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本編
恵まれた
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(シャーロットの過去)
「正しい選択」「賢い選択」お母様はその二つに執着していた。
その二つを強調していて、私がお母様の期待通りに動くことを信じて疑わない。
私は重くて重くて堪らないその期待を背負って、婚約者を見つけるために、険しい坂道を登っていかないとならないのだ。
晩餐会中はそれが苦痛で仕方がなかった。親族も私の婚約を気にしているようで、私の誕生日だというのに私の婚約者候補の話ばかりし始める。私には見向きもせずに、わたくしはどの方がいいと思いますわ、だとか、誰と結婚をするのが一番私にあっている、だとか、それぞれの人が私に意見を押し付けていった。
それは候補者の情報を仕入れるという面では有難い事でもあったけれど、それぞれ主観がはいってくることなので私は慎重に話をしなければならなかった。それがどれほどの気力を使う事か……!
晩餐会が無事終わり、招待客を見送った後、私はすぐに自室に戻った。いつもならばお母様の元へ行って晩餐会での私の立ち振る舞いについて意見を伺うのだが、お母様は私の気持ちを慮って自室に戻ることを許可してくださったのだ。
私はドレスも着替えずに自室の机に向かうと、紙とペンを取り出して候補者についての情報をまとめた。
私の婚約者候補は三人いて、それぞれ公爵家、侯爵家、伯爵家の令息が揃っている。どの方も長男で、いわゆる社交界で言う優良物件というものだ。
それが私にとっての優良物件かどうかはわからないけれど。
私は両親のように好き勝手しあうのを見るのも嫌いだし、かといって愛があるからという理由で貧しい生活に耐えられる訳でもない。程よい贅沢をできて、表面上はうまく取り繕ってくれる夫が欲しい。わたしに世継ぎを産む以外の期待を寄せない人がいい。
その点に比重を置いて考えてみると、候補者の中の一人、侯爵家のフランツ様は避けた方が良さそうだ、とそっと思う。
彼の両親は恋愛結婚だそうで、フランツ様もお互いを愛し合う御両親に憧れているらしい。年齢のことを考えてみればその考えは普通なのかもしれないが、生憎私は普通ではない。そんなものはまやかしだと知っている。なによりも、私の生活環境とフランツ様の生活環境は余りにも違いすぎる。
彼は恵まれすぎているのだ。
両親に愛されて、望まれて産まれてきた子供なんて貴族の中に何人いるのだろう? きっと片手で数えることができるくらいには少ないだろう。
私はそれを当たり前と思っている人とは話が合わない筈だ。
私は思わずため息をついた。恵まれているフランツ様が羨ましくも感じるが、恵まれすぎたせいで現実を知らないのもいかがなものかと思ってしまう。
胸の中で黒い渦が暴れているのがわかった。
「お母様、お父様、一緒にお茶をしましょう?」そう言えたなら、どんなに幸せだっただろう。
新しく仕立ててもらったドレスを着て、お父様とお母様が寄り添っているソファの元に駆け寄れたのならば、家庭教師に褒めてもらえればご褒美をもらえるような関係だったのなら、毎日が輝いて見えるのだろうか。
それを幸せだと知らないでいれるのならば、それが当たり前だと思えたのなら、どんなに素敵だろう。
考えていれば羨ましいの域を超えてしまって、私はお門違いだと知りながらも会ったこともないフランツ様に酷く嫉妬した。子供らしくいれる子供が妬ましかった。
街に行ったとき、私よりも貧しいな生活を送っているはずの平民の女の子が母親に抱かれて笑っているのを見て、なぜか敗北感を感じた。
私の方が良い生活を送っているのに。
私が望んだものは全て買ってもらえるのに。
私が身につけているのは最高級の生地を惜しまずに使ったドレスなのに。あの女の子が着ている目の荒い綿のワンピースなんかと比べ物にならないくらい良いものなのに。
私の方が大きな屋敷に住んでいて、私の方が美味しい食べ物を食べているはずなのに。
どうして、私はこんな喪失感を感じなければいけなんだろう。
動かしていたペンが止まった。ふと、それが気にかかった。
でも、と自分自身に言い訳をする。
でも、私は恵まれているんだ。それを理解していないのは私自身なのかもしれない。平民のあの子よりも恵まれているのだから。私は貴族で、お金に困ることもない。私があの子を羨むように、あの子も私のことを羨んでいるのかもしれない。私たちはお互いの幸せに気づけずに、無い物ねだりをしているだけなのかもしれない。天は二物を与えないと言うではないか。
そうすれば心が安まる。大丈夫だと、自分は人に憐れまれるような人間ではなく、恵まれている、人に羨ましがられる存在だと信じられた。ほっとすれば瞼が重くなってきて、それから少しして私はベッドに入った。その夜は夢も何も見ずに、深い眠りについた。
朝起きてみれば、メイドがお母様からの手紙を渡してきた。それには昨日の晩餐会での私の評価と、フランツ様と会う日取りが簡単に記されていた。それと、昨日のものとは別のフランツ様の肖像画をお母様の部屋へ見にきなさい、という少々雑な指示。晩餐会での評価はそう悪いものではなかったし、今までよりも所作が綺麗に見えたと褒めてくれているところもあった。お母様はむやみに人を褒めない方だから、たった一言だけでも私の顔に笑みが浮かぶ。
私は白いレースがあしらわれた紺色のドレスを着てお母様の元へ向かった。
「来月にフランツ様に会えるわ。それまでにきちんと勉強をしておきなさいね。家柄はわたくし達侯爵家よりも格下ですけれど、社交界では権力を持っているお方よ。ご子息がどうであれ、御両親は他人に厳しい方たちでしょうから」
お母様が静かに言った。家庭教師に、伯爵家は新しい事業に成功して社交界で力を付けつつあると聞いた。自分の息子に付いては触れないけれど、他人の子供への評価は厳しいのはどうなのだろうか、と心の中で思ってしまう。
「承知致しました、お母様。ところで、フランツ様の肖像画を見せて頂けるとお聞きしましたが……」
「ああ、そうね。ごめんなさい、すっかり忘れていたわ。今朝届いたばかりなのよ。昨日の肖像画と様子が違うのだけど、今から見せる肖像画の方が正確だと思うの。わたくしも一度しか会ったことがないけれど、最近のことだからそこまで変わっていないと思うわ」
お母様は使用人を呼び出し、肖像画を持って来させた。
そこには無邪気に笑う栗色の髪の毛をした小太りの男の子が描かれていた。昨日の肖像画にはきりっとした目元の賢そうな子供が描かれていたから、画家がそうやって注文をされて描いたのだろう。こちらを何も疑いもしないような瞳がこちらを見ている。こっちの肖像画の方が正確だと言うお母様の言葉に納得した。こっちの方が子供らしいし、自然な表情をしている。
お母様はこの肖像画を見て、少し困ったように笑っていた。私はその姿を見て、昨日から思っていた事をお母様に吐き出す。きっとお母様も私と変わらない考えだろうとその顔から予測できた。
「お母様、わたくしフランツ様と合わないと思いますの。調査書を読んで見たのですけれど……。きっとわたくし達貴族の役割をまだ自覚していらっしゃらないのだと思うのです。わたくしとフランツ様とではあまりにも考え方がかけ離れているのではないかと思ってしまいました」
失礼とも取れる私の発言に対して、お母様は笑って頷いた。時々にしか見せない、美しい微笑みを浮かべていた。
「そうね、わたくしもそう思ったの。きっとシャーロットには合わないかもしれないって。貴女もそう思ったのね? 早速お断りの連絡をしておくわ」
お母様はなぜか機嫌が良さそうだった。
「お母様、そんな事をして大丈夫なのですか? 伯爵家は社交界で力を持っているんじゃありませんの? 何か噂になってしまったら……」
「大丈夫よ」
お母様がきっぱりと言い張った。
「確かに社交界で力を持っているけれど、わたくし達侯爵家には刃向かえないもの。それに、侯爵家は良い顧客なの。それだけのことで噂になっていたらわたくし達だって取引の手を引くでしょう? それで困るのは伯爵家よ。よっぽど頭が弱くない限り、上下関係くらいは分かっていると思うわ」
お母様はもともとこの縁談に乗り気ではなかったらしい。私に一言賢いわね、と言って、部屋から退出するように指示を出した。私はすごすごと部屋から出て行く。屋敷の大きな時計の音が、あと十分で歴史の授業が始まる事を知らせた。
私はそのまま私室へ向かって、いつも通りの授業を受けた。
その話の終わり方があっけなかったからか、昨日の夜に思い悩んでいた事が馬鹿らしくなってきた。きっと賢い選択を出来たんだと思う。
私はお母様が笑ってくれたことも、こんなに簡単に「賢い」と言ってもらえたことも嬉しくて、その日はとても幸福な夢を見た。その夢の内容までは覚えていないけれど、とても楽しくて、とても幸せだった事だけはしっかりと覚えている。
「正しい選択」「賢い選択」お母様はその二つに執着していた。
その二つを強調していて、私がお母様の期待通りに動くことを信じて疑わない。
私は重くて重くて堪らないその期待を背負って、婚約者を見つけるために、険しい坂道を登っていかないとならないのだ。
晩餐会中はそれが苦痛で仕方がなかった。親族も私の婚約を気にしているようで、私の誕生日だというのに私の婚約者候補の話ばかりし始める。私には見向きもせずに、わたくしはどの方がいいと思いますわ、だとか、誰と結婚をするのが一番私にあっている、だとか、それぞれの人が私に意見を押し付けていった。
それは候補者の情報を仕入れるという面では有難い事でもあったけれど、それぞれ主観がはいってくることなので私は慎重に話をしなければならなかった。それがどれほどの気力を使う事か……!
晩餐会が無事終わり、招待客を見送った後、私はすぐに自室に戻った。いつもならばお母様の元へ行って晩餐会での私の立ち振る舞いについて意見を伺うのだが、お母様は私の気持ちを慮って自室に戻ることを許可してくださったのだ。
私はドレスも着替えずに自室の机に向かうと、紙とペンを取り出して候補者についての情報をまとめた。
私の婚約者候補は三人いて、それぞれ公爵家、侯爵家、伯爵家の令息が揃っている。どの方も長男で、いわゆる社交界で言う優良物件というものだ。
それが私にとっての優良物件かどうかはわからないけれど。
私は両親のように好き勝手しあうのを見るのも嫌いだし、かといって愛があるからという理由で貧しい生活に耐えられる訳でもない。程よい贅沢をできて、表面上はうまく取り繕ってくれる夫が欲しい。わたしに世継ぎを産む以外の期待を寄せない人がいい。
その点に比重を置いて考えてみると、候補者の中の一人、侯爵家のフランツ様は避けた方が良さそうだ、とそっと思う。
彼の両親は恋愛結婚だそうで、フランツ様もお互いを愛し合う御両親に憧れているらしい。年齢のことを考えてみればその考えは普通なのかもしれないが、生憎私は普通ではない。そんなものはまやかしだと知っている。なによりも、私の生活環境とフランツ様の生活環境は余りにも違いすぎる。
彼は恵まれすぎているのだ。
両親に愛されて、望まれて産まれてきた子供なんて貴族の中に何人いるのだろう? きっと片手で数えることができるくらいには少ないだろう。
私はそれを当たり前と思っている人とは話が合わない筈だ。
私は思わずため息をついた。恵まれているフランツ様が羨ましくも感じるが、恵まれすぎたせいで現実を知らないのもいかがなものかと思ってしまう。
胸の中で黒い渦が暴れているのがわかった。
「お母様、お父様、一緒にお茶をしましょう?」そう言えたなら、どんなに幸せだっただろう。
新しく仕立ててもらったドレスを着て、お父様とお母様が寄り添っているソファの元に駆け寄れたのならば、家庭教師に褒めてもらえればご褒美をもらえるような関係だったのなら、毎日が輝いて見えるのだろうか。
それを幸せだと知らないでいれるのならば、それが当たり前だと思えたのなら、どんなに素敵だろう。
考えていれば羨ましいの域を超えてしまって、私はお門違いだと知りながらも会ったこともないフランツ様に酷く嫉妬した。子供らしくいれる子供が妬ましかった。
街に行ったとき、私よりも貧しいな生活を送っているはずの平民の女の子が母親に抱かれて笑っているのを見て、なぜか敗北感を感じた。
私の方が良い生活を送っているのに。
私が望んだものは全て買ってもらえるのに。
私が身につけているのは最高級の生地を惜しまずに使ったドレスなのに。あの女の子が着ている目の荒い綿のワンピースなんかと比べ物にならないくらい良いものなのに。
私の方が大きな屋敷に住んでいて、私の方が美味しい食べ物を食べているはずなのに。
どうして、私はこんな喪失感を感じなければいけなんだろう。
動かしていたペンが止まった。ふと、それが気にかかった。
でも、と自分自身に言い訳をする。
でも、私は恵まれているんだ。それを理解していないのは私自身なのかもしれない。平民のあの子よりも恵まれているのだから。私は貴族で、お金に困ることもない。私があの子を羨むように、あの子も私のことを羨んでいるのかもしれない。私たちはお互いの幸せに気づけずに、無い物ねだりをしているだけなのかもしれない。天は二物を与えないと言うではないか。
そうすれば心が安まる。大丈夫だと、自分は人に憐れまれるような人間ではなく、恵まれている、人に羨ましがられる存在だと信じられた。ほっとすれば瞼が重くなってきて、それから少しして私はベッドに入った。その夜は夢も何も見ずに、深い眠りについた。
朝起きてみれば、メイドがお母様からの手紙を渡してきた。それには昨日の晩餐会での私の評価と、フランツ様と会う日取りが簡単に記されていた。それと、昨日のものとは別のフランツ様の肖像画をお母様の部屋へ見にきなさい、という少々雑な指示。晩餐会での評価はそう悪いものではなかったし、今までよりも所作が綺麗に見えたと褒めてくれているところもあった。お母様はむやみに人を褒めない方だから、たった一言だけでも私の顔に笑みが浮かぶ。
私は白いレースがあしらわれた紺色のドレスを着てお母様の元へ向かった。
「来月にフランツ様に会えるわ。それまでにきちんと勉強をしておきなさいね。家柄はわたくし達侯爵家よりも格下ですけれど、社交界では権力を持っているお方よ。ご子息がどうであれ、御両親は他人に厳しい方たちでしょうから」
お母様が静かに言った。家庭教師に、伯爵家は新しい事業に成功して社交界で力を付けつつあると聞いた。自分の息子に付いては触れないけれど、他人の子供への評価は厳しいのはどうなのだろうか、と心の中で思ってしまう。
「承知致しました、お母様。ところで、フランツ様の肖像画を見せて頂けるとお聞きしましたが……」
「ああ、そうね。ごめんなさい、すっかり忘れていたわ。今朝届いたばかりなのよ。昨日の肖像画と様子が違うのだけど、今から見せる肖像画の方が正確だと思うの。わたくしも一度しか会ったことがないけれど、最近のことだからそこまで変わっていないと思うわ」
お母様は使用人を呼び出し、肖像画を持って来させた。
そこには無邪気に笑う栗色の髪の毛をした小太りの男の子が描かれていた。昨日の肖像画にはきりっとした目元の賢そうな子供が描かれていたから、画家がそうやって注文をされて描いたのだろう。こちらを何も疑いもしないような瞳がこちらを見ている。こっちの肖像画の方が正確だと言うお母様の言葉に納得した。こっちの方が子供らしいし、自然な表情をしている。
お母様はこの肖像画を見て、少し困ったように笑っていた。私はその姿を見て、昨日から思っていた事をお母様に吐き出す。きっとお母様も私と変わらない考えだろうとその顔から予測できた。
「お母様、わたくしフランツ様と合わないと思いますの。調査書を読んで見たのですけれど……。きっとわたくし達貴族の役割をまだ自覚していらっしゃらないのだと思うのです。わたくしとフランツ様とではあまりにも考え方がかけ離れているのではないかと思ってしまいました」
失礼とも取れる私の発言に対して、お母様は笑って頷いた。時々にしか見せない、美しい微笑みを浮かべていた。
「そうね、わたくしもそう思ったの。きっとシャーロットには合わないかもしれないって。貴女もそう思ったのね? 早速お断りの連絡をしておくわ」
お母様はなぜか機嫌が良さそうだった。
「お母様、そんな事をして大丈夫なのですか? 伯爵家は社交界で力を持っているんじゃありませんの? 何か噂になってしまったら……」
「大丈夫よ」
お母様がきっぱりと言い張った。
「確かに社交界で力を持っているけれど、わたくし達侯爵家には刃向かえないもの。それに、侯爵家は良い顧客なの。それだけのことで噂になっていたらわたくし達だって取引の手を引くでしょう? それで困るのは伯爵家よ。よっぽど頭が弱くない限り、上下関係くらいは分かっていると思うわ」
お母様はもともとこの縁談に乗り気ではなかったらしい。私に一言賢いわね、と言って、部屋から退出するように指示を出した。私はすごすごと部屋から出て行く。屋敷の大きな時計の音が、あと十分で歴史の授業が始まる事を知らせた。
私はそのまま私室へ向かって、いつも通りの授業を受けた。
その話の終わり方があっけなかったからか、昨日の夜に思い悩んでいた事が馬鹿らしくなってきた。きっと賢い選択を出来たんだと思う。
私はお母様が笑ってくれたことも、こんなに簡単に「賢い」と言ってもらえたことも嬉しくて、その日はとても幸福な夢を見た。その夢の内容までは覚えていないけれど、とても楽しくて、とても幸せだった事だけはしっかりと覚えている。
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