医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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841話 新人・朝井医師・健康診断科

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 医師の面接が終わると、それぞれに意見を聞いた。

花井部長「もう決まりましたね。あそこまでこられたら、断れないですよ」

看護部長「今度は電車で通ってもらいたいものですね」

宮本主任「なんだか、すごく菜の花っぽいなって思いました」

理事  「理想的ですね。文句なしです」

院長  「誰も名前を言わないので……ククク……朝井さんってことで、いいですか?」

「はい!」 一斉に返事が返ってきた。

院長「じゃあ、すぐ電話しちゃいましょう。無駄な時間はかけなくていいですよ。まだ下にいるでしょう? インカムで呼び止めましょう。桐生君、頼むよ」

「はい、承知しました」

そう言って、桐生君はすぐに部屋を出て行った。

三分ほどで、彼を連れて戻ってきた。

院長「ごめんね、もう呼び出しちゃって。

そう言うと、皆が拍手をしてくれた。

「ええ? 本当ですか? やったーー!!」と、ぴょんぴょん跳ねて喜んでいた。

また、みんなで笑ってしまった。

院長「じゃあ、桐生君、手続きをお願いします。理事もお願いしますね」

理事「はい、了解です」

桐生「はい、承知しました」

二人で朝井先生を連れて行った。



院長「では、皆さんお疲れさまでした。あとは診療予定の一覧をこちらで作成しますので、よろしくお願いします。これで解散します」

花井「いや~、なかなか面白かったですね。ちょっと笑いましたよ。でも、画像診断に自信があるのはいいですね」

院長「本当に、それは大事ですからね。これで健康診断はどんどん増やしていけますよ」

看護部長「もう、すごく楽しみですねえ」

* * *


後日、朝礼にて朝井先生を紹介した。

「おはようございます。今日は素敵なニュースがあります。

健康診断科の朝井 陽翔《はると》先生が、菜の花の仲間になってくれました。では、自己紹介をどうぞ」

壇上を代わった。

「おはようございます。朝井陽翔と申します。このたび、憧れの菜の花クリニックの一員になれたことを、最高にうれしく思っています。分からないことばかりですが、どうぞビシバシご指導のほど、よろしくお願いいたします」

「わ~!」と歓声と拍手喝采が上がった。

若い人だと、なんだか反応が違うよね。ふふっ、まったく。

再び壇上に上がった。

「はい、これで安心して健康診断を受けてもらえる環境が整ったと思います。ホッとしました。いろいろ教えてあげてくださいね。では以上です。今日も頑張りましょう! 解散!」

「よろしくお願いしま~す!」なんて、若い女子たちがわざわざ声をかけながら、彼の前を通っていく。

ずいぶん態度が違うんだよね。ははっ、ひどいなあ。

まあ、爽やか青年だから……新鮮なレタスのようなものか?

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