつつ、最終的な統括は花井先生が担う、ということですね?」

花井「はい。それと、受付や看護サイドにもある程度の情報共有の方法を再整理しておきたいです。
トリアージの段階や問診時点でも<この患者さんは誰に回すか>を明確にするには、問診様式や業務フローの見直しが不可欠です」

ああ‥それはすごく良い考えだな。さすがだよ。

「ナース側は、それが分かるようなテンプレートを検討中です」と看護主任。

看護主任「例えばですが、初診時に“どの医師に振り分けるか”を判断しやすくするために、例えば腹痛、便通異常、健診での便潜血陽性など、“内視鏡が必要になることが多い症状や所見”を具体的に一覧で入れておきたいんです。
現場のナースが判断に迷わないように、可能な限り実例ベースで構成したほうがいいかと思っています」

花井部長「それはありがたいですね。ぜひ進めてください。外来、健診、内視鏡。その動線がスムーズにまわる仕組みを作ることが、当面の課題です」

花井部長の言葉に、皆がうなずいた。

良かった! 花井部長にお願いして。主任もよく考えてくれているなあ。

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