医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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809話 医局会議・ナース編

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 それにしてもこの消化器内科は3人だけで果たして回っていくだろうか?

あまりにも急速に患者が増えていくので、もう一人くらい消化器内科の医師を増やした方がいいのではないか?と思ってしまう。

「花井部長、患者の増え方が凄いので、今の3人の体制でも、どうしても回って行くのが難しくなりそうなら、早めにおっしゃっていただけますか?内視鏡の医師をもう1名採用することもできますので、あまり無理をしなくて良いですよ」

花井「それは助かります。でも……本当に回らなくなった時を想像すると、ちょっと怖いですね(笑)湯川先生も増えたことですし、今のままで進めて少し様子を見ますよ。また足りなくなったらその時はお願いします」

院長「はい、分かりました。これはナースの方も言えることですが、今ぎりぎりのやり方ではなく、少し余裕を持たせるくらいで計画を立てて欲しいんです。患者さんの増え方が常に予想を超えてきますからね。よろしくお願いします」

「はい、承知しました」と皆声を揃えてくれた。


続いて、話題は看護部門に移り、看護部長に提言をしてもらった。

「ナースの増員についてですが」

今度は看護部長が資料を見ながら口を開いた。

「医師が3名体制となるにあたり、それぞれの診察室に2名ずつ配属するとして6名。
それに健診の付き添いと内視鏡対応を考えると、さらに日勤2名、夜間対応1名ほどの余力を確保しておきたいと考えています。それと他の診療科も患者さんが凄く増えているので、今はキャパいっぱいです。だからナースは9名増員をお願いします」

「看護助手は2名増を希望します」と看護主任が補足する。

「特に、機器の準備や片付けで技師にかかる負担も大きくなっています。助手が入れば全体の回転も上がりますし、
患者さんの待ち時間も短縮できます」

「なるほど……では、新たにナース9名、助手2名の増員を検討するということでよろしいですね」

理事がまとめかけたが、ふと胸の奥にひっかかることがあって俺は言葉をはさんだ。

院長「ところで、カフェの混雑は大丈夫かな?」

看護部長「現在は3名体制ですが、忙しい時間帯はどうしても手が足りません。対応が追いつかず列になることもあります」

看護部長が小さく眉を寄せた。

理事「あ~そうですね。皆さんにご不自由をお掛けして申し訳ないです。今度、またスタッフが増える予定ですので、至急、人員を増やしてもらえるように頼んでおきますね。カフェは親会社のグループ会社“菜の花フード”が担当しているので、クリニック側の負担にはなりません。早速に伝えておきます」

院長「理事、今3名でお弁当の引き渡しが大変なら、新しい人が来るまで、誰か1名、2名でもいいから、フードから引き渡しの1時間だけでもヘルプしてもらったらどうかな?、それとも6階の休憩室で引き渡すのはどうだろう?各自お弁当に名前でも貼ってあればいいのかな?それがあれば、1名でいいかもしれないよ。どうせIDカードで受け取りチェックだから、金銭は発生しないしね」

理事「なるほど、それはいいですね。至急確認してみます」

看護部長がホッとしたように軽く笑みを浮かべた。

理事「念のため、ロッカーと冷蔵庫の数も総務に確認しておきます。人が増えたら着替えの場所も必要になりますから」

院長「そうだね。ロッカーは大事だよね。あと連絡用の各自の引き出しだね。これも足りていないと困るよね。
そうだ!あと。山野チーフから申し入れがあったよ」

理事「了解です」

見落としていた小さな綻びが、ようやく言葉になり始めたね。

少しずつでも動いているから、それが俺はすごく嬉しい。
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